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職業安定法とは?改正後の規則・違反ポイントを徹底解説!

更新日:

人事労務管理

職業安定法は就職後のトラブルの未然防止を図る目的で、これまで何度も改正されています。日本においては、労働力不足の影響で求人サイトや求人情報誌で人を募集する企業が増えています。

職業安定法は求人を行う企業にとって、遵守すべき基本的な法律のため、しっかりと理解しておく必要があります。

【本記事でわかること】

  • 職業安定法の概要と基本
  • 2018年1月1日施行の改正後の規則
  • 募集情報等提供事業と労働者供給事業に係る規定の整備について

職業安定法とは

職業安定法とは、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律です。

第二条では、公共の福祉に反しない限り、何人も職業を自由に選択できると定められています。また、第三条では人種・国籍・性別・社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員などを理由に職業紹介、職業指導等について、差別的取扱いを受けることはないとされています。

2018年に職業安定法の一部が改正され、違反した場合、罰則規定が盛り込まれました。

【参考】電子政府の総合窓口 e-Gov 職業安定法

違反となる職業安定法の条項

職業安定法の中には、特に気をつけたい条項が存在します。

第32条 許可の欠格事由

有料の職業紹介業を行おうとする者は厚生労働大臣の許可が必要で、以下のようなケースには許可を出してはいけないことになっています。

  • 禁固以上の刑に処され、その執行を終えてから5年を経過しない者
  • 厚生労働大臣に職業紹介事業の許可を取り消されて5年を経過しない者

その他のケースについては、電子政府の総合窓口 e-Gov 職業安定法をご確認ください。

第40条 報酬の供与の禁止

職業安定法では、求人募集をしている会社に勤め、その採用募集に従事している社員に対して賃金(給与)とは別に報酬を支払ってはならないと規定されています。

第44条 労働者供給事業の禁止

「厚生労働大臣許可を受けた労働組合による無料の労働者供給」以外の労働者供給事業を行ったり、利用したりしてはいけないことになっています。

2018年の職業安定法改正後の規則

2018年の職業安定法改正後の規則

2018年1月1日に施行された職業安定法改正では、職業紹介事業者が気をつけたい5つの規則が存在します。

【参考】平成29年職業安定法の改正について 概要(PDF)|厚生労働省

求人者等に明示する必要のある労働条件等

求人を行う際には、書面等により次の事項を記載する必要がありました。

  • 業務内容、契約期間、就業場所、労働時間、賃金、社会・労働保険の加入の状況

上記以外の項目については、基本的に自由記載でしたが、労働者が適切に仕事を選択できるように、求人の際に明示する事項の追加が行われました。

省令において、明示が義務付けられた事項

  • 試用期間の有無及び期間、試用期間中の労働条件
  • 労働者を雇用しようとする者の氏名又は名称
  • 派遣労働者として雇用しようとする場合は、その旨

明示すべきであることが指針に明記された事項

  • 固定残業代制を採用する場合、固定残業代を除いた基本給の額、固定残業時間、固定残業時間を超えた場合は追加で給与を支払う旨
  • 裁量労働制を採用する場合には、その旨

職業紹介の実績等を情報提供する義務

職業紹介事業に関するサービスは、多様化が進んできています。求職者と求人者が適切に職業紹介事業者の選択ができるように、職業紹介事業者は次の情報提供を行うことが義務付けられました。

  • 各年度の就職者数、そのうち無期雇用就職者の数
  • 無期雇用就職者のうち6カ月以内に解雇以外の理由で離職した者の数、6カ月以内に離職したかどうか判明しなかった者の数
  • 手数料に関する事項(手数料表、返戻金制度等)等
  • その他、職業紹介事業者の選択に資すると考えられる情報(任意)

これらの情報は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」へ掲載しなければなりません。また、必要に応じて各事業者のホームページ等にも掲載しなければならないので注意しましょう。

求人・求職管理簿、事業報告への記載事項

求人・求職管理簿ではこれまでの項目に加え、新たに以下の事項を記録する必要があります。

  • 期間の定めのない労働契約を締結した場合は、その旨
  • 転職勧奨が禁止される期間(採用年月日から2年間)
  • 無期雇用就職者については、就職から6カ月以内に離職したか否か

