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働き方改革における企業側のメリット・デメリットまとめ

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人事労務管理職場づくり(環境改善)

働き方改革における企業側のメリット・デメリットまとめ

企業における三大資源の一つ―「ヒト」。質のよい人材を確保して育成することは、企業が5年後、10年後に生き残る大きなカギになると考えられています。しかし、少子高齢化社会が深刻した今、日本の労働人口は減少するばかり。企業を活性化させるためには、今ある労働力をいかに有効活用するかが重要です。そのため労働環境の見直しが必要になってきます。

そこで政府が出した切り札は「働き方改革関連法」です。女性の社会進出や高齢者の活用など、「一億総活躍社会」のキャッチフレーズのもと、ワークライフバランスの見直しがスタートしました。

では、この「働き方改革関連法」には、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。企業側の視点から気になる点をピックアップしてみました。

2019年4月に施行!働き方改革法案とは

2018年(平成30年)6月、「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」通称「働き方改革関連法」が成立しました。
働き方改革法案は「労働基準法」「じん肺法」「雇用対策法」「労働安全衛生法」「労働者派遣法」「労働時間等設定改善法」「パートタイム労働法」「労働契約法」の8つの労働関係法の改正法です。同年7月に公布され、2019年(平成31年)4月1日から順次施行されました。

働き方改革の背景と目的

少子高齢化社会による労働力不足は、日本企業にとって大きな痛手です。主力の労働力である生産年齢人口(15~64歳)は想定以上のペースで減少しており、日本の総人口は2050年には1億人を下回るといわれています。実際にサービスの低下や事業の縮小、営業時間の短縮など、少しずつ影響が出始めています。

国全体の生産性がさらに低下してしまうことを懸念して考案されたのが、現代の日本人のワークライフバランスに合った働き方を提案する「働き方改革関連法」です。

  • 高齢者の労働を促進することで働き手を増やし、慣習化した長時間労働や残業を減らすこと
  • 非正規と正社員の格差を是正することで労働生産性を向上させ、深刻な労働力不足を解消すること
  • 原則的に同一労働に対して同賃金を支払う公平な賃金制度を導入することで、賃金格差を解消すること

などが目的とされています。

働き方改革における政府の取り組み

政府は「裁量労働制の適用範囲拡大」「同一労働同一賃金」の実現に向けて、

  • 労働時間の是正
  • 正規・非正規間賃金格差の解消
  • 高齢者の就労促進

の3つ課題を軸に改革をスタート。

労働者のワークライフバランスの維持という視点から、残業時間の上限を厳密に設けて法的罰則を与える制度を確立しました。

また、賃金格差を解消するため、原則的に同一労働に対して同賃金を支払うという公平な賃金制度を設けました。これにより、非正規労働者のモチベーションを高め生産性を上げることが期待されています。

さらに、高齢者の就労を促進することで、若者への技術伝達や質の高い労働力の獲得を確保できるといわれています。

働き方改革によるメリット

「一億総活躍社会」というキャッチフレーズのもと、いよいよ動き出した働き方改革関連法。政府は、女性の職場進出や高齢者の採用、労働者のニーズに合わせた働き方を提案していますが、企業側にとっては具体的にどのようなメリットが期待できるのでしょうか? 

メリット1:よい人財を確保できる

ワークライフバランスを重視する若い世代は、「働き方改革関連法」に積極的な企業に目がいくものです。有給休暇や育児休業など、労働者に対して魅力的な制度を掲げた企業ほど、よい人財集まりやすい傾向にあります。
その結果、業績を伸ばしているというデータがあります。働き方改革に基づいて、今の時代にマッチした制度を導入することは、企業の将来価値を高める人財を集めるのに有効な手段であるといえるでしょう。

メリット2:生産性が向上する

労働時間の短縮やライフスタイルに合わせた勤務体系により、社員の集中力・モチベーションが高まります。
時間内に業務を終わらせるため作業を効率化するだけでなく、無駄な業務を削除することで、生産性の高い労働を心がけるようになります。ダラダラとした社内の雰囲気が一新して、社員一人当たりの生産性が向上することが期待できるでしょう。

メリット3:社員の定着率が高まる

社員が働きやすい職場環境を整えることによって、離職率を下げることができます。
なぜなら、これまで育児や病気療養のために退職しなければならなかった有能な人財も確保できるようになるからです。また、ワークライフバランスを両立できる労働環境を整えることで、新しく入社してくる社員も自然と増えてくるでしょう。

働き方改革によるデメリット

どんな改革にもデメリットは付きものです。労働者や企業の期待値が高まる「働き方改革関連法」にも、メリットがある一方で、さまざまな不具合が生じるといわれています。
では実際にどのようなマイナス面が心配されているのでしょうか?

