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産後休業の期間変更時、および終了後にすべき手続きについて

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人事労務管理福利厚生

産後休業は、出産日の翌日から8週間(56日間)の就業できない期間をいいます(ただし、産後6週間経過後に本人が請求し、医師が認めた業務の場合は就業可)。

しかし、申請済みの産前・産後休業期間が出産日によって変更になったり、当初予定より早く復職することによる手続きが発生したり、産前産後休業終了後に報酬が下がった場合の手続きがあります。担当者がこれらについて認識し、進めるべき手続きはどのようなものか確認しましょう。

産後休業を終了するときの手続きについて

産後休業は、労働者の希望により出産直前まで働くことができた産前休業と違い、労働者の希望にかかわらず、原則として就業させてはいけません。そのため、産後休暇を申請する場合は、出産日から8週間の期間で申請することがほとんどです。

しかし、出産から6週間経過し、労働者が職場復帰を希望している場合は、医師が支障ないと認めた簡単な業務に限り就業させることは可能です。その場合、産後休業の期間に変更が生じるため、「産前産後休業取得者変更(終了)届」を提出しなければなりません。

産休中は社会保険などの支払いが免除になっていることから、正しく終了日を報告する必要があります。そのため、この届出書は労働者が産休から復帰次第、日本年金機構へ(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合にも)速やかに提出しましょう。なお、産後休業が本来の予定どおりの日に終了した場合は、届出書による手続きの必要はありません。

出産により産後休業期間が変更になったときの手続き

前述したように、産後休業期間が変更になった場合は、「産前産後休業取得者変更(終了)届」の手続きが必要になります。ここで注意しなければならないのが、出産予定日と実際の出産日がずれてしまったときです。産前から休暇を取得する場合、出産予定日を基準に産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日までを産休期間と定めることになります。

しかし、あくまで予定日は予定日ですので、予定どおりに生まれてこないということも十分に考えられます。産後休暇の56日は「実際の出産日」の翌日から数えられますので、予定日と出産日がずれてしまうと産後休業の期間にもずれが発生してしまうのです。

たとえば、予定日が4月1日と伝えられていた場合、その翌日である4月2日からの56日間、つまり5月27日までを産後休業期間として申請します。しかし、実際の出産日が予定日よりも3日ずれて、4月4日が出産日だったとすると、産後休暇期間も3日分ずれて5月30日までになります。

このように、出産日がずれることで産後休業期間にも変更が生じた場合も、事業主は速やかに「産前産後休業取得者変更(終了)届」を日本年金機構へ(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合にも)提出しなければなりません。

産前・産後休業終了後の標準報酬月額変更手続き

産前・産後休業期間中の出産手当金は、その休業期間中に会社から給与の支払いがない場合(無給休暇として扱われる場合)や、支払われるがその額が出産手当金よりも少ない場合等に受け取ることができます。

ですが、出産手当金の支給額は「標準報酬月額」の3分の2ほどの額となっています。この標準報酬月額とは、直近12カ月分の給与から算出された各月の平均給与を、区切りの良い数字に区分した額のことをいい、全部で50等級と細かく区分されているものです。

平成29年度 東京都の場合でいうと、月の平均給与が19万5,000円~21万円の労働者は標準報酬月額が20万円、29万~31万円の労働者なら30万円となります。

参考資料:平成29年度保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat330/sb3150/h29/h29ryougakuhyou4gatukara

そして、産前・産後休業終了後にこの標準報酬月額を変更することができます。というのも、産前・産後休業期間中は社会保険料が免除になっていたわけですが、当然その休業期間が終了した際は、保険の支払いも再開となります。

休業終了直後は、事業所が配慮して労働時間や日数を少なくすることもあるでしょう。その分、復帰後の賃金は休業前よりも少なくなるかと思うのですが、復帰後の保険料も産前の標準報酬月額で計算されているため、労働者にとってはやや負担が大きくなってしまいます。

標準報酬月額を変更するには?変更後の基準は?

前述した標準報酬月額の変更は、労働者からの申請があり次第、事業主が「産前産後休業終了時報酬月額変更届」を日本年金機構へ(健康保険組合に加入している場合は健康保険組合にも)提出することによって行われます。

変更後の標準報酬月額の基準となるのは、産前・産後休業終了日の翌日が属する月から3カ月間の給与の平均額に基づき算出されます。

変更するにあたっては、

  • これまでの標準報酬月額と復帰後の標準報酬月額に1等級以上の差が生じること(1等級あたりどれくらいの差があるかは都道府県によってことなる)
  • 産前産後休業終了日の翌日が属する月から3カ月のうち、少なくとも1カ月における支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)を超えていること

これら2つの条件を満たす場合に限り、4カ月目の標準報酬月額から改定することができます。こういった復帰後の話も、産休に入る前に労働者へ周知させておくことが大切でしょう。

ただし、産後休業終了日の翌日からすぐに育児休業が開始する場合は、標準報酬月額の変更を申し出ることはできません。詳しくは、日本年金機構のホームページ「産前産後休業終了時報酬月額変更届の提出」(http://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-kankei/menjo/20140327-01.html)をご確認ください。

まとめ

このように、産休期間中に変更があった場合は速やかに書類を提出する必要があります。また、復帰後に労働者の負担が大きくならないよう、標準報酬月額を変更できる旨を伝えておくことも大切です。

産休が終わったからといって、育児が終わるわけではありません。労働者が安心して育児と仕事を両立できるよう、復帰後のことも休業前からしっかりと確認するように心がけましょう。

山本 務|やまもと社会保険労務士事務所

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