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在宅勤務手当と残業代
うちの会社では、在宅で働く人に毎月5,000円の在宅勤務手当を払っています。東京でWebサービスを作っている会社で、従業員は50名です。光熱費や通信費の足しにしてもらうつもりで、ほぼ全員に出しています。先日、残業の多い社員から「残業代の計算に在宅手当は入っていますか」と聞かれ、確認したら入れていませんでした。通勤手当や家族手当は残業代の計算から外していいと聞いたことがあるので、同じような扱いだと思い込んでいたのですが、在宅勤務手当もそこに含まれるのかどうか分かりません。もし入れないといけないのだとしたら、これまでの分もさかのぼって払う必要があるのでしょうか。どう考えればいいのか、なかなか判断がつきません。
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専門家からの回答
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人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。
結論から申し上げますと、ご質問の在宅勤務手当は原則として残業代(割増賃金)の基礎に含める必要がありますが、実費弁償の実態や支給方法によっては除外できる場合があり、除外できない場合は過去に遡って差額を支払う義務が生じます。
■割増賃金の基礎から除外できる賃金の範囲
労働基準法では、割増賃金の計算基礎から除外できる賃金として、家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1か月を超える期間ごとに支払われる賃金の7つの手当を限定的に列挙しています。これらは労働者の個人的事情に配慮して支給されるものや臨時的なものであるため除外が認められていますが、これら以外の名称で支給される諸手当は、原則としてすべて割増賃金の算定基礎に含めなければなりません。
■在宅勤務手当の性質と法的取り扱い
手当の名称が通勤手当や住宅手当に似ていたとしても、法的取り扱いはその実質的な支給趣旨や要件によって判断されます。全従業員や一定の対象者に対して一律毎月5,000円といった定額で毎月支給されている場合、それは労働の対償たる通常の賃金とみなされ、割増賃金の算定基礎に算入する義務が生じます。
一方で、毎月支給される手当であっても、労働者が実際に負担した光熱費や通信費の業務使用分を客観的な計算式に基づいて実費精算している(または実費相当額を毎月精算して補填している)実態がある場合は、実費弁償的な給付として労働の対償である賃金そのものに該当しない、あるいは除外対象と同等として扱われるケースがあります。しかし、実態の確認や精算を行わず一律支給を行っている場合は、通常の賃金として計算基礎に含めるのが原則的な解釈となります。
■遡っての未払い残業代の支払い義務
仮に、貴社で支給している在宅勤務手当が割増賃金の算定基礎に含めるべきものであった場合、これまでの割増賃金に未払いが生じていたことになります。労働基準法上の賃金請求権の消滅時効期間は3年なので、従業員から請求があった場合や未払いが判明した場合は、過去に遡って再計算を行い、差額分を遡及して支払う法的な義務が発生します。
以上雑駁な回答ですがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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