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最近話題になってきた、リカレント教育とは?

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人事労務管理

「働き方改革」という言葉がテレビをはじめとするメディアでさまざまに取り上げられています。その多くは残業時間の上限規制や残業時間の規制を撤廃した高度プロフェッショナル制度といった、規制改革に着目しています。

しかし、「働き方改革」はそれだけではありません。報道の頻度は少ないかもしれませんが、そのほかにも多くの取り組みが検討されていて、そのなかの1つに、この「リカレント教育」も含まれています。

リカレント教育とは、どのようなものなのか(概要)

リカレント教育とは、レーンというスウェーデンの経済学者が提唱した生涯教育構想のことをいいます。具体的には、義務教育を終え、職業人になった後も個人が必要とすれば教育機関に戻り、改めて就労に生かすための学習をして、再び職場に戻ることができる教育システムのことです。

リカレント「recurrent」とは、反復や循環ということを意味しています。つまり、社会の急激な変化に適応するためには、教育は人生の初期だけではなく、生涯続けていくことが重要で、個人が必要に応じて就労と教育を交互におこなうことが理想的であるとしたものです。
日本政府においてもリカレント教育は重要であると認識しており、現在議論されている働き方改革のなかでの法整備が期待されています。

働き方改革におけるリカレント教育の活用①

リカレント教育は、働き方改革の実行計画のなかでも「ワークライフバランスを確保して、健康に、柔軟に働きたい。」「病気治療、子育て・介護などと仕事を、無理なく両立したい。」等のような、時間・場所などの制約を克服するための課題として、対応策の検討が進められています。

具体的には、結婚等で退職した正社員女性の再就職問題です。現在では、正規社員としての再就職はわずか12%にとどまり、88%は非正規での再就職となっているという現状です。
さらに、退職社員の復職制度を備えた企業はわずか12%にとどまっており、従業員個人の不測の事態の際の選択肢は少ないという現状があります。

そんな社会のなかで、新たな雇用を見つけるために、リカレント教育を活用して就職の機会を増やすことが期待されているのです。

働き方改革におけるリカレント教育の活用②

また、リカレント教育は働き方改革の実行計画において、「ライフスタイルやライフステージの変化に合わせて、多様な仕事を選択したい。」「家庭の経済事情にかかわらず、希望する教育を受けたい。」といったキャリアを構築するための課題への対応策が挙げられています。

企業の中高年採用実績は66.1%、実績なしは34.9%と、中高年の雇用の流動性は未だに高いとは言えません。また、社会人学生の割合はOECD平均の16.7%に対してわずか2.5%でしかありません。仕事を辞めた中高年が、リカレント教育を進めていくことで、今までの社会経験に加えて、新しい知識や情報、そして仕事に役立つ能力を身につけることができるでしょう。

これにより、中高年の採用実績割合の増加が期待されています。

リカレント教育を活用するうえでの問題点

海外のリカレント教育では、就労と教育の期間が明確に分けられ、それぞれの期間を交互に繰り返すことができます。そのため、学んでいる間は仕事のことを気にせずに勉強に集中することが可能となっているのです。

一方、日本における従来の教育システムは、年功序列の長期雇用を土台としており、仕事における技術や知識は、就職した企業内でOJTとして身に着けていくというものでした。そのため、本来のリカレント教育である、キャリアを一時中断して教育を受けなおすというような、区切りをつけることが非常に難しい状況となっています。

また、経済的な支援についても課題は多く存在します。雇用保険に教育訓練給付金などはあるにしても、家族を養っている状況であれば、決して十分とは言えないものなのです。

実態に合わせた日本型のリカレント教育

そこで、働き方改革では、今後の対応の方向性や、具体的な施策について検討し、学びなおし講座の充実・多様化をすることで日本でも対応できるリカレント教育を目指しています。

特に女性の雇用問題解消のため、女性対象のリカレント講座の増設を検討しています。子育て女性でも受けやすいように土日や夜間講座のほか、完全eラーニング講座を新設することで利便性を高めています。また、就職者数の増加が見込まれるIT分野などの講座の増設や新設が検討されており、女性の社会進出の促進剤として期待されているのです。

それに合わせて企業の教育訓練の実施拡大も推進されています。近年では、民間企業における一人あたりの教育訓練費は漸減傾向にあります。先進国で実施されているオーダーメイド型訓練などを学ぶことのできる場所自体の増設により、中小企業等の生産性向上に資する人材育成支援も進めています。

まとめ

日本におけるリカレント教育は、現状の就労スタイルとの兼ね合いにより、課題は多くあるものの、子育て後の女性の社会進出や、若者の就職支援、そして中高年の新たな雇用の創出などに活用できると期待されています。特に、女性の雇用問題解消に力を入れており、講座の増設や完全eラーニングの新設がすすめられています。

企業としては、漸減傾向にある教育訓練の実施拡大が推進されているため、興味がある場合は専門家である社会保険労務士などに相談をしてみてはいかがでしょうか。

加藤社会保険労務士事務所

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