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改正安衛法で委託の軽貨物ドライバーへの安全衛生対策はどこまで必要ですか
物流会社で労務を担当しております(従業員120名)。繁忙期の配送増に対応するため、軽貨物の個人事業主ドライバーへ一部の配送を業務委託しています。2026年4月施行の改正労働安全衛生法で、個人事業者等への安全衛生対策が注文者側にも義務付けられたと聞きました。当社の倉庫や積み込み場で作業してもらう場面もあり、社員と同じ場所で働く委託ドライバーに対して、危険箇所の周知や保護具、休憩場所の提供などをどこまで行うべきか判断がつきません。一般的に企業側が準備すべき事項と、委託契約で取り決めておくべき点を教えてください。
さんとてさんの相談
埼玉県/流通・小売・サービス
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
まず施行時期について整理が必要です。2025年改正の労働安全衛生法は段階施行で、個人事業者等の安全衛生対策に関する主要な規定には2027年4月1日施行のものがあります。一方、従来から2023年・2025年の省令改正により、請負人や同じ場所で作業する労働者以外の者についても、一定の危険・有害作業に関する保護措置は既に義務化されています。したがって、「2026年4月から一律に注文者の義務が始まった」と整理するのは正確ではありません。
御社のように、個人事業主の軽貨物ドライバーが自社倉庫・積込み場に入り、社員と同じ場所で作業する場合には、まずその場所を管理する会社として生じる危険を洗い出し、委託ドライバーにも必要な安全措置・情報を及ぼすという考え方が重要です。
具体的には、次のような対応を優先するとよいでしょう。
(1)フォークリフトの走行区域、荷崩れのおそれがある場所、車両の後退区域、立入禁止区域等を明示する
(2)初回入場時に構内ルール、積込み手順、緊急時の避難方法・連絡先等を説明する
(3)必要な危険・有害作業について、作業方法や保護具の使用等を周知する
(4)社員と委託ドライバーの作業が混在する場合、作業時間・動線等を調整する
(5)夏季であれば休憩場所、飲料水、熱中症時の連絡・救急対応等も整備する
特に法令上必要とされる保護具については、「会社が必ず無償貸与しなければならない」という問題と、「その場所・作業ではこの保護具が必要であると周知する義務」は分けて考える必要があります。厚労省も、請負人が適切な保護具を選択できるよう、その種類・性能等を情報提供することが望ましいとしています。
また、休憩場所等についても、すべて社員と全く同一の福利厚生を提供するという意味ではありません。ただし、注文者として長時間就業や健康障害防止への配慮が求められる方向にありますので、実態に応じた休憩環境を確保しておくことが望ましいでしょう。
委託契約書には、少なくとも、(1)双方の安全衛生上の責任分担、(2)構内安全ルールの遵守、(3)必要な保護具の使用・費用負担、(4)事故・ヒヤリハット発生時の報告、(5)健康状態に問題がある場合の作業中止、(6)再委託する場合のルール等を定めておくことをお勧めします。
なお、安全確保のため必要な指示をしたからといって、それだけで直ちに「労働者」と判断されるわけではありません。厚労省も安全衛生上必要な指示を躊躇しないよう示しています。
120名規模の物流会社であれば、まず「委託ドライバー用・構内安全ルール」を1枚程度にまとめ、契約時+初回入場時に説明し、受領・確認記録を残す仕組みから始めるのが実務的と考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。