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結婚した社員の扶養について

先月結婚したエンジニアから、奥さんを扶養に入れたいと言われました。東京のIT企業(従業員50名)で労務をしています。これまで結婚の報告を受けても、名字が変わる人の登録を直すくらいで、扶養のことを正面から扱ったことがありませんでした。奥さんは9月まで会社員で、今は退職して失業保険をもらう予定だそうです。失業保険をもらっている間は扶養に入れないという話をどこかで聞いた気がするのですが、本当なのかよく分かりません。また、健康保険の扶養と、年末調整で書く扶養は別物だと前任者に言われた記憶があり、今年の年末調整で配偶者の欄をどう書いてもらえばいいのかも迷っています。奥さんの今年の収入は退職前の分だけでそれなりにあるはずなので、そこも関係するのでしょうか。本人にどう説明すればいいのか、考え方から教えていただけると助かります。

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井上 久

井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問のケースでは、まず「健康保険の被扶養者」と「税法上の配偶者控除・配偶者特別控除」は別の制度であり、それぞれの要件を確認する必要があります。
まず、健康保険については、配偶者が退職して収入がなくなった場合、原則として今後1年間の収入見込みが130万円未満で、主として社員の収入によって生計を維持されているなどの要件を満たせば、被扶養者として認定される可能性があります。
ただし、失業保険(雇用保険の基本手当)も健康保険の収入判定に含まれます。60歳未満の場合、基本手当日額が3,612円以上であれば、原則として受給期間中は被扶養者になれません。
一方、受給開始前の待期期間や給付制限期間中、あるいは基本手当日額が基準未満の場合には、被扶養者として認定される可能性があります。最終的には加入先の健康保険の認定基準によります。
また、社員が厚生年金保険の加入者で、配偶者が20歳以上60歳未満の場合には、健康保険の被扶養者認定に伴い、国民年金第3号被保険者の手続きも必要になります。
次に、年末調整については、健康保険とは異なり、その年の1月から12月までの配偶者の所得で判定します。
令和8年分の配偶者控除は、配偶者の合計所得金額が62万円以下(給与収入のみなら136万円以下)の場合に対象となります。また、62万円を超え133万円以下であれば、配偶者特別控除の対象となる可能性があります。ただし、社員本人の合計所得金額が1,000万円を超える場合は、いずれも適用されません。
なお、雇用保険の基本手当は非課税ですので、税法上の配偶者控除等の所得判定には含めません。
今回の社員には、配偶者の退職日、雇用保険の受給開始予定日、基本手当日額、今年の給与収入を確認してもらい、健康保険の扶養認定と年末調整を別々に判断するよう説明してください。
年末調整では、配偶者の源泉徴収票等を基に年間所得を見積もり、該当する場合は「給与所得者の配偶者控除等申告書」に記載してもらいます。
私としては、まず健康保険の被扶養者異動届と国民年金第3号被保険者の手続きを確認し、失業給付の受給開始時に扶養資格を再確認する運用をお勧めいたします。
以上です。よろしくお願いいたします。

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