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正しい労働時間を適正に把握する方法とは?


労使間で起こりやすい問題のひとつに「労働時間の管理・把握」があります。これがいい加減だと、長時間労働や残業代未払いなどの問題に発展しがちです。また、働き方改革をはじめとする、これからの労働環境への対応ができない会社とみなされる可能性があります。

その結果、労働者が定着せず労働の質が全体的に落ちる恐れも考えられるのです。そのような事態を防ぐためにも、正しい労働時間の把握方法を知っておきましょう。

一般的な会社での労働時間の把握について

会社は労働基準法に基づき、使用者として労働者の労働時間を適正に管理・把握する責務を負います。

  • 対象となる事業場

    労働基準法第4条(労働時間に係る規定)が適用されるすべての事業場です。

  • 対象となる労働者

    管理・監督者及びみなし労働時間制が適用される労働者を除くすべての労働者です。

ここで言う管理・監督者とは、労働条件の決定や労務管理において経営者と一体的にある立場の人です。一般的には部長などの管理職を指します。またみなし労働時間制は、労働時間の算定が困難な人などに適用されます。

ただし会社は対象外の労働者についても長時間労働をさせないなど、労働者の健康確保を図る責務があります。それについては、後ほど具体的な判例などもご紹介した上で、より詳しくご紹介します。

管理すべき時間とその記録方法について

会社は労働者の労働時間を適正に管理しなければなりません。その基本として各労働者の始業・終業時間の管理が必要となり、その際に会社が行うべき措置は次のとおりです。

(1)会社(経営者・労働時間管理者)が直接労働者の始業・終業時間を確認・記録する
(2)タイムカード、ICカードなどの客観的な記録を基本情報として確認する
(3)必要に応じて残業命令書など使用者が所有する記録と照合しながら確認する
(4)労働者自身の自己申告による記録に基づき、確認・記録する

特に(4)の「労働者の自己申告」については、次の点に留意しましょう。

  • 適正な自己申告について会社が労働者に十分な説明を行う
  • 必要に応じて実態調査を行う
  • 時間外労働時間の上限を設定しない

上記をふまえて会社が記録したものは労働基準法109条に基づき、「労働時間の記録に関する書類」として最後に記載された日から3年間保存する義務があります。また労働基準法108条に基づき、賃金計算に係る事項を記載する「賃金台帳」にも労働時間の記録を記載しなければなりません。

なお労務時間を管理する部署の責任者は、それらの書類をもとに労働時間が適正に管理されているかどうかを把握し、労働時間管理上問題がある場合はどのような措置を講ずるべきか、検討する必要があります。

労働基準法第41条に定める者についての考え方

最初の項目でもご紹介したように、労働時間の把握について適用外となるケースがあります。その対象者としてまず挙げられるのが、労働基準法41条に定められている管理監督者です。

しかしながら、管理監督者は労働時間や人件費の削減を目的として任命することはできません。それを裏付ける代表的な事例として、日本マクドナルドの判例をご紹介します。

原告の日本マクドナルドは被告となる直営店の店長を相手取り、労働基準法41条に基づき労働時間把握の適用外としたことを正当だとして訴えを起こしましたが、裁判所は店長が管理職として必要な権限が十分に与えられていなかったことを理由にそれを退け、未払い分の時間外手当と休日手当などの割増賃金(517万2,392円)を支払うよう命じました。

この判例で示されたとおり、会社は管理職をいわゆる「名ばかり管理職」として任命するのではなく、あくまでも正しく権限を与えた上で適正に経営者と一体的な立場の役割を任せることが必要です。

労働時間の把握が難しい状況と対応

ほかに適用外となるケースとして挙げられるのが「みなし労働時間制」です。みなし時間労働制とは、事業所外で労働しているなどの理由で労働時間の算定が困難な労働者を指します。直行直帰の外回りの営業職をはじめ、労働時間の把握が難しい職種がこれに当てはまります。

その場合、会社は最初の項目でご紹介した労働時間把握の対象外となる「みなし労働時間制」を活用することができます。なお「企画業務型裁量労働制」や、「専門業務型裁量労働制」などもみなし労働時間制に当たります。企画業務型裁量労働制は「事業場」の「業務」に「労働者」を就かせたときに、その事業場に設置された労働委員会で決議した時間を労働したものとみなす制度です。

専門業務型裁量労働制は業務の性質上、業務遂行の手段や方法、時間配分等を大幅に労働者の裁量にゆだねる必要がある業務で、法令で定められた19業務の中から労使で定めた業務について、労使協定で事前に定めた時間を労働時間とみなす制度です。

ただし、このようなみなし労働時間制を取り入れた場合でも、時間外労働や深夜労働の時間を把握する義務は残っています。また、会社による労働時間把握の適用外となっている労働時間制が、労働時間の把握を免除するための制度でないことを良くご理解ください。

まとめ

会社は労働基準法に基づき、労働者の労働時間を適正に管理・把握する責務を負います。また、その対象外となる「管理監督者」や「みなし労働者制」に関しては、それが労働時間の把握を免除するための制度ではないことを理解する必要があります。

以上のことを踏まえた上で、会社の労働時間を管理する者は各労働者の始業・休業時間をもとに、労働時間をしっかり把握し、適正に管理しましょう。それが過重労働や残業代不払いなどによる労使のトラブルの回避にもつながります。

加藤社会保険労務士事務所

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