相談内容
投稿
工具代の天引きについて
職人さんが使う電動工具の扱いで迷っています。当社は新潟の建設会社で、内装工事が中心、従業員は60名です。昔からのやり方で、インパクトや丸ノコなどは会社がまとめて買い、分割で職人さんの日当から少しずつ引いています。本人の物になるので、それでいいと思っていました。ところが、最近入った若い人から「給料から勝手に引かれている」と言われてしまいました。入るときに口では説明しているはずなのですが、書いたものは何もありません。給料から何かを差し引くのに、決まりのようなものがあるのでしょうか。辞めるときに残りの分をどうするかも、これまでは成り行きでした。
あさぎりさんの相談
新潟県/建設・不動産
自社の場合も専門家に
相談してみませんか?
この相談内容を参考に、自社の状況に合わせて
質問できます。
専門家からの回答
投稿
人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。
結論から申し上げますと、事業主が労働者の同意を得て工具代の分割返済分を給与から控除している場合であっても、事前の労使協定が締結されていない場合は労働基準法第24条第1項の「全額払の原則」に違反します。また、退職時の一括控除についても事前の合理的な合意や明確な定めがなければ無効とされる可能性が高いです。
■賃金の直接払・全額払の原則と労使協定
労働基準法第24条第1項では、賃金は原則としてその全額を通貨で直接労働者に支払わなければならないと定めています。税金や社会保険料などの法令に基づく控除以外の費目を給与から差し引く(天引きする)ためには、事業場の労働者の過半数を代表する者との間で「賃金控除に関する労使協定」を締結する必要があります。口頭での説明や本人の同意があったとしても、労使協定を欠いている以上、法令違反のリスクを負うことになります。
■労働条件明示と合意の立証
労働基準法第15条第1項に基づき、労働契約締結時には賃金の計算・支払方法や労働者負担となる作業用品等の事項を書面等で明示しなければなりません。また、判例上も賃金控除や相殺に関する労働者の合意については、労働者の自由な意思に基づいてされたものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在することが厳格に要求されます。 口頭説明のみで書面による確認がない場合、新規採用者から「勝手に引かれている」と主張された際に、会社側が正当な合意の存在を証明することはきわめて困難です。
■退職時における残額処理の取り扱い
退職時に未払いの工具代残額を最終給与から一括して控除することも、原則として全額払の原則に抵触します。最高裁判所の判例においても、労働者の自由な意思に基づく自発的な同意や、あらかじめ退職時の清算方法について明確な合意が存在しない限り、使用者が一方的に賃金債権と自社の債権を相殺することは認められません。成り行きで処理することはトラブルの要因となるため、退職時の精算方法について明確なルール化と事前の合意書面が必要です。
以上雑駁な回答ですがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。
自社の条件ではどうなる?
専門家に個別相談できます
- 自社の状況に合わせた具体的なアドバイス
- 実務に詳しい専門家が回答
- 匿名で相談できるから安心




