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高齢者雇用における労務管理上のポイント~65歳定年制を見据えて~

法令上、65歳までの安定した雇用確保措置が事業主に義務付けられていることから、昨今では、定年後再雇用や継続雇用は当然のこととなっています。

また、少子高齢化によるあらゆる職種の労働力不足が予測されています。65歳という画一的な年齢で線引きをすることなく、事業活動の中に積極的に高年齢者雇用を位置づけていくことが望まれます。高年齢者を雇用するうえで必要となる労務管理上のポイントをまとめました。

高齢者雇用で事業主に求められる法定の義務とは?

高齢者雇用で事業主に求められる法定の義務についてみていきましょう。

募集・採用に係る年齢制限の禁止

平成19年に雇用対策法が改正されたことにより、年齢制限の原則禁止が義務化されました。年齢に関わりなく雇用の機会を与えるという趣旨から定められています。

求職活動支援書の作成・交付

事業主都合による解雇、または継続雇用制度の対象となる高年齢者基準に該当しなかったことがきっかけで、離職する高齢者が希望した際に作成します。労働者が主体的に求職活動を行えるよう、事業主が職務経歴書作成のための参考となる情報を記載するのが求職活動支援書です。

高年齢者雇用状況報告・多数離職届の提出

会社は、毎年6月1日現在の高年齢者の雇用に関する状況をハローワークに届け出ます。従業員30人以上の事業所には報告用紙が送付されてきますので、必要事項を記載し期日までに送付するか電子申請で報告します。

また、45歳以上65歳未満の者のうち5人以上が1ヶ月以内に解雇等の理由によって離職させられる場合、多数離職届をハローワークに提出します。

高齢者雇用で事業主に望まれる法定外の取組とは?

高齢者雇用で事業主に望まれる法定外の取組についてみていきましょう。

職業能力の開発及び向上

高年齢者が今まで培ってきた知識、経験等を活かすことができるように職業訓練を実施します。その際に、公共職業能力開発施設や民間教育訓練機関などで行われる職業訓練も積極的に利用するように促します。

作業施設の改善

高年齢者が作業しやすいように、作業場の照明を明るくしたり、作業補助具などの機械設備を充実させます。また、作業の平易化を図ります。身体機能の低下によって高年齢者が職場から離職を余儀なくされることを防ぐためにも、職業能力が発揮でき、企業に貢献できるような環境づくりに努めることも重要です。

勤務時間制度の改善

高年齢者が働きやすいように短時間勤務や隔日勤務、フレックスタイム制等を取り入れます。就業希望の多様化に合わせ、それぞれの体力に合わせた勤務形態を可能にします。

高齢者雇用に活用できる支援策とは?~助成金編~

高齢者雇用に活用できる支援策に助成金があります。助成金についてみていきましょう。

高年齢者雇用安定助成金(高年齢者活用促進コース)

高年齢者の活用促進、高年齢者の雇用の安定を図るための助成金です。雇用環境整備の措置を実施する事業主が対象となります。また、助成金を受けるための受給要件がいくつかあります。環境整備計画を作成し、認定を受けなければいけません。

「高年齢者活用促進の措置」を、次の(1)~(2)によって実施した場合に支給されます。

(1)環境整備計画の認定

高年齢者でも容易に就職できるように、新事業分野への進出にともなう高年齢者の職域拡大、高年齢者が扱いやすい機械設備の導入・改善、賃金制度・能力評価制度の導入等を行います。短時間勤務制度や専門職制度の導入等も挙げられます。

このように「高年齢者活用促進の措置」を内容とする「環境整備計画」を作成し、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構に提出して認定を受けます。

(2)高年齢者活用促進の措置の実施

(1)の環境整備計画の内容に沿って、環境整備計画の実施期間内に高年齢者活用促進を行います。

これらは、主要要件となります。

高齢者雇用に活用できる支援策とは?~相談援助編~

高年齢者雇用安定法による定年の引上げ・廃止、また継続雇用制度の導入等により、希望する65歳までの高年齢者雇用確保措置の実施が義務化しています。

高年齢者が自分の持っている能力を十分に発揮して働くことができる環境を作るために、人事管理制度の見直しや賃金の見直し、勤務体制を整えることがとても重要なポイントとなります。

高年齢者雇用への対応に関しては、「高年齢者雇用アドバイザー」に相談することができます。高年齢者雇用確保措置の導入に関することや、雇用管理を改善したい場合など高年齢者雇用に関するさまざまなことが相談可能です。

アドバイザーの方が実際に企業を訪問して、問題解決のための手順などを詳しく教えてくれます。最寄りの独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構都道府県支部へ問い合わせてみましょう。

まとめ

高年齢者雇用における労務管理のポイントについてご紹介しました。現代は少子高齢化社会です。元気な高年齢者が増えてきたと同時に、若い世代の労働力不足が深刻化しています。こうした世相を背景に、高年齢者の雇用が重要視されています。

法が整備され、65歳までの安定した雇用確保措置が事業主に義務付けられている昨今、高年齢者の方が気持ちよく働ける職場づくりが必要です。高年齢者雇用に関する悩み事や、効率よく労務管理をしたい場合は高年齢者雇用アドバイザーを頼ってみてはいかがでしょうか。

社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー

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