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オペレーター採用の入社祝い金、3か月以内の退職者に返還を求めることはできる?

採用難が続いており、定着策とあわせて検討していることがあります。福岡で365日稼働のコールセンターを運営する当社(従業員約250名)では、入社後1か月以内に辞めてしまうオペレーターが少なくありません。そこで、入社時に5万円の祝い金を支給し、3か月以内に退職した場合は全額返してもらう仕組みを考えています。社内では「最初に渡して引き留めの材料にしたい」という意見と、「返還させるのは問題ではないか」という意見に分かれています。退職時に返還させる約束は、労働基準法の賠償予定の禁止に当たるのでしょうか。給与から相殺できるのか、求人広告に祝い金を載せる際の注意点もあわせて伺いたいです。

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山口 光博

リモートワークスコンサルティング合同会社

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人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。

結論から申し上げますと、入社後3か月以内に退職したオペレーターに対して入社祝い金の全額返還を求める仕組みは、労働基準法第16条が禁じる「賠償予定」に該当し、無効とみなされる可能性が非常に高いです。

■入社祝い金の返還義務と賠償予定の禁止
労働基準法第16条では、労働契約の不履行に対して違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定する契約を禁じています。入社祝い金を「早期退職した場合には返還しなければならない」という条件付きで支給する設計は、実質的に労働者を会社に縛り付ける足止め策とみなされやすいためです。一定期間の勤務を条件とする祝い金であっても、早期退職という労働契約の終了(解約)に対して返還を義務付ける定めは、この賠償予定の禁止に抵触すると解釈されます。

■給与からの相殺処理における問題点
仮に返還合意が成立しているとしても、退職時の給与から祝い金の返還分を差し引く行為は、労働基準法第24条第1項が定める「賃金全額払いの原則」に違反します。労働者の賃金から控除を行うには、所得税や社会保険料などの法令上の定めがある場合か、労使協定の締結が必要です。ただし、損害賠償金や違約金に類する返還金を労使協定によって給与から相殺することは認められず、仮に本人同意があったとしても全額払いの原則に反して無効となると思われます。

■求人広告に掲載する際の注意点
求人広告に入社祝い金の支給条件を記載する際は、職業安定法第5条の3(労働条件の明示義務)や求職者に対する適切な情報提供の観点から注意を要します。「3か月以内に退職した場合は返還義務がある」といった不利益条件や返還規定を設けること自体が法的トラブルのリスクを抱えるほか、求職者に誤解を与えない正確な支給要件の記載が求められます。定着策として導入を図る場合は、返還義務を課す方式ではなく、入社3か月経過時点などの定着後に支給する「定着手当」や「勤続祝い金」の形式へ見直すことが実務上安全です。

以上雑駁な回答ですがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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