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労務・労務安全衛生
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台風接近時も業務を止められないコールセンター、出勤命令と安全配慮義務の考え方

365日稼働のコールセンター(福岡・従業員約250名)で労務を統括しています。委託元との契約上、台風の接近時でも受電を完全に止めることが難しく、毎年この時期は出勤対応に頭を悩ませます。昨年の台風では、公共交通機関の計画運休が発表される中で最小限のオペレーターに出勤をお願いしたところ、「危険な中でも出勤命令に従う義務はあるのか」と質問を受けました。一般論として、暴風警報や計画運休が見込まれる状況で出勤を命じることは、安全配慮義務との関係で問題ないのでしょうか。前泊やタクシー手配、早めの帰宅指示など会社が講じるべき措置と、出勤を拒否した従業員の取り扱いについて、考え方を教えていただけますか。

ななめさんの相談

福岡県/流通・小売・サービス

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
台風接近時であっても、会社が出勤を命じること自体が直ちに違法となるわけではありません。しかし、会社には労働契約法5条に基づき、従業員が生命・身体等の安全を確保しながら働けるよう「必要な配慮」をする義務があります。したがって、委託元との契約上業務継続が必要であることだけを理由に、危険を伴う出勤を一律に求めることは避けるべきです。
特に、暴風警報・特別警報、公共交通機関の計画運休、道路の通行止め、自治体の避難情報等が出ている場合には、(1)本当に出勤が必要な人数、(2)在宅勤務への切替えの可否、(3)出退勤時の交通手段、(4)従業員の居住地域ごとの危険度などを具体的に検討する必要があります。
365日稼働のコールセンターであれば、「全員出勤か全面休業か」ではなく、例えば次のような段階的対応が適切です。
・必要最小限の要員に限定する
・可能な業務は在宅勤務へ切り替える
・公共交通機関が止まる前に出勤・退勤させる
・必要に応じ会社負担でタクシー、ホテルへの前泊・後泊等を手配する
・従業員ごとに通勤経路や居住地域の危険性を確認する
・状況悪化時には勤務途中でも帰宅・避難を指示する
といった措置です。前泊等を利用する場合も、従業員に自己負担を求めるのではなく、業務上必要な措置として会社負担とするのが望ましいでしょう。
また、従業員が出勤を拒否した場合も、直ちに「業務命令違反」として懲戒処分することには慎重であるべきです。公共交通機関が運休している、避難指示が出ている、通勤経路に現実的な危険があるなど、出勤拒否に合理的な理由がある場合には、欠勤として取り扱うことはあり得ても、懲戒処分まで行うことはリスクがあります。
一方、会社が安全な交通手段や宿泊場所を確保し、客観的にも危険性が低いにもかかわらず、特段の理由なく出勤を拒否する場合には、通常の欠勤等として扱う余地があります。つまり「台風だから出勤義務がなくなる」のでも、「業務命令だから必ず出勤しなければならない」のでもなく、個別の危険性と会社の安全確保措置を踏まえて判断します。
なお、会社判断で休業させた場合の賃金・休業手当については、台風そのものによる不可抗力なのか、会社の自主的判断による休業なのかによって扱いが異なります。会社都合の休業に該当すれば、労基法26条の休業手当(平均賃金の60%以上)が必要となる場合があります。
実務上は、台風発生後に個別判断するのではなく、「警報・計画運休等に応じた出勤判断基準」「在宅勤務への切替え」「前泊・タクシー費用」「帰宅指示」「欠勤・年休の取扱い」などを災害時勤務ルールとして事前に定めておくことをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。

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