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アルバイトから正社員への登用でキャリアアップ助成金は使える?要件と手順
人手不足への対策としてご相談します。大阪を中心に飲食店を運営する会社(従業員420名)の人事担当です。アルバイト約300名のうち、学生を除く長期勤務のスタッフには「社員になりたい」という希望を持つ方が一定数おり、下半期から正社員登用を本格的に進めたいと考えています。
その際にキャリアアップ助成金の正社員化コースを活用できないかと調べたのですが、就業規則への登用制度の規定や転換後の賃金増額など要件が細かく、さらに「重点支援対象者」に当たるかどうかで支給額が変わると知り、当社のように勤続年数の長いアルバイトが多い場合にどこまで対象になるのか判断がつきません。
登用を進めるうえで、助成金の要件を意識して先に整えておくべき社内制度は何でしょうか。また、対象外になりやすいのはどのようなケースか、一般的な注意点をご教示いただけますと幸いです。
みなもさんの相談
大阪府/流通・小売・サービス
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アルバイトから正社員への登用でも、キャリアアップ助成金「正社員化コース」を利用できる可能性があります。ただし、転換前から制度・就業規則を整備し、転換後の賃金を3%以上増額することなどが必要です。特に長期勤続者は「5年超」で取扱いが変わるため注意が必要です。
1.対象となるアルバイト
原則として、正社員とは賃金の額・計算方法が異なる就業規則等の適用を通算6か月以上受けている有期・無期雇用労働者が対象です。転換後は雇用保険被保険者とし、社会保険の適用要件を満たす場合は加入させる必要があります。
2026年度の重点支援対象者は、主に1.雇入れから3年以上の有期雇用労働者、2.3年未満でも「過去5年間の正社員期間が合計1年以下」かつ「直近1年間正社員でない」者、3.派遣労働者、母子家庭の母等、一定の訓練修了者です。
有期契約で3年以上5年以下程度の長期アルバイトは重点支援対象者になり得ますが、有期雇用期間が通算5年を超えると、本助成金では「無期雇用労働者」とみなされ、勤続3年以上を理由とする重点支援対象者にはなりません。
支給額は1人当たり、中小企業の場合、有期→正社員では重点支援対象者80万円(40万円×2期)、それ以外40万円。無期→正社員では重点支援対象者40万円(20万円×2期)、それ以外20万円です。大企業はそれぞれ60万円・30万円、30万円・15万円です。
2.事前に整備すべきこと
正社員転換前に、キャリアアップ計画を提出し、就業規則等に転換の「手続・要件・実施時期」を具体的に規定しておきます。正社員側には「賞与又は退職金制度」と「昇給」の両方が適用される必要があります。
また、非正規社員と正社員との間で、基本給、賞与、退職金、手当等の賃金の額又は計算方法が異なることが就業規則等で確認できることも重要です。「個別契約で定める」だけでは対象外となる場合があります。
3.手続き
基本的な順序は、キャリアアップ計画提出→就業規則等整備→規定に基づく正社員転換→6か月間勤務・賃金支払→支給申請です。申請期限は原則6か月分の賃金を支払った日の翌日から2か月以内です。重点支援対象者はさらに6か月雇用して第2期を申請します。
転換後6か月の賃金は転換前6か月より3%以上増額が必要です。基本給+定額手当が基本で、変動的・実費弁償的手当は除外されます。固定残業代を減額する場合は特別な比較ルールがあります。賞与はこの3%比較の通常の算定対象ではありません。
4.対象外・不支給になりやすいケース
転換制度を後から整備する、正社員と非正規社員の賃金制度の違いが規則上確認できない、3%増額を満たさない、正社員化を約束して採用した者、実態として以前から正社員だった者を形式上「転換」する、といった場合は要注意です。
さらに、転換日前6か月から転換後1年までの一定期間に、当該適用事業所で事業主都合による解雇等がある場合は原則対象外です。また一定の特定受給資格離職者が6%を超える場合(3人以下を除く)にも制限があります。
5.特に確認すること
飲食店は中小企業判定上「小売業(飲食店を含む)」で、資本金5,000万円以下または常時雇用労働者50人以下が基準です。したがって従業員420名だけで大企業とは断定できず、資本金や「常時雇用する労働者」の定義を支給申請時点で確認します。
300名を順次転換する場合は、特に各人の有期雇用期間(3年・5年超)、契約更新歴、学生期間、正社員歴、適用就業規則、転換前後6か月の賃金を一覧管理してください。なお、正社員化コースの支給申請上限は1適用事業所において1年度20人です。

