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男性エンジニアの育休、出生後休業支援給付金で手取り10割になる条件は?
来春に第一子が生まれる予定の男性エンジニアから、1か月ほど育児休業を取りたいと相談を受けました。東京のIT企業(従業員50名)で労務を担当しています。本人は「出生後休業支援給付金で手取りが10割相当になると聞いた」と話しており、収入面を見ながら取得期間を決めたい様子です。ただ、この給付金は配偶者も一定期間の育児休業を取ることが条件と理解しており、配偶者が自営業やパートで育休を取得しない場合にどうなるのか判断がつきません。会社として配偶者の就労状況をどこまで確認してよいのでしょうか。出生時育児休業(産後パパ育休)を分割して取得する場合の考え方とあわせて、本人への説明のポイントを教えてください。
おちゃっぱさんの相談
東京都/IT・インターネット
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今回の男性社員が実子の父親で配偶者が出産するケースでは、配偶者が14日以上の育児休業を取得しなくても通常は出生後休業支援給付金の対象になり得ます。出産した配偶者は「産後休業中」に該当し、配偶者の育休14日要件の例外だからです。
1.本人の受給条件
出生後休業支援給付金は、本人が対象期間内に出生時育児休業給付金または育児休業給付金の対象となる休業を通算14日以上取得することが必要です。父親の場合、原則として出生直後の約8週間が対象期間です。支給は最大28日で通常の67%の育児休業給付に13%が上乗せされ合計80%となります。
2.配偶者の14日要件には重要な例外がある
原則は夫婦とも対象期間内に14日以上の育休取得が必要ですが、配偶者がいない、子と法律上の親子関係がない、DVで別居、無業者、自営業・フリーランス等、産後休業中、その他、制度上育休を取得できない等の場合は、配偶者の14日取得は不要です。
したがって妻が出産する一般的なケースでは、出産翌日時点で妻が産後休業中なら妻に別途14日間の育児休業を取得させる必要はありません。これは本人への説明で特に重要です。
自営業・フリーランスの配偶者も上記に該当します。パートの場合も「パートだから不可」ではありません。出産した労働者で産後休業中なら上記に該当します。また、雇用保険未加入、雇用期間等の関係で育休・育児休業給付の対象になれない場合も例外となる可能性があります。単に「仕事が忙しいので育休を取らない」という理由は例外ではありません。
3.会社はどこまで配偶者を確認するか
会社は出生後休業支援給付金の申請に必要な範囲で配偶者の状況を確認します。申請は事業主経由ですが本人申請も可能です。配偶者が育休を取得した場合は被保険者番号等を、育休取得が不要な例外に該当する場合は申請書の「配偶者の状態」欄に該当番号を記載し所定の確認資料を添付します。
特に実子の父親の場合、配偶者は通常「産後休業中」に該当するため、母子健康手帳の出生届出済証明ページ等で確認できます。この場合、配偶者の勤務先や収入を会社が独自に詳しく調査する必要はありません。無業者・自営業者等では所得課税証明書等が必要となる場合がありますが、2026年8月からは一定の場合、本人・配偶者の同意によりマイナンバーを利用して地方税情報を取得する手続も設けられています。
4.2週間+2週間でもよい
産後パパ育休は出生後8週間以内に合計28日まで2回に分割可能です。「14日+14日」でも通算28日として扱えます。2回に分ける場合は最初の申出時に2回分をまとめて申し出ます。
5.「手取り10割」は給与100%ではない
給付額自体は、67%+13%=休業開始時賃金日額の80%です。育児休業等給付は非課税で無給なら雇用保険料がかからず、一定要件を満たせば健康保険・厚生年金保険料も免除されるため、厚労省が「手取り10割相当」と表現しています。実際の手取り額が休業前と完全に同額になる保証ではありません。給付額には上限があり、住民税は前年所得を基準に課税されるため育休中も支払いが続きます。
社会保険料免除は別制度です。月額保険料は月末を含む育休のほか、同月内の育休でも14日以上なら免除対象となります。賞与にかかる社会保険料は賞与支払月の末日を含む連続1か月超の育児休業等を取得した場合に限り免除対象となります。
本人への案内は、1.出産予定日、2.本人が出生直後8週間内に14日以上取得するか、3.配偶者が出産する本人か、自営業等か、4.28日までの取得日程、5.社会保険料免除の対象月を確認する、という順序で行うのか良いと思います。

