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11月の過重労働解消キャンペーン、運送業への重点監督で何を確認される?
来月の過重労働解消キャンペーンを前に、社内の点検を進めています。埼玉で運送と倉庫を営む会社(従業員120名)の労務担当です。同業者から、この期間は長時間労働が疑われる事業場への重点監督があり、運送業は対象になりやすいと聞きました。当社はデジタコの記録と勤怠システムの打刻を別々に管理しており、両者の時間が合わないドライバーが何人かいます。監督が入った場合、労働時間の記録として主にどの書類を確認されるのでしょうか。また、記録同士の食い違いはどの程度まで説明を求められるのでしょうか。今のうちに何を整えておくべきか、一般的な考え方を教えていただけますと助かります。
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人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。
■重点監督で確認される主な書類
過重労働解消キャンペーンにおける重点監督では、労働者の労働時間が適正に把握・管理されているか、また時間外・休日労働の上限規制や改善基準告示が遵守されているかを厳格に確認されます。その際、監督官が主に提示を求める書類は以下の通りです。
(1)労働時間や出勤状況を把握するための出勤簿、タイムカード、勤怠システムの打刻データ等の労働時間記録に関する書類
(2)運送業特有の運行実態を確認するためのデジタコ(デジタルタコグラフ)の操作データ、タコグラフ、運行指示書、配車表、乗務記録(運転日報)等の運行関係書類
(3)労働時間の算定結果と割増賃金の支払状況を確認するための賃金台帳、労働者名簿、就業規則、賃金規程
(4)時間外・休日労働の適法性を確認するための36協定届(特別条項付き協定を含む)および労働人数の確認書類等
■記録同士の食い違いに対する説明の範囲と労働時間の考え方
デジタコの記録と勤怠システムの打刻データとの間に時間が合わないドライバーが存在する場合、監督官からはその不一致が生じている理由について、原則としてすべての対象者・すべての不一致時間帯にわたり詳細な説明を求められます。
労働基準法上の労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を指し、労働契約や就業規則の定めにかかわらず客観的に定まるとされています(最高裁判所判例)。
運送業の実務において、デジタコの作動時間と勤怠システムの打刻時間が異なる場合、その差分時間(出庫前の点検・準備時間、荷待ち時間、荷役作業時間、帰車後の片付け・報告時間、車中での手待時間など)が労働時間にあたるのか、あるいは完全に労働から解放された休憩時間であるのかが厳格に検証されます。
単にシステム上の打刻とデジタコの記録がズレているという主張のみでは認められず、その時間帯にどのような指示がなされ、どのような業務または待機が行われていたのか、実態に即した合理的な理由と客観的な裏付け説明が必要です。
■事前の点検と整備における考え方
監督が入る前の段階で整えておくべき対応としては、まず自己申告や打刻記録と客観的なデータ(デジタコ記録や入退場ログ等)との間に著しい乖離が生じている対象者を抽出することです。
労働時間の適正な把握に関するガイドライン(厚生労働省)においても、客観的な記録等と実際の申告時間等に乖離がある場合には、使用者が実態調査を行い、必要に応じて労働時間の補正を行うべきことが定められています。
したがって、乖離が生じているドライバーごとに「なぜ差が生じているのか」の理由(例:出庫前の積み込み作業時間、荷主都合による手待時間、休憩時間の打刻漏れ等)をヒアリング・調査して実態を把握し、差分が指揮命令下の労働時間であれば勤怠記録および賃金計算を正しく補正し、休憩時間であればその実態(労働からの完全な解放)を明確に説明できるよう整理しておくことが求められます。
以上、長文となりましたがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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