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厨房の熱中症対策も義務化の対象?飲食店に求められる体制整備と注意点
大阪府内で飲食店を約30店舗運営する会社(従業員420名)の人事担当です。連日の猛暑で、各店舗の厨房は空調があっても揚げ場や食洗機まわりが高温多湿になり、調理スタッフから体調不良の訴えが増えています。2025年6月から職場の熱中症対策が罰則付きで義務化されたと聞きましたが、屋外作業向けの制度というイメージがあり、屋内の厨房がどこまで対象になるのか判断できずにいます。WBGT値の計測は店舗ごとに必要でしょうか。また、義務として求められる報告体制の整備や手順の作成・周知を、多店舗の飲食店で進める場合の一般的な方法と注意点を教えてください。
みなもさんの相談
大阪府/流通・小売・サービス
他の専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
結論から申し上げますと、飲食店の厨房も対象になり得ます。屋外作業に限定された制度ではありません。
2025年6月1日施行の改正労働安全衛生規則では、WBGT(暑さ指数)28度以上または気温31度以上の環境で、連続1時間以上または1日4時間を超えて行うことが見込まれる作業が「熱中症を生ずるおそれのある作業」とされ、事業者に(1)報告体制の整備、(2)重篤化防止の手順作成、(3)作業者への周知が義務付けられました。したがって、揚げ場、焼き場、食洗機周辺等の高温多湿な厨房も、この基準に該当すれば対象です。
まず、各店舗の厨房について実際の作業場所のWBGT値または気温を把握することをお勧めします。厚労省も、暑熱な場所に該当するかは原則として作業場所でWBGT値または気温を実測して判断するとしています。特に厨房は、外気温だけでは実態を判断しにくいため、各店舗の揚げ場・焼き場・食洗機周辺など高温になりやすい場所を測定するのが適切です。
30店舗を運営されている場合、実務上は本社で共通の「熱中症対応マニュアル」を作成し、各店舗に落とし込む方法が効率的です。
具体的には、
(1)熱中症の自覚症状がある本人または異変に気付いた同僚が、店長・責任者へ直ちに報告する体制
(2)報告を受けた場合は、直ちに作業を中止させ、涼しい場所へ移動させて身体を冷却する手順
(3)必要に応じて119番通報・医療機関へ搬送する基準と連絡先
(4)症状のある従業員を一人にしないこと
(5)これらを掲示、朝礼、社内アプリ等で全従業員へ周知すること
を共通ルールとして整備するとよいでしょう。法令上も、報告先・連絡方法を明示し、作業中いつでも報告を受けられる状態にすることが求められています。
ただし、手順は「作業場ごと」に作成する必要があります。 したがって、本社共通マニュアルだけで完結させず、各店舗について「店長等の報告先」「最寄りの搬送先」「冷却できる場所」「緊急連絡先」などを記載した店舗別シートを付ける方法が実務的です。
また、今回の義務化は「熱中症になった後の重篤化防止」が中心ですが、それだけで十分ではありません。厨房では、スポットクーラー・換気、こまめな休憩、水分・塩分摂取、作業交替、暑熱順化、体調確認などの予防対策も併せて実施することが重要です。厚労省もWBGT値の把握と、その値に応じた予防対策を求めています。
多店舗企業では、「本社共通マニュアル+店舗別緊急対応シート+WBGT測定記録」の3点セットで運用し、店長教育まで行う形が管理しやすく、実効性のある対応と考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。

