相談内容

人事管理
解決済み

投稿

私傷病で長期療養に入る社員の休職期間、勤続年数で差を設けても問題ありませんか

休職制度の見直しについて助言をお願いします。埼玉県内で運送・倉庫事業を行う会社(従業員120名)で労務を担当しています。先日、倉庫部門の社員が業務外の病気で手術を受けることになり、数か月の療養が必要と診断されました。当社の就業規則には休職の定めがあるものの「会社が必要と認めた期間」とだけ書かれており、期間の上限も復職の判断基準も明確ではありません。今回を機に規程を整えたいのですが、勤続年数によって休職期間に差を設けることは可能でしょうか。あわせて、休職中の社会保険料の本人負担分をどう回収するか、傷病手当金の申請で会社が担う役割についても伺えればと思います。

さんとてさんの相談

埼玉県/流通・小売・サービス

自社の場合も専門家に
相談してみませんか?

この相談内容を参考に、自社の状況に合わせて
質問できます。

この内容をもとに相談する

専門家からの回答

井上 久のプロフィール画像

井上 久

井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

投稿

ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
結論から申し上げますと、私傷病による休職期間について、勤続年数に応じて差を設けることは、原則として可能です。
休職制度は、労働基準法で一律に義務付けられた制度ではなく、会社が就業規則等で定めるものです。
ただし、制度の公平性や運用上のトラブルを防ぐため、休職期間、復職基準、休職期間満了時の取扱いを明確にすることが重要です。
1. 勤続年数による休職期間の設定
例えば、次のような規定が考えられます。
・勤続1年未満 2か月
・勤続1年以上3年未満 3か月
・勤続3年以上 6か月
このように勤続年数に応じて休職期間を設定すること自体に、法的な問題はありません。
ただし、現在の制度より休職期間が短くなる社員がいる場合には、不利益変更に該当する可能性があります。
そのため、労働契約法第9条、第10条を踏まえ、変更の必要性や内容の合理性、労働者への説明、周知等に留意する必要があります。
2. 復職の判断基準
復職については、単に主治医から復職可能との診断書が提出されたことだけで判断するのではなく、実際に業務を遂行できる状態まで回復しているかを確認することが重要です。
特に運送業では、安全運転に支障がないか、倉庫業務では重量物の取扱いや身体的負担に耐えられるかなど、職務内容に応じた判断が必要です。
必要に応じて産業医等の意見を聴き、本人との面談を実施したうえで、復職の可否を判断することをお勧めします。
また、休職期間満了時に復職できない場合の取扱いについても、就業規則に明記しておくことが望ましいでしょう。
3. 休職中の社会保険料
私傷病による休職中も、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格が継続する限り、原則として保険料の負担が発生します。
無給の場合には給与から控除できないため、本人負担分を毎月会社指定口座へ振り込んでもらう方法が一般的です。
休職開始時に金額、納付期限、振込方法を説明し、書面で確認しておくとよいでしょう。
4. 傷病手当金の申請
健康保険の傷病手当金は、業務外の病気やけがにより働けず、連続3日間の待期期間を経て、4日目以降も労務不能で、給与が支払われない場合などに支給されます。
支給額は原則として標準報酬月額を基に計算した日額の3分の2相当額で、支給期間は通算1年6か月です。
申請に当たっては、本人の申請内容、医師の意見に加え、会社が勤務状況や賃金支払状況を証明する必要があります。
5. 規程整備のポイント
今回の見直しでは、休職期間のほか、休職開始要件、診断書の提出、休職中の賃金、社会保険料、復職手続き、再休職時の期間通算、期間満了時の退職の取扱いを定めることをお勧めします。
なお、今回療養に入る社員については、現行規程の下での取扱いを慎重に検討し、新規程を直ちに不利益に適用しないよう注意が必要です。
以上です。よろしくお願いいたします。

自社の条件ではどうなる?
専門家に個別相談できます

  • 自社の状況に合わせた具体的なアドバイス
  • 実務に詳しい専門家が回答
  • 匿名で相談できるから安心
自社について相談する

投稿

人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。

結論から申し上げますと、私傷病で長期療養に入る社員の休職制度...

活躍している
専門家ランキング