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店長は管理監督者として残業代なしで問題ない?飲食チェーンの名ばかり管理職対策
店長の処遇について確認させてください。飲食チェーン(大阪府内中心・従業員420名)の人事担当です。当社では店長を管理職として扱い、役職手当を支給するかわりに時間外の割増賃金は払っていません。ただ実際には、シフトの欠員を店長自身が埋めることが多く、月の労働時間が250時間を超える店長もいます。採用や時給の決定には本部の承認が必要で、店長に任せている権限は限られています。いわゆる名ばかり管理職と判断されるのはどのような場合でしょうか。管理監督者の扱いを見直す場合、役職手当と残業代の関係や、過去分の請求への備えとして注意すべき点を教えてください。
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専門家からの回答
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人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。
結論から申し上げますと、貴社の店長は労働基準法上の「管理監督者」に該当しない可能性が極めて高く、店舗での実態に即した割増賃金(残業代)の支払いが必要となります。
■管理監督者の判断基準と貴社店長の実態
労働基準法第41条2号に定める「監督又は管理の地位にある者(管理監督者)」に該当するか否かは、役職名や役職手当の有無ではなく、職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇の実態に基づき総合的に客観判断されます。判例(日本マクドナルド事件・東京地判平20.1.28等)においても、店舗責任者としての肩書があっても経営者と一体的な立場にない店長の管理監督者性が否定されています。
貴社の店長は、採用や時給決定権限が本部にあり限られた権限しか付与されていない点、シフトの欠員補充等により月250時間超の労働を余儀なくされ労働時間に対する裁量権がない点から、管理監督者の要件を満たしていないと判断される可能性が極めて高い状況です。
■役職手当と残業代(割増賃金)の関係
管理監督者性が否定された場合、これまで支給していた「役職手当」を残業代の支払いに充当できるかどうかが問題となります。役職手当が時間外労働の対償として支払われていることが就業規則等で明確に規定されており、実際の割増賃金との差額を精算する仕組みが存在しない限り、役職手当をそのまま固定残業代として充当することは認められません。
さらに、管理監督者ではない一般労働者として割増賃金の基礎単価を計算する際、除外賃金(家族手当、通勤手当等)に当たらない「役職手当」はその基礎単価に含まれるため、残業代の支払額が膨らむリスクがあります。
■過去分の残業代請求への備えと注意点
労基法上の賃金請求権の消滅時効期間は当分の間「3年」とされているため、管理監督者の否定に伴い、過去3年分に遡って未払い割増賃金を請求される法的リスクが生じます。 注意点として、タイムカードやシフト表などの労働時間管理の記録が整備されていない場合、労働者側の自己申告やメモ等が労働時間の証拠として採用されるリスクがあります。
また、裁判等へ発展した場合には、未払割増賃金と同額の「付加金」(労基法114条)の支払いを命じられるリスクや、遅延損害金が発生する点にも留意が必要です。 早急に全店長の勤務実態を把握し、権限の再構成または一般労働者への移行と給与体系の適正化を進めることが強く推奨されます。
以上、長文となりましたがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
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