デメリット1:社員が混乱する

「残業時間削減」「早帰り」「女性管理者の設置」といった働き方改革の制度に囚われすぎると、社員に混乱が生じてしまうことがあります。
就業時間内に終わらなかった仕事を持ち帰って残業をしたり、管理者に仕事が集中することによってモチベーションが低下することのないよう、企業側・経営陣の配慮が必要です。

デメリット2:労働時間を把握する手間が増える

働き方改革により定められている「時間外労働の上限規制」を超えた労働が発覚した場合、企業や担当者に罰則が科されて書類送検されてしまう可能性があります。
現時点では悪質なケースに限定されていますが、昨今の状況から勘案するに、部下の残業を放置したということで書類送検される幹部が相次ぐ、といったことも起こり得ます。「知らなかった」では済まされません。

労働時間把握の義務化されたため、タイムカードによる記録やパソコンなどの機器のログイン・ログアウトの時間など、客観的な方法での労働時間の把握が求められます。

デメリット3:人件費の高騰

これまで非正規雇用者は正規雇用者に比べて人件費が抑えられていましたが、働き方改革によって同一労働に対して同一賃金を支払わなければならなくなりました。これにより必然的に非正規雇用者の人件費が増えて、人件費の総額が高くなってしまいます。

デメリット・問題点に対する会社の対策

「働き方改革関連法」はまだ始まったばかりです。長年にわたる日本の労働慣行を変えてゆくことは、決して容易ではありません。

では、問題点やデメリットを最小限に抑える方法はないのでしょうか?
今からでも遅くない対策方法をご紹介します。

慣習化された業務を見直す

残業時間の削減により、就業時間内に終わらなかった仕事を持ち帰ったり、管理者への負担が高まるようなことはあってはいけません。
まずは慣習化された業務を見直して、「本当に必要なのか」検討してみましょう。当たり前だと思っていた業務を削除することで、作業を効率化できるかもしれません。

罰則対象となる項目から対応する

働き方改革といっても多岐にわたるため、簡単に始められるものではありません。
特に、人材確保や賃金アップによる多額な費用負担に耐えられる資金のない中小企業には難しいのが現状です。しかし、何もせずに足踏みしている訳にはいきません。まずは罰則対象となった「時間外労働の上限規制」について話し合い、残業時間の削減に向けた対応を急ぐことが大切です。

数年先を見据えたロードマップを策定する

無理な改革を行うと、社員の満足度やモチベーションが下がって生産性も低下してしまいます。多くの企業で検討されているAI技術やIT設備の活用が、労働者にとっては新たなストレスとなってしまう可能性もあります。

報道や周囲の企業動向に影響されるのではなく、まずは自社にあった改革の方向性を定めることが大切です。「残業することが当たり前」「出産したら仕事は辞めるのが当たり前」といった働き方を見直し5年先、10年先を見据えたロードマップを策定しましょう。

まとめ

労働者だけでなく、企業にとってもメリットの多い「働き方改革関連法」。
労働力不足が懸念されるこれからの日本において、必要不可欠な制度といえるでしょう。

しかし、まだスタート地点に立ったばかりの企業にとっては、デメリットの方に目がいってしまうのも無理はありません。まずはあなたの企業にとってどのような働き方改革が必要なのか、企業全体で検討してみてはいかがでしょうか。
今まで当たり前だと思っていた業務を見直すことで、改革の一歩が見えてくるかもしれません。

ソビア社会保険労務士事務所 代表社労士/ホワイト財団 代表理事|五味田 匡功

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