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車通勤の手当の決め方

職員のほとんどが車で通勤しています。静岡の郊外でデイサービスを2拠点やっていて、職員は28名、バスもあまり走っていない場所です。通勤手当は、前の事務の人が決めた金額を、距離に関係なく全員に同じ額で払っています。最近ガソリン代が上がって、遠くから来ている職員から「近い人と同じなのは不公平では」と言われてしまいました。距離に応じて決め直したいと思っているのですが、何キロごとにいくら、というような決まった基準があるのでしょうか。税金がかからない金額の上限のようなものがあると聞いたこともありますが、うろ覚えです。途中で金額を下げる人が出ることになるので、それも問題ないのか気になっています。

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山口 光博

リモートワークスコンサルティング合同会社

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人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。

結論から申し上げますと、マイカー通勤者の通勤手当について、走行距離に応じた距離別の支給基準を新たに設定すること、税法上の非課税限度額をひとつの目安とすること、および変更に伴い手当額が減額となる職員が発生することのいずれも、適切な手続きを踏むことで法的に可能です。

■ マイカー通勤手当の決定基準と非課税上限
労働基準法上、通勤手当の支給要件や計算方法に関する直接の規定はなく、支給の有無や金額の設定は原則として労使の自由に委ねられています。そのため、片道走行距離に応じて区分を設定し、手当額を決定する基準を設けることは全く問題ありません。

実務上の目安として広く活用されているのが所得税法における非課税限度額です。自家用車やバイク等の交通用具を使用する場合、片道の通勤距離に応じて以下の通り月額の非課税限度額が細かく定められています。

・片道2km未満:全額課税
・片道2km以上 10km未満:4,200円
・片道10km以上 15km未満:7,300円
・片道15km以上 25km未満:13,500円
・片道25km以上 35km未満:19,700円
・片道35km以上 45km未満:25,900円
・片道45km以上 55km未満:32,300円
・片道55km以上 65km未満:38,700円
・片道65km以上 75km未満:45,700円
・片道75km以上 85km未満:52,700円
・片道85km以上 95km未満:59,600円
・片道95km以上:66,400円

この非課税枠の区分を参考に「〇キロメートル以上〇キロメートル未満は〇〇円」といった基準を作成すると、税制上の優遇措置を無駄にせず、公平性の高い支給規定を整備することができます。なお、非課税限度額を超える金額を手当として支給することも企業側の一任により可能ですが、その超える部分の金額については給与として課税対象となります。

■ 不利益変更に関する法的な取り扱い
距離別基準の導入に伴い、近距離通勤の職員など従来の全額一律支給よりも手当額が下がる職員が出てくる場合、労働条件の不利益変更に該当します。労働契約法第9条および第10条の規定により、就業規則や賃金規程の変更によって労働者に不利益となる労働条件の変更を行う場合は、原則として対象となる労働者の個別の同意を得るか、変更に合理的な理由が存在し、変更後の規則を十分に周知させることが求められます。

手当改定の合理性を確保するためには、変更の必要性、改定内容の相当性、不利益を受ける職員への配慮措置などを総合的に考慮する必要があります。確かに本件においては、ガソリン価格の高騰と近距離・遠距離間の不公平感解消という明白で合理的な変更理由が存在しますが、一方で急激な減額による影響を緩和するため、一定の経過措置(例えば、減額対象者に対して数ヶ月間の猶予期間を設ける、または段階的に減額する等の措置)を導入し、あらかじめ全職員へ丁寧な理由説明と周知を行うことが実務上必要であると考えます。

以上、長文となりましたがご参考になれば幸いです。
どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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