相談内容

人事管理
解決済み

投稿

2026年10月の最低賃金改定、パート時給引き上げで崩れる社員との賃金バランス対策

福岡市内のコールセンター(従業員約250名)で人事労務マネージャーをしています。オペレーターの大半はパート・契約社員で、時給は福岡県の最低賃金に数十円上乗せした水準です。今年は目安どおりなら福岡も時給1,100円を超える見込みで、10月の改定に合わせてパート時給を大きく引き上げると、リーダー職や正社員SVの給与との差がほとんどなくなってしまいます。かといって全体を底上げする原資にも限りがあります。最低賃金の引き上げに対応しつつ社内の賃金バランスを保つには、一般的にどのような順序で賃金表や手当を見直せばよいでしょうか。留意点があれば教えてください。

ななめさんの相談

福岡県/流通・小売・サービス

他の専門家からの回答

投稿

ご質問について、回答いたします。

見直しの手順ですが、1.改定後の最低賃金を基準としてパート・契約社員の時給下限を確定し、2.それにより生じる既存社員やリーダー・SV層との賃金格差の縮小幅(または逆転状況)を定量的に把握します。その上で3.職責・業務範囲・難易度等に応じた階層ごとの賃金レンジを再設定し、職責に見合った差分を確保する設計を進めるのが最も合理的です。

改定にあたっては、全体の一律昇給で対応しようとすると原資が枯渇するため、基本給の全面改定ではなく「手当」を活用することが現実的な打開策となります。オペレーターと明確な役割差があるリーダーにはリーダー手当、正社員SVには管理・指導業務や配置変更の可能性を反映した職責手当などを設けることで、限定された原資を職責に応じた重要ポストへ重点配分できます。

また、実務上の大きな注意点として「賃金の逆転現象」があります。新給与で採用された新人パートの時給が、長年勤務している既存パートや下位の正社員の時給換算額に近づく、あるいは上回ってしまうと、モチベーションの低下や離職につながります。勤続年数や習熟度を評価する昇給テーブル自体の再整備も欠かせません。

さらに、正社員と非正規雇用労働者との間の処遇差については、単に「正社員だから」という理由だけでは不十分です。パート・有期雇用労働法(同一労働同一賃金)の観点から、業務内容や負うべき責任の範囲、転勤や異動の有無などを明確にし、各手当の支給目的を整理しておくことが法的トラブルを防ぐ鍵となります。

したがって、【1. 最低賃金対応の時給算出】→【2. 職位間格差・逆転現象の確認】→【3. 等級・基本給表の修正】→【4. 役職・職責手当の再設計】→【5. 同一労働同一賃金の観点に基づく支給目的の点検】というステップで進めていただき、人件費抑制と社内納得感の両立を図ってみてはいかがでしょうか。

活躍している
専門家ランキング