労務の課題を解決するメディア労務SEARCH(サーチ)

産休育休法定諸制度知っ得活用術!~労使で必要な手続きとその概要とは~

女性の社会進出が進む現代では、産前産後休業や育児休業は、これからの労働環境を支えるうえで、もはや必要不可欠な制度です。

しかし、仕組みの理解や休業以外の法定の諸制度があることは十分に認知されておらず、積極的に活用されていないのが現状です。活用できる制度と手続きをケースごとに解説します。 “産休育休マスター!”を目指しましょう。

産休育休期間中の保険料負担の減免制度とは?

産休育休期間中の保険料負担の減免制度についてご紹介します。

休業期間中の保険料免除
事業主が年金事務所と健康保険組合に、「産前産後休業取得者申出書」と「育児休業等取得者申出書」を提出し、申請します。被保険者・事業主共に休業期間中の健康保険と厚生年金の保険料は免除されます。

休業期間終了後の保険料負担軽減
勤務時間の短縮などの要因で報酬が下がった場合に、標準報酬月額を即時に減額改定することができます。「産前産後休業終了時報酬月額変更届」と、「育児休業等終了時報酬月額変更届」を提出し手続きを行います。

3歳未満の子の育児中における保険料負担軽減(厚生年金のみ)
養育期間中の標準報酬月額が、養育を始めた月の前月と比べて下がっていると判断されたときに利用できる制度です。将来受け取る年金額の計算に際し、3歳未満の子の養育を始めた月の前月の標準報酬月額を、当該養育期間の標準報酬月額とみなします。

被保険者が事業主を経由して、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」を年金事務所へ提出します。

産休に引き続き育児に専念するための制度とは?

1991年に制定された育児・介護休業法に「育児休業制度」があります。子供を養育する労働者が取得でき、父母の区別なく被保険者が申し出ることで取得可能となります。
正社員以外に、派遣社員、契約社員などの期間雇用の場合も取得可能です。育児休業の取得は、原則として1人の子供につき1回のみとなります。

以下の条件に当てはまる方は育児休業を利用できません。

  • 入社後1年を経過していない(期間雇用または労使協定による適用除外)
  • 申出の日から1年以内に雇用関係が終了することが明らか(労使協定による適用除外)
  • 1週間に2日以下の勤務(労使協定による適用除外)
  • 子供が1歳6ヶ月を迎える前日までに雇用関係が終了することが明らか(期間雇用による適用除外)

両親ともに育児休業したいときの特例とは?

パパ・ママ育休プラス制度とは、パパとママの二人の育休期間をプラスして、子が1歳2ヶ月になるまでの間、育児休業を利用できる制度です。

典型例としては、ママが出産後の産後休暇8週間と育児休業とを合わせて1年間の休業を取得します。その後、パパが2ヶ月間の育児休業を取得すれば、ママとパパ合わせて1年2ヶ月まで休業することができます。パパ・ママ育休プラスの場合でも、育児休業給付金は受け取ることが可能です。

育児休業を開始する日の1ヶ月前までに事業主に休業取得の申出をし、必要書類を提出します。主な必要書類は、「育児休業給付金支給申請書」と「住民票」です。

一時的な育児や深夜帯の育児に活用できる制度とは?

一時的な育児や深夜帯の育児に活用できる制度にはどのようなものがあるのでしょうか。解説します。

子の看護休暇制度
小学校就学前の子を養育する労働者が利用できる制度です。1年の間に5日まで、病気や怪我をした子の看護のために休暇を取得できます。企業側へ書面または口頭で伝えることで可能となります。
ただし、勤続6か月未満の労働者や、週2日以下の労働者については対象外になる場合があります。

深夜業の制限の制度
小学校就学前の子を養育する労働者から請求があった場合には、原則として午後10時~午前5時までの間労働させてはいけません。
ただし、例外もあります。勤続1年未満の場合や、法令に定める一定要件に該当する場合は対象外となります。

深夜業の制限の申出は、1回につき1か月以上、6か月以内の期間について、その開始の日及び終了日を明らかにし、制限開始予定日の1か月前までに、事業主に申し出る必要があります。

法定時間外の労働を制限できる制度とは?

事業主は、小学校就学前の子を育児中の労働者から請求があった場合には、原則として1ヶ月で24時間、1年間で150時間を超える時間外労働をさせてはいけません。

しかし、勤続1年未満の場合など、法に定める一定条件に当てはまる場合は対象外となります。この制度は、派遣社員や契約社員など非正規労働者の場合も利用可能です。

1回につき1ヶ月以上、1年以内の期間が対象となります。開始から終了の日を明らかにし、開始予定日の1ヶ月前までに必ず書面などによる手続きをしましょう。

育児の状況にあわせた柔軟な働き方ができる制度とは?

こちらも育児中の労働者にとってはとても有難い制度です。所定労働時間短縮制度は、3歳未満の子を養育する労働者が対象です。育児中であっても仕事を継続できるという点がメリットでしょう。労働者が事業主へ申出を行うことで請求できます。

以下の全てに当てはまることが条件です。

  • 1日の所定労働時間が6時間以下ではない
  • 日々雇用でない
  • 短時間勤務制度が適用される期間に育児休業をしていない
  • 労使協定により適用除外とされていない

まとめ

産休育休の内容、手続きなどについてご紹介しました。育児・介護休業法は改正され、2017年1月1日から新たに、全面施行されました。

共働きが増えた昨今、産前産後休業や育児休業は、より良い労働環境を整えていけるとても大切な制度です。育児は夫婦で協力し合っていくものです。

育児中の労働者が今後も働きやすいように制度の充実や見直しをしていくことも重要でしょう。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

いいね!していただくと毎日更新している最新の情報をお届けします