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エンジニアの副業解禁と労働時間の通算管理、割増賃金の考え方について

従業員50名規模のIT企業で人事労務を担当しています。エンジニアの採用競争が厳しく、定着策の一環として副業の解禁を検討中です。想定されるのは週末の個人受託や他社での開発支援ですが、副業先と雇用契約を結ぶ場合は労働時間を通算し、割増賃金の負担が生じると聞きました。本人からの申告に基づく労働時間の把握方法や、いわゆる管理モデルの活用、業務委託の形であれば通算が不要になるのかを知りたいです。あわせて、長時間労働による健康障害や情報漏えいの防止など、副業許可基準に盛り込むべき項目についても、一般的な考え方を伺えますでしょうか。

おちゃっぱさんの相談

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
副業を解禁する場合、まず「雇用による副業」と「業務委託による副業」を分けて考えることが重要です。
副業先とも雇用契約を締結する場合、労基法38条1項により、原則として異なる使用者の下での労働時間も通算します。例えば本業で1日8時間勤務した後に副業先で2時間勤務すれば、原則として後から労働契約を締結した副業先での2時間が法定時間外となり、割増賃金の問題が生じます。
実務上は、本人から(1)副業先の事業内容、(2雇用・業務委託の別、(3)所定労働日・時間、(4)実労働時間等を申告してもらい、それを基礎に通算管理する方法が基本です。厚生労働省も届出様式例を公表しています。
ただ、毎月双方の実労働時間を把握するのは負担が大きいため、**「管理モデル」**の活用も有効です。これは、本業先(先に契約した使用者)の法定外労働時間と、副業先(後から契約した使用者)の労働時間について、あらかじめ一定の上限を設定する方法です。その範囲内で勤務する限り、開始後に相手方の実労働時間を逐一把握しなくても管理できる仕組みです。
一方、個人受託など**真正な業務委託・フリーランスであれば、原則として労基法上の労働時間通算の対象にはなりません。**ただし、契約書を「業務委託」としていても、実態として相手方の指揮命令を受け、勤務時間・場所を拘束されるなど「労働者」と判断される場合には、労基法が適用される可能性があります。契約名称だけで判断しないことが重要です。
副業規程については、全面的な許可制というより、届出・承認制として、会社が一定の場合に制限できる仕組みが実務的でしょう。厚労省のモデル就業規則も副業・兼業を前提とした規定を設けています。
許可・制限基準としては、(1)本業に支障を及ぼす長時間労働・睡眠不足、(2)健康確保上の問題、(3)会社の秘密情報・個人情報・ソースコード等の漏えい、(4)競業企業での就業、(5)会社の信用・名誉を害する行為、(6)利益相反、(7)本業の労務提供に支障を生じる場合、などを定めておくことをお勧めします。
特にエンジニアの場合、労働時間だけでなく、情報セキュリティ、知的財産権、競業・利益相反を重点的に規定し、「副業届→会社確認→定期的な労働時間申告→健康状態等に問題があれば副業時間の縮減・停止」という運用まで整備しておくとよいでしょう。
以上です。よろしくお願いいたします。

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