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年末繁忙期の長時間労働、産業医のいない営業所でも医師の面接指導は必要ですか
11月から年末にかけて出荷量が増え、一部のドライバーは時間外・休日労働が月80時間を超える見込みです。物流会社(埼玉・従業員120名)で労務を担当していますが、本社と2つの営業所に分かれており、いずれの事業場も常時50人未満のため産業医は選任しておりません。長時間労働者への医師の面接指導は本人の申出が要件と理解していますが、現場に声をかけても「忙しいので大丈夫」と言われるばかりで申出が上がってきません。健康起因の事故は絶対に避けたいので、形だけの案内で終わらせたくないと考えています。会社として対象者にどこまで働きかけるべきか、また産業医がいない事業場ではどのような方法で面接指導を実施すればよいか、一般的な進め方をお聞かせください。
さんとてさんの相談
埼玉県/流通・小売・サービス
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各営業所が50人未満で産業医を選任していなくても、長時間労働者に対する医師の面接指導制度は適用されます。 50人未満の事業場にも2008年4月から適用されています。
一般の労働者については、1.休憩を除き週40時間を超えて労働した時間が1か月80時間を超え、2.疲労の蓄積が認められ、3.本人から申出があった場合、事業者は遅滞なく医師による面接指導を実施しなければなりません(労安法66条の8、安衛則52条の2・3)。
●本人が申し出ない場合
法定面接指導は本人の申出が起点です。しかし、「申出がないから何もしなくてよい」という制度ではありません。
会社は毎月1回以上、一定期日に80時間超の時間を算定し、該当者にはその時間数を速やかに通知する義務があります。厚労省はこの通知が面接指導の申出を促す目的であり、時間数だけでなく「面接指導の実施方法・時期等」も併せて案内することが望ましいとしています。
したがって、今回のように80時間超が見込まれるドライバーには、単なる一斉案内より、対象者を個別に把握→時間数を個別通知→面接制度を説明→申出を個別に勧奨→長時間労働が継続する者や体調不良が疑われる者には再度働きかけることが必要です。厚労省も職場等が不調に気付いた場合には、プライバシーに配慮して面接指導を受けるよう働きかけることが望ましいとしています。
特に明らかな疲労・体調不良等を把握している場合は申出がないことだけを理由に放置することは、労働契約法5条の安全配慮義務との関係でも問題になり得ます。労働時間削減、乗務変更、休養、医療機関受診の勧奨等を別途検討が必要です。
●産業医がいない場合
埼玉県では産業医を選任していない50人未満の事業場について、地域産業保健センター(地さんぽ)が長時間労働者への医師面接指導を無料で実施しています。埼玉県内には11か所あり事業場所在地を担当するセンターへ事前に申し込みが必要です。
●埼玉産業保健総合支援センター「地域産業保健センター」
全社120人でも各事業場50人未満ですので利用できる可能性はありますが、具体的な利用条件・回数等は所在地を担当する地域産業保健センターへ事前確認してください。 利用できない場合は、外部の医師、健診機関・産業保健サービス等と契約して面接指導を実施します。
面接後は、会社は医師の意見を聴取し、必要があれば労働時間短縮、就業場所・作業の変更、深夜業の削減等を講じる義務があります。
●年末に向けた実務
今のうちに、1.毎月の80時間超候補者を抽出→2.本人へ時間数を通知→3.個別に申出を勧奨→4.地さんぽ等の医師を事前確保→5.申出後速やかに面接→6.医師意見に基づき乗務・労働時間を調整という流れを作ることをお勧めします。
なおトラック運転者には、別途、改善基準告示が適用され、原則月284時間以内の拘束時間や休息期間等も管理する必要があります。そのため、長時間労働対策としては面接指導だけで完結しないと思います。

