相談内容
投稿
パートの健康診断について
毎年秋に職員の健康診断を実施しており、今その手配を進めています。静岡でデイサービスを2拠点運営しており、職員は28名、そのうち半分ほどがパートの方です。これまで正職員だけを対象に会社負担で受けてもらい、パートの方には案内だけして希望があれば自費で、という扱いにしてきました。ところが先日、週4日勤務のパートの方から「私は受けなくていいんですか」と聞かれ、答えに詰まってしまいました。週に何時間以上働いている人が対象、といった決まりがあるように聞いたことはあるのですが、正確なところが分かりません。介護の仕事なので腰痛や血圧が気になる職員も多く、本当は全員に受けてほしい気持ちもあります。対象になる人の線引きと、費用や受診している時間の給与をどう扱えばよいのか教えていただけますでしょうか。
ひだまりさんの相談
静岡県/メディカル
他の専門家からの回答
投稿
パート職員でも一定の要件を満たせば会社には正職員と同様に定期健康診断を実施する義務があります。したがって、これまで「パートは希望者のみ自費」としていた場合は法定対象者が含まれていれば取扱いを見直す必要があります。週4日勤務というだけでは判断できず雇用期間と週の労働時間を確認します。
1.パート職員が健康診断の対象となる基準
労働安全衛生法66条、労働安全衛生規則44条により「常時使用する労働者」には1年以内ごとに1回の定期健康診断が必要です。短時間労働者について厚生労働省は次の両方を満たす者を対象としています。
・無期契約、または有期契約でも「契約期間が1年以上」「更新により1年以上使用される予定」「既に1年以上引き続き使用されている」のいずれかに該当すること
・1週間の労働時間が、その事業場で同種の業務をする通常の労働者の週所定労働時間の4分の3以上であること
したがって「全国一律で週30時間以上」という基準ではありません。例えば通常の介護職員が週40時間なら4分の3は30時間ですが、通常の労働者が週36時間なら27時間が目安になります。
また、上記の雇用期間要件を満たし週労働時間が通常の労働者のおおむね2分の1以上4分の3未満のパートについても、厚生労働省は健康診断を実施することが「望ましい」としています。ただし、この方は4分の3以上の者と同じ法定義務ではありません。
そのため、質問の「週4日勤務」の方も1日4時間なら週16時間、1日8時間なら週32時間となるため、勤務日数だけでは判断できません。
2.健康診断の費用
法律上会社に実施義務がある健康診断の費用は会社負担です。厚生労働省の行政通達でも法が事業者に実施義務を課している以上「当然、事業者が負担すべき」とされています。
したがって、これまで自費としていたパートの中に上記4分の3基準等を満たす者がいた場合は「本人が希望すれば自費で受診」という扱いでは不十分です。会社が対象者を把握して会社負担で受診させる必要があります。
3.健康診断を受けている時間の給与
ここは健診費用とは扱いが違います。
一般の定期健康診断については受診時間を必ず労働時間として賃金を支払わなければならないとはされておらず、賃金の取扱いは労使協議で定めるとされています。ただし、厚生労働省は、円滑な受診のため会社が賃金を支払うことが望ましいとしています。
一方、有害業務に伴う特殊健康診断は受診時間自体が労働時間であり賃金支払いが必要です。時間外であれば割増賃金も必要になります。
4.デイサービスの場合
介護職であるという理由だけで定期健康診断の対象基準が変わるわけではありません。 有害業務等に該当しない通常の介護業務であれば、基本的には上記の一般健康診断の基準で判断します。
ただし、介護・社会福祉施設では腰痛が重要な労働衛生上の課題であり、厚生労働省も「職場における腰痛予防対策指針」や社会福祉施設向け資料を公表しています。これは法定の定期健康診断とは分けて、作業方法、福祉用具の活用、健康管理等として取り組むべきものです。
5.今回まず確認すべきこと
今年の対象者についてはパート一人ずつ、1.無期・有期と契約期間、2.更新予定・これまでの雇用期間、3.週の所定労働時間、4.同じ事業場で同種業務をする通常の労働者の週所定労働時間、の順で確認してください。
そのうえで、雇用期間要件+4分の3以上→会社負担で法定健診、雇用期間要件+おおむね2分の1以上4分の3未満→実施が望ましい方として整理します。

