労務SEARCH(サーチ)

労務の課題を解決するメディア

Facebook twitter

メールマガジン無料登録

 

おすすめ記事やお役立ち資料をお届けします。

2018年1月施行の職業安定法の改正をご存じですか?

人事労務管理

2018年1月1日に改正職業安定法が施行されました。改正の趣旨は、就職後のトラブルの未然防止を図ることと言えます。現在、日本においては、労働力不足の影響で特に中小企業において深刻な採用難が続いています。それに伴い、いろいろな求人サイトや求人情報誌で人を募集する企業が増えてきました。求人をする企業にとっても今回の改正事項には注意が必要です。改正のポイントをみていきましょう。

募集・求人申し込み時の労働条件等明示について

これまで、求人を行う際には、書面等により次の事項を記載する必要がありました。

  • 業務内容、契約期間、就業場所、労働時間、賃金、社会・労働保険の加入の状況

上記以外の項目については、基本的に自由記載でしたが、労働者が適切に仕事を選択することができるように、求人の際に明示する事項の追加が行われました。その内容は次のとおりです。

  • 試用期間の有無及び内容、募集主・求人者の氏名または名称。派遣労働者として雇用しようとする場合はその旨

また、労働時間の記載に関して、裁量労働制を適用している場合はその旨、賃金に関しては固定残業代についての事項を記載するなどの明確化が必要となっていますので、求人を行う際には忘れないようにしましょう。

職業紹介事業者に関する情報提供について

職業紹介事業に関するサービスは、多様化が進んできています。求職者と求人者が適切に職業紹介事業者の選択ができるように、職業紹介事業者は次の情報提供を行うことが義務付けられました。

<職業紹介事業者が提供すべき情報>

  • 就職者の数、無期雇用就職者の数
  • 無期雇用就職者のうち早期に離職した者の数、早期に離職したかどうか判明しなかった者の数
  • 手数料に関する事項(手数料表、返戻金制度等)等

これらの情報は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」へ掲載しなければなりません。また、必要に応じて各事業者のホームページ等にも掲載しなければならないので注意しましょう。なお、早期に離職した者の数とは、就職から6カ月以内に離職した人(解雇者を除く)のことをいいます。

募集情報等提供事業(求人情報サイトや求人情報誌等)に係る規定の整備について

募集情報等提供事業者は、求職者に提供する情報が適切なものであるように、募集主である事業者に協力を依頼する必要があります。対応が必要な主な募集情報としては、公衆衛生や公衆道徳上有害な業務に就かせる目的の募集情報、法令に違反するような募集情報、そして実際の労働条件等と異なる内容を含む募集情報等です。

これらの募集情報に気が付いた場合は、事業主に対して変更を依頼する必要があります。もし対応しない場合は、募集情報の掲載を控えるなどの対応が必要となるでしょう。ただし、募集している事業主の承諾なしに募集情報を変更してはならないので注意しましょう。

また、募集情報等提供事業者は、求職者の適切な職業選択のために、相談窓口の明確化、個人情報の適正な管理などに努めるよう取り組みをすることが求められています。

職業紹介責任者に関する法律改正

職業紹介事業者が選任しなければならない職業紹介責任者について、3つの法律改正が行われました。

<法律改正によって増えた職業紹介責任者の責務>

  1. 教育
    職業紹介責任者は、労働関係法令等の職業紹介の適正な遂行に必要な教育を行わなければなりません。
  2. 職業紹介責任者講習
    これまで新規受講者のみが対象だった科目も、全員が受講するよう変更されました。また、講習内容の追加項目として、労働関係法令等の改正動向やほかの従業員に対する教育方法などが加えられています。さらに、受講するだけではなく理解しているかを確認するために、試験合格が講習終了要件となりました。
  3. メールマガジンの登録
    厚生労働省が労働関係法令等の改正についての情報を定期的に発信しているメールマガジン「厚生労働人事労務マガジン」の登録をしなければならなくなりました。

労働者供給事業に係る規定の整備について

労働者供給事業を行っている事業者は、業務運営の改善向上に向けた措置の努力義務が設けられました。主な内容としては、供給される労働者に対して供給される労働者でなくなる自由の保証、労働組合の規約策定と遵守、過度に高額な組合費の徴収の禁止、適切な社会保険及び労働保険の適用手続き、供給される労働者からのクレーム対応の体制整備などが挙げられます。

また、労働条件等が変更された場合は、変更内容について、労働者にわかりやすく明示することが新たに義務付けられています。たとえば、当初契約内容と変更契約内容が対照できるような書面にしたり、変更された部分に下線や着色をしたりなどの工夫が求められます。ただし、変更明示を適切に行ったとしても、当初の明示を安易に変更することのないようにしましょう。

まとめ

2018年1月1日に施行された職業安定法の改正では、労働者が適切な職業に就くことができるような改正が行われています。その対象は、募集を行う事業主だけではなく、職業紹介事業者にも波及しています。特に職業紹介事業者やそこに所属する職業紹介責任者に関しては、努力義務とはいうものの対応すべき事項が増加しています。実際にどのような対応をすべきかわからない場合は、専門家である社会保険労務士に相談して整備を進めてみてはいかがでしょうか。

油原 信 |  えがお社労士オフィス

いいね!していただくと毎日更新している最新の情報をお届けします