相談内容
投稿
アルバイトから正社員への登用でキャリアアップ助成金は使える?要件と手順
人手不足への対策としてご相談します。大阪を中心に飲食店を運営する会社(従業員420名)の人事担当です。アルバイト約300名のうち、学生を除く長期勤務のスタッフには「社員になりたい」という希望を持つ方が一定数おり、下半期から正社員登用を本格的に進めたいと考えています。
その際にキャリアアップ助成金の正社員化コースを活用できないかと調べたのですが、就業規則への登用制度の規定や転換後の賃金増額など要件が細かく、さらに「重点支援対象者」に当たるかどうかで支給額が変わると知り、当社のように勤続年数の長いアルバイトが多い場合にどこまで対象になるのか判断がつきません。
登用を進めるうえで、助成金の要件を意識して先に整えておくべき社内制度は何でしょうか。また、対象外になりやすいのはどのようなケースか、一般的な注意点をご教示いただけますと幸いです。
みなもさんの相談
大阪府/流通・小売・サービス
他の専門家からの回答
投稿
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
はい、アルバイトから正社員への登用でも、要件を満たせばキャリアアップ助成金「正社員化コース」を活用できます。パート・アルバイトも対象となる有期雇用労働者等に含まれます。
まず重要なのは、正社員に転換する前に制度を整えておくことです。就業規則等に、正社員への転換制度(対象者、転換時期、試験・面接などの手続)を規定し、その制度に基づいて転換する必要があります。また、キャリアアップ計画は、原則として正社員化を実施する日の前日までに作成・提出しておかなければなりません。
正社員化後は、正社員として6か月以上継続して雇用し、転換前6か月と比較して賃金を原則3%以上増額することなどがポイントになります。単に「アルバイト」という名称を「正社員」に変更するだけでは足りず、就業規則上の正社員として適切に処遇する必要があります。
ご質問の「重点支援対象者」は、現在、(1)雇入れから3年以上の有期雇用労働者、(2)雇入れ3年未満でも、過去5年間の正規雇用期間が合計1年以下かつ直近1年間に正規雇用されていない有期雇用労働者、(3)派遣労働者、母子家庭の母等、人材開発支援助成金の一定の訓練修了者などです。したがって、御社の長期勤務アルバイトは、むしろ重点支援対象者に該当する可能性があります。ただし、同一事業主に雇用された期間が通算5年を超える有期雇用労働者は、助成金上は「無期雇用労働者」とみなされる点に注意してください。
支給額は企業規模等によって異なります。例えば中小企業で、有期雇用から正社員化する重点支援対象者なら1人80万円(40万円×2期)、重点支援対象者以外なら40万円(1期)です。無期雇用からの転換はこれより低くなります。
実務では、まず約300名のアルバイトについて、「有期・無期」「勤続3年未満・3年以上・5年超」「正社員歴」を一覧化し、登用候補者ごとに助成対象性を確認するとよいでしょう。そのうえで、(1)キャリアアップ計画、(2)就業規則の正社員転換規定、(3)正社員とアルバイトの雇用区分・賃金規程、(4)転換前後6か月の賃金比較、(5)雇用契約書、出勤簿、賃金台帳等を整備します。
特に、正社員化してから制度を規定する、計画提出が遅れる、3%増額を満たさない、転換前から実態が正社員と変わらないといったケースは対象外となりやすいため、登用決定前に対象者ごとのチェックを行うことをお勧めします。年度途中でも制度変更があり得るため、実際の転換時には最新の厚生労働省パンフレット・支給要領で最終確認してください。
以上です。よろしくお願いいたします。

