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店長候補の中途採用、求人票の月給に固定残業代を含める場合の明示の注意点
下半期の中途採用の準備でご相談があります。大阪府内を中心に飲食店を運営する会社(従業員420名)の人事担当です。新規出店と欠員補充のため、店長候補を数名募集する予定で求人票を作成しております。現場からは「月給の見栄えを良くしてほしい」という要望があり、用意された原案では月給28万円と記載されていますが、実際にはそこに45時間分の固定残業代が含まれており、内訳は書かれていません。過去にも入社後に「聞いていた話と違う」と早期退職につながった例があり、同じことを繰り返したくないと考えています。募集の段階で固定残業代をどこまで明示する必要があるのか、また入社時の労働条件通知書との整合で気をつけるべき点について、一般的な考え方をお聞かせいただけないでしょうか。
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専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問のケースでは、月給28万円に45時間分の固定残業代が含まれているにもかかわらず、その内訳を明示しない求人票は適切ではありません。
固定残業代制度を採用すること自体は可能ですが、募集段階から労働条件を正確に明示する必要があります。
1.求人票における固定残業代の明示事項
職業安定法に基づく募集時の労働条件明示では、固定残業代を採用する場合、次の事項を明示する必要があります。
(1)固定残業代を除いた基本給の額
(2)固定残業代の金額及び何時間分の時間外労働に相当するか
(3)固定残業時間を超える時間外労働等について、追加で割増賃金を支払うこと
例えば、次のような記載が考えられます。
月給28万円(基本給〇〇円、固定残業代〇〇円)
固定残業代は時間外労働45時間分として支給し、実際の時間外労働が45時間に満たない場合も全額支給します。45時間を超える時間外労働については、別途割増賃金を支給します。
なお、基本給と固定残業代の金額は、所定労働時間及び割増賃金の計算方法に基づき、適法に算定する必要があります。
2.労働条件通知書との整合性
採用時には、労働基準法第15条に基づき、賃金等の労働条件を明示する必要があります。
求人票、雇用契約書、労働条件通知書及び賃金規程において、基本給、固定残業代、対象時間数、超過分の支払方法を一致させることが重要です。
また、求人票に記載した条件を変更する場合には、変更内容を求職者に適切に明示し、十分に説明する必要があります。
3.制度運用上の注意点
固定残業代は、45時間の残業を義務づけるものではありません。また、実際の残業が45時間未満でも、定めた固定残業代を減額することはできません。
深夜労働や法定休日労働の割増賃金についても、固定残業代の対象範囲を明確にし、不足額があれば追加支給する必要があります。
さらに、店長候補であっても、労働基準法第41条の管理監督者に当然に該当するわけではありません。肩書ではなく、職務権限、勤務実態、待遇等から判断されます。
飲食店では深夜労働も発生しやすいため、特に注意が必要です。
なお、2024年4月からは、求人票にも業務内容及び就業場所の変更の範囲等の明示が必要となっています。
以上から、月給28万円という総額だけを強調するのではなく、基本給と固定残業代の内訳を明示し、採用面接でも十分に説明することをお勧めします。
採用競争力の確保も重要ですが、労働条件の透明性を高めることが、入社後のトラブル防止と早期離職の抑制につながると考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。
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