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男性育児休業取得促進で一歩進んだ両立支援を~イクメン増員計画のススメ~

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人事労務管理福利厚生

2017年6月、政府から『女性活躍加速のための重点方針2017』が発表されました。同方針では、男性の育児休業(以下:育休)の取得状況「見える化」の推進、「男の産休」の取得促進、といった内容が盛り込まれています。

今後の両立支援・女性活躍の取り組みは「男性の協働」がテーマとなり、男性育休取得率3%の壁をどう乗り越えるかがひとつの指標となるでしょう。この機会に「イクメン」増員計画をたててみませんか。

企業にとっての男性育休取得のメリットとは

男性育休の取得を推進することは、労働者側だけでなく企業側にもメリットがあります。特に大きいのは、企業イメージです。男性もしっかりと育休をとれている会社は、労働者のことを大事にしているという印象を与えます。

また、実際に育休から復帰した男性の先輩を見ていると、その下の世代の方たちも安心して育休が取得できますし、復帰後はさらに頑張ろうというモチベーションや帰属意識などにも繋がっていくでしょう。このような企業イメージやモチベーションだけでなく、労働者同士での協力意識向上や成長を促す効果もあるといわれています。

ある男性労働者が育休を取った場合、当然ながら育休を取った男性労働者が担当していた業務を、ほかの労働者たちで分担していくことになるかと思います。その業務の分担などを任された労働者は、全体のことを考えながら作業を行っていくことになりますので、リーダー職・管理職の育成になるという側面もあるでしょう。

実際に企業で男性育休の取得を推進したところ、業務の効率がアップしたという話も少なくはありません。

男性育休の現状を知る=あなたの企業の課題がわかる

とはいえ世間一般的には、男性の育休についてまだまだ企業側の理解が深まっているとはいえない状況です。育休取得率から見ても、女性の取得率が80%以上なのに対して、男性の取得率は3%に満たない2.65%しかありません。

さらに、取得した男性労働者の取得日数でも、そのほとんどが1ヶ月未満と短期間であることが分かりました(厚生労働省「平成27年度雇用均等基本調査」(http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/71-27.html)より)。

一方で、育休を希望する男性労働者は、全体の30%ほどにもなるといわれています。ですが、「職場が育休制度を取得しづらい雰囲気だった」、「残業が多いなど、業務が多忙であったため」などの理由により、数多くの男性労働者が育休を取得したいのにできない、という状況に陥っているのが現状です(厚生労働省「平成27年度仕事と家庭の両立に関する実態把握のための調査研究事業」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000103114.html)より)。

今後、こういった状況を改善していくためには、労働者任せにするのではなく、事業主が率先して男性労働者も育休を取得しやすい雰囲気を作っていく必要があります。

男性の育休取得を促進するために~風土・組織づくり~

企業側が育休取得を推進するには、やはり適切な労務管理が非常に重要です。労働時間は長時間になっていないか、業務の負担が集中していないかなど、育休取得の妨げになる可能性のある問題点は、しっかりと解決していきましょう。

長時間労働になっている場合は、その解決策を当人とともに考え、業務が集中しているようであれば、ほかの従業員へ適切に分担するなどの対応をしていきます。スケジュールを共有するという方法も良いでしょう。ほかにも会議の無駄を省くなど、さまざまな観点から業務の負担を減らしていきます。

そのうえで、社内研修で育休についての周知を行うことや、男性育休に関するポスターを掲示すること、あるいは実際に配偶者が妊娠したという男性労働者に対して、リーフレットを渡したり、人事部から育休を勧めることなど、日頃から労働者が育休について意識するような環境作りを心掛けましょう。

会社も男性社員も意外と知らない公的支援制度(1)

そもそも、育休は誰でも取得できるということを、労働者どころか事業主でも把握していないケースもあるかと思います。育休は男女問わず取得が可能ですし、妻と夫の2人とも育休を取得することもできるのです。

また、事業主は労働者から育休の申請があった場合、これを拒否することはできません。これは「育児・介護休業法」によって定められており、たとえ就業規則に記載されていなくても、労働者の育休申請は一部の例を除き受け付けなければなりません。

会社も男性社員も意外と知らない公的支援制度(2)

続いて、雇用保険の一般被保険者が育休中に受けられる「育児休業給付金」について解説します。

育児休業給付金

この給付金は、休業開始時の賃金月額を基準に定められています。具体的に休業開始から180日目までは賃金月額の67%が、181日目以降は賃金月額の50%が給付されます。

この給付金は非課税のため、所得税の控除対象にはならず、それぞれに上限額と下限額があります。67%の期間は上限額が284,415円/月・下限額が46,029円/月となり、50%の期間は上限額が212,250円/月・下限額が34,350円/月となっています(ご紹介した金額は2017年7月までのものであり、本給付金額は毎年8月1日に変更されます)。

あわせて、育休中は社会保険料も免除となります。具体的には育休を開始した日の月から、その休業終了する月の前月までの期間(ただし子供が3歳に達するまで)を対象に、被保険者負担分だけでなく、事業主負担分まで免除されますので、きちんと把握しておきましょう。

育休中の経済的支援は前述した給付金や社会保険料免除のほかにも、「両立支援等助成金」という、育休取得を推進する事業主へ支給される制度もあります。

両立支援等助成金

  1. 「出生時両立支援コース」

    男性が育休を取得しやすい職場風土作りに取り組み、実際に男性労働者が育休をした場合、事業主に助成されます。本助成金の支給は各年の4月1日から翌年の3月31日までにおいて、1事業主あたり1人までと定められています。
    よって、育休1人目の支給額は、中小企業で57万円、中小企業事業主以外で28.5万円になります。なお、翌年からは育休2人目以降とされ、その支給額は中小企業、中小企業以外ともに14.25万円となっています。

  2. 「育児休業等支援コース」

    「育休復帰支援プラン」を作成し、このプランに沿って労働者に育休取得、職場復帰させた中小企業事業主に助成されます。本助成金の支給は、1事業主あたり2人(無期労働者1人、有期労働者1人)までと定められています。その支給額は育休取得時で28.5万円、職場復帰時で28.5万円、なお育休取得者の職場支援の取り組みをした場合は、19万円が職場復帰時に加算して支給されます。

ご紹介した「両立支援等助成金」に関しての情報は、平成29年度時点の情報です。詳しい受給要件や助成内容は、厚生労働省ホームページより「事業主の方への給付金のご案内」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/)をご確認ください。

労働者が安心して育休を取得できるよう、こういった制度についても把握しておきましょう。

まとめ

男性の育休取得を促進していくことは、今後企業がますます発展していくためにも重要なことになるでしょう。男性の育休取得率は依然として低水準ですが、これからは労働者の働き方も多様になり、男性が育休を取得するのが当たり前という時代もやってくるかと思います。

しかし、そんな時代がやってくるのをただ見ているだけではなく、率先して育休取得率の向上に努め、時代の先を走るような企業を目指してみませんか。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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