労務SEARCH(サーチ)

労務の課題を解決するメディア
powerde by オフィスステーション

Facebook twitter

メールマガジン無料登録

 

おすすめ記事やお役立ち資料をお届けします。

均等待遇の実現に向けて、非正規雇用に関する各種労働法について

パート、アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規雇用労働者の待遇改善に向けて、政府の各種施策が実施されています。また、「日本再興戦略」のなかでも非正規雇用者の正規雇用労働者への転換を加速させて行くことが盛り込まれました。

労働契約法や労働者派遣法も改正され、均等待遇の実現に向けて各種法改正が行われています。非正規雇用に関する各種労働法について解説していきます。

非正規雇用の現状と課題、正規社員との待遇差について

厚生労働省が提示している資料『「非正規雇用」の現状と課題』(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/part_haken/)によると、非正規雇用労働者は平成6年から緩やかに増加しています。雇用形態別にみても、近年パート・アルバイトが増加しており、非正規雇用労働者に占める65歳以上の割合も高まっていることが分かります。

また、非正規雇用労働者の課題や正規社員との待遇差については

  • 正社員として働く機会がなく、非正規雇用で働いている「不本意非正規」の割合は、非正規雇用労働者全体の15.6%にものぼる(平成28年平均)
  • 非正規雇用労働者は正規雇用労働者に比べ、賃金が低い
  • 正社員以外に教育訓練を実施している事業所は、計画的なOJT(日常の業務に就きながら行われる教育訓練)、OFF‐JT(業務命令に基づき通常の仕事を一時的に離れて行う教育訓練や研修)ともに正社員の約半数
  • 適用されている各種制度割合は、正社員に比べて非正規雇用労働者は大きく下回っている

このような特徴があります。

キャリアアップ措置の義務化「労働者派遣法」の改正

平成27年9月30日に労働者派遣法の改正が施行されました。これによって派遣労働という働き方やその利用は、臨時的/一時的なものであることを原則とするという考えのもと、常用代替が防止されました。

あわせて、派遣労働者のより一層の雇用の安定、およびキャリアアップを図ることが本改正労働者派遣法に盛り込まれました。このキャリアアップ措置の義務化では、すべての派遣労働者がキャリアアップを図るために、派遣元から下記のキャリアアップの措置を受けることができるようになりました。

  • 段階的かつ体系的な教育訓練
  • キャリア・コンサルティング(希望する場合)

無期雇用派遣労働者に対しては、長期的なキャリア形成を視野に入れた教育訓練を実施することが派遣元に義務付けられるようになりました。

労働契約法の無期雇用転換ルールについて

平成25年4月1日に施行された労働契約法第18条では、無期労働契約への転換ルール(以下:無期転換ルール)が制定されました。

無期転換ルール

同一の企業(事業主)との間で有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときは、労働者の申し込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換することを義務付けるルールです。

つまり、無期転換ルールでは平成25年4月に雇い入れた従業員で契約期間が1年の場合だと、通算5年を超えた平成30年4月に労働者の申し込みにより、無期労働契約へ転換しなければならない、ということになります。

無期労働契約に転換した各社の導入事例は下記のとおりです。
(例1)一定の条件を満たすパート社員(1年契約・時給)を準社員(無期労働契約・月給)に登用
(例2)1年契約・月給のメイト社員を入社初年度から無期労働契約に変更
(例3)勤続5年以上の従業員をすべて無期労働契約に変更
(例4)有期労働者パートタイマーおよび嘱託職員の雇用契約が更新により通算5年を超えたとき、労働者から申し込みがあれば無期雇用労働者に転換できる制度を導入

パートタイム労働法とはどのような人が対象となるのか

パートタイム労働者の待遇は一般的に、正規職員・正社員などに比べて低くなりがちなのが現状です。そのためパートタイム労働法は、パートタイム労働者の就業の実態を考慮し、雇用管理の改善に関する措置を講ずることにより、通常の労働者との均等で均衡な待遇の確保を推進することを目指し、平成27年4月1日から施行されました。

パートタイム労働者とは

パートタイム労働法の対象となるパートタイム労働者は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」と規定されています。アルバイト、パートタイマー、嘱託社員、臨時社員、準社員など、その呼称に関わらず、上記の規定に当てはまる労働者であればパートタイム労働者として本法律の対象者となるのです。

パートタイム労働法の規定

ここでパートタイム労働法における、雇用管理の改善等のため事業主が講じるべき具体的な措置の一部をご紹介します。

  1. 労働条件に関する文書の交付等

    事業主はパートタイム労働者を雇い入れたとき、速やかに昇給の有無、退職手当の有無、賞与の有無、相談窓口について、文書の交付などにより明示しなければなりません。また、前述した事項以外についても同じく、文書の交付などにより明示するように努めます。

  2. 就業規則の作成手続き

    事業主はパートタイム労働者にかかる事項について就業規則を作成、または変更しようとするときは、当該事務所において雇用するパートタイム労働者の過半数を代表すると認められるものの意見を聴くように努めます。

  3. 短時間労働者の待遇の原則

    事業主が雇用するパートタイム労働者の待遇と通常の労働者の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は各事情を考慮し、不合理と認められるものであってはなりません。

ご紹介した以外の措置について、およびパートタイム労働法の詳しい概要は、厚生労働省のホームページ「パートタイム労働法のあらまし」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000061842.html)をご参考ください。

まとめ

以上、非正規雇用に関する各種労働法について解説しました。正規職員や正社員と同様の業務をしていても待遇・処遇が低くなりがちな非正規雇用の現状と、それに対する施策をお分かりいただけたのではないでしょうか。

パートタイマー、アルバイト、嘱託社員、準社員、契約社員などの呼称に関わらず、非正規雇用労働者が安心・納得して働ける環境や制度を整えることも、事業主としての大切な役割です。

岡 佳伸|社会保険労務士 岡 佳伸 事務所

1冊で労務手続きのすべてが分かるかんたんガイド

労務SEARCHを運営するオフィスステーションより、労務手続きのためのe-bookをお届けします。複数ある労務手続きをわかりやすく1冊にまとめたe-bookです。

今なら30日間お試し無料!電子化で労務が一変
各種簡単ガイド一覧はこちら

いいね!していただくと毎日更新している最新の情報をお届けします