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命にかかわる可能性もある?過重労働による健康被害

労働基準法により労働時間や休憩・休日についての規制や保障が定められています。また、時間外労働に対しても上限が定められており、36協定締結の際には順守しなければいけません。しかし、過重労働による心身の疾患が後を絶たないのが現状です。過重労働が心身に与える影響と過重労働による健康障害を防ぐための取り組みについて解説します。

労働基準法が定める労働時間と36協定

労働基準法の改正により、長時間労働を抑制することなどを目的として、平成22年4月1日から1か月で60時間を超える時間外労働を行う場合、割増賃金率の引き上げなどが行われるようになりました。

また、その前提として雇用主は原則1日に8時間、1週間に40時間を超える労働をさせてはならず、6時間を超える労働が発生する場合には45分以上、8時間を超える場合には1時間以上の休憩を与えることは言うまでもありません。休日については毎週1日か、4週間を通じての場合は4日以上の休日を与えなければいけないことになっています。

この時間外労働について欠かせないのが「時間外労働協定」(別名「36(サブロク)協定」)です。労働者の過半数で組織する労働組合か労働者の過半数を代表するものと書面による労使協定において、時間外労働について定めた後に、所轄労働基準監督署に届け出た場合には、法定の労働時間を超える時間外労働や法定の休日における休日労働が認められます。もちろん、この時間外労働の設定には限度が設けられていますので注意が必要です。

過重労働が心と身体に与える影響

過重労働が人の心身に及ぼす影響は多くありますが、特に重篤な問題としてあげられるのは、脳や心臓に関連する疾患です。一般的には1カ月あたり100時間超、または2~6か月平均で1カ月あたり80時間超の時間外労働・休日労働が認められると、健康障害のリスクが高まるとされています。

また、一部の研究では、長時間の労働が続くことによって睡眠時間が短くなることがあげられており、この短時間睡眠が脳や心臓の疾患に関与していることが示唆されています。現在では最悪の場合、脳梗塞や心筋梗塞の症状が重度となり、過労死につながるのではないかという前提のもと、研究が進められています。

次に問題となっているのが精神障害です。過重労働は身体だけでなく、精神的にも人をむしばんでいきます。長時間の労働や圧迫感のある職場環境の影響で、仕事に過度な負担を感じてしまったりと、さまざまな原因によりストレスが蓄積し、うつ症状の発症などにつながりかねません。

また、長時間労働は、労働者の疲労からの回復時間を減少させ、日常生活を営むための時間も短縮させてしまいます。家族との安らぎの時間を得ることもままならず、家庭内の不和を生み出すきっかけともなると、心を落ち着けたり支えてくれる家族との関係も修復ができなくなってしまう恐れもあり、体だけでなく心の不調が重なります。

結果、仕事の能率も低下し、最悪の場合には勤務中の事故の原因となることもありますので、労働者だけの問題では済まされません。そもそも労働とは労働者が十分な生活を営むために行われる活動でもあります。雇用主として安全配慮義務を尽くし、過重労働対策を十分に行っていくべきでしょう。

過重労働による健康障害を防ぐための取り組み

前述のような過重労働による健康障害を防ぐための取り組みとして、まず真っ先に考えられるのが時間外・休日労働時間の削減です。「36(サブロク)協定」によって定めた時間外労働には、限度の基準があることを説明しましたが、この基準に適合した範囲での時間外労働であるかを確認する必要があります。

また、雇用主が労働者の労働時間を把握しているかも重要なので、労働者の始業と終業の時刻を確認しておきましょう。そのほか、労働者に対してただ年次有給休暇の取得を促すだけでなく、あらかじめ計画された日に付与するなど、会社全体が休みを取りやすい環境づくりに取り組むことも重要です。

また、労働者の健康状態を管理する体制の整備も、過重労働による健康障害を防ぐための重要な施策の一つです。産業医の選任やカウンセリングの実施、法定外の衛生委員会の設置など、労働環境の整備に努めることで労働者の作業能率も向上し、事故を防ぐことにもつながります。ぜひ、さまざまな角度から労働者を健康障害から守る取り組みを行っていきましょう。

まとめ

今回は、労働時間や時間外労働に関する規定、そして過重労働による健康障害について解説しました。過重労働は労働者の心身をむしばむだけでなく、会社全体の能率も低下させ、最悪の場合には事故などに発展することがあります。

過重労働による健康障害を防ぐための取り組みを積極的に行い、労働者が常に心身の状態を良好に保てるよう、労働環境づくりに努めるのも雇用主の役割の一つだと言えるでしょう。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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