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定期健康診断の有所見者への就業上の措置、医師の意見聴取はどう進める?
秋の定期健康診断の結果が届き始め、事後の対応で悩んでおります。愛知県内に複数の工場を持つ製造業(従業員約1000名)で労務責任者をしています。受診者のうち何らかの所見がある方が半数近くに上り、中には血圧や血糖値の数値が高いまま、2交替の夜勤やフォークリフトの運転、高所での保全作業に従事している社員もいます。これまでは結果を本人に返して再検査を促すだけで、産業医の意見を聴くところまでは手が回っていませんでした。有所見者について医師の意見聴取はどのような流れで行うものでしょうか。本人が再検査に行かない場合の会社の対応、夜勤の免除や残業の制限といった就業上の措置を講じる際の進め方と、それに伴って手当が減る場合の注意点もあわせて教えてください。
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専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
定期健康診断で有所見者が確認された場合、会社には、単に結果を本人へ通知し、再検査を勧奨するだけでなく、医師の意見を聴取し、必要な就業上の措置を講じることが求められます。
1.医師の意見聴取の進め方
労働安全衛生法第66条の4により、健康診断の結果、異常の所見があると診断された労働者については、原則として健康診断実施日から3か月以内に医師等の意見を聴取する必要があります。
実務上は、次の手順で進めることをお勧めします。
(1)有所見者を抽出し、健康診断結果を整理する。
(2)産業医に健康診断結果、業務内容、労働時間、夜勤の有無等を提供する。
(3)産業医から通常勤務可、就業制限、要休業等の就業区分について意見を聴取する。
(4)必要に応じて本人と面談し、就業上の措置を決定する。
(5)措置実施後も健康状態を確認し、定期的に見直す。
なお、有所見者全員に産業医面談を実施することまで義務づけられているわけではありませんが、医師等の意見聴取は必要です。
2.再検査を受診しない場合
再検査については、法定健康診断そのものとは異なり、一般的に労働安全衛生法上の一律の受診義務があるわけではありません。
そのため、まずは本人に再検査の必要性を説明し、受診を勧奨してください。
ただし、健康状態によって重大な事故につながるおそれがある場合には、産業医の意見を踏まえ、業務制限や配置転換等を検討する必要があります。
3.就業上の措置の進め方
労働安全衛生法第66条の5に基づき、医師の意見を勘案し、必要な措置を講じます。
特に、フォークリフト運転や高所作業など、健康状態の悪化が重大事故につながる業務については、優先的に対応することが重要です。
具体的には、夜勤の免除、時間外労働の制限、日勤への転換、危険作業からの一時的な配置転換等が考えられます。
措置を決定する際には、産業医の意見だけでなく、本人の希望や生活状況も確認し、必要性、期間、見直し時期を明確にしてください。
4.夜勤手当等が減額となる場合
夜勤免除によって実際の深夜勤務がなくなった場合、深夜割増賃金や勤務実績に応じた夜勤手当が支給されなくなること自体は、原則として問題ありません。
ただし、固定的な手当の減額や基本給の引下げについては、労働契約や就業規則の内容を確認する必要があります。
健康確保を目的とする措置であっても、当然に賃金の不利益変更が認められるわけではありません。
本人に減額内容を事前に説明し、必要に応じて経過措置を設けることも検討してください。
5.最後に
従業員約1000名の製造業であれば、有所見者の管理台帳を作成し、産業医、人事部門、各工場の管理者が連携する仕組みを整えることをお勧めします。
なお、健康診断結果は機微な個人情報であるため、現場管理者には就業制限の内容など必要最小限の情報のみを共有してください。
健康診断は受診させて終わりではありません。医師の意見聴取から就業上の措置、その後の経過確認までを一連の健康管理として運用することが重要と考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。
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