相談内容
投稿
予防接種の費用補助について
インフルエンザの予防接種のことでご相談です。当社は静岡でデイサービスを2拠点運営しており、職員は28名です。利用者さんが高齢なので、毎年職員には接種をお願いしていますが、費用はこれまで各自で払ってもらっていました。今年から会社で費用を出そうかと社長と話しているのですが、分からないことがいくつかあります。会社が払った分は、職員のお給料として扱わないといけないのでしょうか。パートさんも正社員と同じように補助の対象にしないとまずいでしょうか。それと、毎年1人か2人、体質などの理由で受けたくないという職員がいます。仕事柄、できれば全員に受けてほしいのが本音ですが、会社から受けるように強く言ってよいものなのか迷っています。
ひだまりさんの相談
静岡県/メディカル
他の専門家からの回答
投稿
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
会社が予防接種費用を負担すること自体に問題はありません。高齢者と接するデイサービスでは、感染予防の観点からも合理性のある制度と考えます。
インフルエンザ予防接種の費用を会社が負担する場合、直ちに職員の給与として扱わなければならないわけではありません。
業務上の感染予防や職員の健康管理を目的とし、全職員を対象とするなど福利厚生制度として合理的な基準を設け、社会通念上相当な金額を会社が負担するのであれば、福利厚生費として取り扱うことが考えられます。特に、会社が医療機関へ直接支払う方法は制度の趣旨が明確です。職員がいったん支払い、領収書を提出して実費を精算する方法とする場合も、給与に上乗せして一律の現金を支給する方法とは区別して運用することをお勧めします。国税庁も、従業員に対する経済的利益は原則として給与となる一方、一定の福利厚生に関する取扱いを示しています。
次に、正社員だけを補助対象として、パート職員を一律に除外することはお勧めしません。
今回の補助目的が「利用者への感染防止と職員の健康管理」であれば、雇用形態にかかわらず利用者と接する職員には同じ必要性があります。そのため、正社員、パート等を問わず、原則として全職員を対象とする制度が分かりやすく、税務上も福利厚生制度としての説明がしやすいでしょう。
一方、予防接種を希望しない職員に接種を強制することについては慎重な対応が必要です。
インフルエンザワクチンには副反応等の可能性があり、接種には本人の意思が尊重されるべきです。厚生労働省も予防接種について本人の意思確認を重視しています。
したがって、会社として「利用者が高齢者であるため接種を推奨しています」と協力を求めることは差し支えありませんが、接種しないことだけを理由として懲戒処分や不利益な取扱いをすることは避けるべきでしょう。体質、アレルギー、医師の判断等により接種できない職員への配慮も必要です。
実務上は、「会社が接種費用を全額又は上限額まで負担する。接種は推奨するが本人の意思によるものとする。未接種者についてはマスク着用、手指消毒、体調確認等の感染対策を徹底する」という運用が適切と考えます。
制度を導入する際は、対象者、補助上限額、申請方法、領収書の提出、接種が任意であることを簡単な社内通知にまとめておくとよいでしょう。
税務面では、現金で定額の「予防接種手当」を給与に加算するより、医療機関への直接払い又は領収書による実費精算とする方が、福利厚生目的の費用負担として整理しやすいと考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。

