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シフト制のコールセンターで時間単位年休を導入、労使協定と年5日義務の注意点
年次有給休暇の運用についてお尋ねします。福岡市内と近郊でコールセンターを運営する会社(従業員約250名)で人事労務を担当しています。当社の年休は1日または半日単位でしか取得できず、オペレーターからは「子どもの行事に2時間だけ出たい」「通院や予防接種で午前に1時間抜けたい」という声が以前から出ています。下半期は通院や学校行事の希望が増える時期でもあり、時間単位の年休の導入を検討し始めました。ただ、シフトを30分刻みで組んでいるため、どの単位で認めるべきか、上限とされる5日をどう数えるのかがよく分かっておりません。労使協定で定めておくべき事項と、時間単位で取得した分が年5日の取得義務とどう関係するのか、基本的な考え方を教えてください。
ななめさんの相談
福岡県/流通・小売・サービス
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時間単位年休は導入可能ですが30分単位で取得させることはできません。シフトが30分刻みでも同じです。最小単位は1時間で労使協定により2時間・3時間等の整数時間単位とすることもできます。時間単位年休は年5日までですが取得した時間数は、使用者に義務付けられている「年5日の年休取得」には算入できません。
1.導入手続と労使協定
労働基準法39条4項により、時間単位年休を導入するには、過半数労組または過半数代表者との書面による労使協定が必要です。この協定の労基署への届出は不要です。また、従業員約250名であれば、時間単位付与について就業規則にも定め、変更届を所轄労基署へ提出する必要があります。
労使協定では、1.対象労働者、2.時間単位で取得できる日数(年5日以内)、3.年休1日分に相当する時間数、4.1時間以外を取得単位とする場合の時間数、を定めます(労基則24条の4)。対象者を一部除外することは可能ですが事業の正常な運営との調整上必要な範囲で設定します。「育児目的の人だけ」など取得目的による限定はできません。
2.30分単位は不可
「シフトが30分刻みだから、30分単位で時間休を認める」という運用はできません。厚労省は時間単位年休について「分単位など時間未満の単位は認められない」としています。したがって、御社では1時間単位とするのが良いと思います。2時間単位等も可能ですが1日の所定労働時間未満の整数時間で設定します。
3.5日上限の数え方
例えば1日の所定労働時間が8時間なら、5日×8時間=40時間まで時間単位で取得できます。3時間取得すればその分だけ時間残数を減らします。
1日7時間30分なら「1日=8時間」と切り上げるため5日分は40時間です。7時間30分×5日=37時間30分として計算するのではありません。日によって所定労働時間が異なる場合は、原則として1年間の1日平均所定労働時間数を基礎にします。労働時間の異なる労働者ごと・グループごとに設定することも可能です。
半日年休と時間単位年休は別制度なので併用できます。半日年休を取得しても時間単位年休の「5日」の枠は減りません。
4.「年5日の取得義務」との関係
年10日以上の年休が付与される労働者について使用者には年5日取得させる義務があります(労基法39条7項)。この5日について時間単位年休は何時間取得しても算入できません。例えば時間休を合計40時間取得しても、それだけで年5日取得義務を果たしたことにはなりません。
一方、労働者が希望して取得した半日年休は0.5日として算入可能です。また、使用者による時季指定も半日単位なら可能ですが時間単位で時季指定することはできません。
5.実務上の注意点
年次有給休暇管理簿には基準日・取得時季・取得日数に加え、半日取得回数や時間単位で取得した時間数も把握できるよう記録する必要があります。
「繁忙時間帯は時間休不可」「中抜けは禁止」などを労使協定で一律に定めることは認められません。具体的な申請ごとに事業の正常な運営を妨げるか判断し必要なら時季変更権で対応します。

