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2026年10月カスハラ対策義務化、BtoB取引先からの迷惑行為も対象になりますか
愛知県で自動車部品を製造する会社(従業員約1000名)の労務責任者です。2026年10月からカスタマーハラスメント対策が義務化されると聞き、社内体制を検討しています。当社は一般消費者との接点がほとんどなく、心配なのは納入先メーカーの担当者からの著しい叱責や深夜の呼び出し、無償対応の強要など、営業や品質保証の社員が受ける行為です。取引関係の悪化を恐れて現場は我慢しがちで、会社に報告も上がりにくいのが実情です。こうしたBtoBの取引先からの行為も法律上のカスタマーハラスメントに含まれるのでしょうか。含まれる場合、方針の明確化や相談窓口の設置のほかに、取引先との関係でどこまでの対応を準備しておくべきか教えてください。
こまち77さんの相談
愛知県/メーカー
他の専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
はい、BtoB取引先の担当者からの行為も、法律上のカスタマーハラスメント(カスハラ)の対象になり得ます。
2026年10月1日施行の改正労働施策総合推進法に基づく指針では、「顧客等」には一般消費者だけでなく、「取引の相手方」も含まれ、取引先の担当者や企業間の契約交渉を行う担当者も具体例として明示されています。したがって、製造業など一般消費者との接点が少ない企業も対策が必要です。
カスハラに該当するのは、(1)顧客等の言動で、(2)業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超え、(3)労働者の就業環境を害するもの、という3要件を満たす場合です。したがって、取引先からの正当な品質上の指摘やクレームまでカスハラになるわけではありません。
一方、ご質問にある著しい叱責、合理的理由のない深夜の呼び出し、契約内容を超えた無償対応の強要等については、その内容・程度・頻度等によってカスハラに該当する可能性があります。特にBtoBでは、取引上の力関係から社員が断れず、問題が潜在化しやすいため、「取引先だから我慢する」という運用にしないことが重要です。
2026年10月以降、事業主にはカスハラ防止のための雇用管理上の措置が義務付けられます。 実務上は、(1)「取引先からの行為も対象とし、社員を守る」という会社方針の明確化・周知、(2)相談窓口の設置と相談者への不利益取扱いをしない旨の周知、(3)事実関係を迅速・正確に確認する体制、(4)被害社員への配慮、(5)再発防止措置、(6)管理職・営業・品質保証部門等への研修、を整備しておく必要があります。
さらに御社のようなBtoB企業では、現場社員個人に取引先との交渉を任せない仕組みが特に重要です。例えば、一定水準を超える暴言・長時間拘束・時間外対応・契約外の無償要求等があった場合は上司へ報告し、営業責任者、法務・人事等が組織的に対応するルールを定めます。必要に応じて相手企業の上位責任者への改善申入れ、担当者変更の要請、対応方法・時間帯の制限、書面での警告等へ段階的に移行できる体制を準備しておくとよいでしょう。
なお、自社の社員が取引先社員にカスハラを行う「加害者側」になることへの対策も必要です。指針でも、他社の労働者にカスハラを行わない旨の方針を併せて示すことが望ましいとされています。
従業員約1,000名の企業であれば、単なる相談窓口の設置にとどまらず、「誰に報告するか→誰がカスハラ該当性を判断するか→誰が取引先と交渉するか→どの段階で対応制限・警告等に移行するか」までマニュアル化することをお勧めします。取引維持と従業員保護を現場社員だけに判断させないことが、BtoB企業のカスハラ対策では特に重要です。
以上です。よろしくお願いいたします。

