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来年度の工場カレンダー作成、1年単位の変形労働時間制で休日変更は可能?
来年度の年間カレンダーを作成する時期を迎え、確認させてください。愛知県で輸送用機器の部品を製造する会社(従業員約1000名)の労務責任者です。工場部門は1年単位の変形労働時間制を採用しており、毎年この時期に労使協定と年間休日カレンダーを決めて労働基準監督署へ届け出ています。ただ実際には期の途中で受注が動き、繁忙期に休日出勤や休日の振り替えをお願いすることが少なくありません。協定で特定した休日を後から動かしてよいのか、動かした場合に割増賃金の計算がどう変わるのかが曖昧なまま運用してきました。年度の途中で入社・退職した社員の労働時間の精算方法も社内で議論になっています。1年単位の変形労働時間制を適切に運用するうえで押さえておくべき点を教えてください。
こまち77さんの相談
愛知県/メーカー
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
1年単位の変形労働時間制では、対象期間における労働日と各日の労働時間をあらかじめ特定することが制度の基本です。そのため、受注量に応じて年間カレンダーの休日を会社が自由に変更する運用は原則としてできません。厚生労働省も、特定した労働日や労働時間を任意に変更することはできないとしています。
ただし、カレンダー作成時には予期できなかった事情が発生し、やむを得ず休日を振り替える場合まで禁止されているわけではありません。
この場合は、
・就業規則に休日振替の根拠があること
・休日出勤させる前に振替休日を特定すること
・特定期間以外は連続労働日数を6日以内とすること
・特定期間は1週間に1日の休日を確保すること
などが必要です。通常の繁閑を理由として頻繁に休日を振り替える運用は、1年単位の変形労働時間制の趣旨に反します。
割増賃金についても注意が必要です。
適法な休日振替を事前に行えば、元の休日は労働日となるため、その日が法定休日であったことを理由とする35パーセント以上の休日割増は原則として発生しません。これに対し、休日に勤務させた後で別の日を休ませる「代休」であれば、法定休日に行った労働について休日割増が必要です。
さらに1年単位の変形労働時間制では、振替によって元のカレンダーでは予定されていなかった時間外労働が発生する場合があります。例えば、休日だった日に8時間を超えて働かせれば、その日は変形制上8時間超の労働日として特定されていなかったため、8時間を超える部分について時間外労働となる場合があります。
途中入社、途中退職者についても重要な精算ルールがあります。
対象期間の途中から入社した方や途中で退職した方について、実際に対象となった期間を平均して1週間40時間を超えて労働させていた場合は、すでに割増賃金を支払った時間を除き、その超過時間について割増賃金を精算する必要があります。
したがって、年間カレンダー作成時には、過去の受注実績等から繁忙期をできるだけ予測して労働日を配置することが重要です。
「忙しくなったら休日を出勤日に変更すればよい」という前提ではなく、休日振替は予期しなかった事情に対する例外的な運用と位置付け、振替と代休を明確に区別することをお勧めします。
併せて、途中入退社者の精算方法まで給与計算手順に組み込んでおくと、1年単位の変形労働時間制をより適正に運用できると考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。