また、労働局に提出する事業報告についても、これまでの報告事項に加えて、新たな報告事項が増えています。

  • 各年度の無期雇用 就職者数
  • 無期雇用者のうち、就職から6カ以内に解雇以外の理由で離職した者の数及び離職したかどうか判明しなかった者の数
  • 返戻金制度の有無及び 導入している場合はその内容
  • 職業紹介に従事する従業員の人数及び従業員に対する教育の内容

求人者に対する啓発等の必要性

労働条件明示が適正に行われるように職業紹介事業者は求人者に理解を求めていくことが大切と定めています。

紹介した求職者への対応に関する留意点

職業紹介事業者は、紹介した求職者が早期に離職することがないように以下の事項を遵守する必要があります。

  • 自らの紹介により就職した者(無期雇用契約に限る)に対して、就職した日から2年間は、転職の勧奨を行ってはなりません。
  • 手数料に関して、返戻金制度を設けることが望まれます。
  • 求職者・求人者双方に、それぞれから受理する手数料の明示が必要です。
  • 求職者等を勧誘するに当たっては、お祝い金等の金銭を支給することは望ましくありません。

職業紹介責任者の遵守事項

職業安定法改正により、職業紹介責任者の責務が追加されました。

1.教育

職業紹介責任者は、労働関係法令等の職業紹介の適正な遂行に必要な教育を行わなければなりません。

2.職業紹介責任者講習

これまで新規受講者のみが対象だった科目も、全員が受講するよう変更されました。また、講習内容の追加項目として、労働関係法令等の改正動向やほかの従業員に対する教育方法などが加えられています。さらに、受講するだけではなく理解しているかを確認するために、試験合格が講習終了要件となりました。

3.メールマガジンの登録

厚生労働省が労働関係法令等の改正についての情報を定期的に発信しているメールマガジン「厚生労働人事労務マガジン」の登録をしなければならなくなりました。

募集情報等提供事業(求人情報サイトや求人情報誌等)に係る規定の整備について

募集情報等提供事業者は、求職者に提供する情報が適切なものであるように、募集主である事業者に協力を依頼する必要があります。対応が必要な主な募集情報としては、公衆衛生や公衆道徳上有害な業務に就かせる目的の募集情報、法令に違反するような募集情報、そして実際の労働条件等と異なる内容を含む募集情報等です。

これらの募集情報に気が付いた場合は、事業主に対して変更を依頼する必要があります。もし対応しない場合は、募集情報の掲載を控えるなどの対応が必要となるでしょう。ただし、募集している事業主の承諾なしに募集情報を変更してはならないので注意しましょう。

また、募集情報等提供事業者は、求職者の適切な職業選択のために、相談窓口の明確化、個人情報の適正な管理などに努めるよう取り組みをすることが求められています。

労働者供給事業に係る規定の整備について

労働者供給事業を行っている事業者は、業務運営の改善向上に向けた措置の努力義務が設けられました。主な内容としては、供給される労働者に対して供給される労働者でなくなる自由の保障、労働組合の規約策定と遵守、過度に高額な組合費の徴収の禁止、適切な社会保険及び労働保険の適用手続き、供給される労働者からのクレーム対応の体制整備などが挙げられます。

また、労働条件等が変更された場合は、変更内容について、労働者にわかりやすく明示することが新たに義務付けられています。たとえば、当初契約内容と変更契約内容が対照できるような書面にしたり、変更された部分に下線や着色をしたりなどの工夫が求められます。ただし、変更明示を適切に行ったとしても、当初の明示を安易に変更することのないようにしましょう。

職業安定法:まとめ

職業安定法は、労働者が適切な職業に就くことができるようにする法律です。募集を行う事業主だけではなく、職業紹介事業者にも徹底した遵守が求められます。職業紹介事業者や所属する職業紹介責任者は、努力義務とはいうものの対応すべき事項が増えています。

【留意すべき職業安定法の規則】

  • 求人者等に明示する必要のある労働条件等
  • 職業紹介の実績等を情報提供する義務
  • 求人・求職管理簿、事業報告への記載事項
  • 求人者に対する啓発等の必要性
  • 紹介した求職者への対応に関する留意点
  • 職業紹介責任者の遵守事項

専門家である社会保険労務士に相談しながら、抜け漏れがないように確認しておきましょう。



油原 信|えがお社労士オフィス

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