相談内容

人事管理
解決済み

投稿

オペレーターが他社コールセンターで副業、情報漏えいを理由に禁止できますか

副業の申請への対応で判断に迷っています。当社は福岡でコールセンター事業を行う会社で、従業員は約250名です。最近、夜間や土日に他社のコールセンターで在宅オペレーターとして働きたいという申請が、パートを中心に増えてきました。当社は副業を届出制で認めていますが、同業他社となると、受託している案件の内容や応対マニュアル、顧客情報が漏れないか心配です。一方で一律に禁止すると、時給の高い他社へ人が流れてしまうおそれもあります。同業他社での副業を理由に不許可とすることはできるのでしょうか。認める場合に誓約書へ盛り込むべき内容や、労働時間の通算の確認方法もお聞きしたいです。

ななめさんの相談

福岡県/流通・小売・サービス

自社の場合も専門家に
相談してみませんか?

この相談内容を参考に、自社の状況に合わせて
質問できます。

この内容をもとに相談する

専門家からの回答

井上 久のプロフィール画像

井上 久

井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

投稿

ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問の件ですが、結論から申し上げますと、同業他社のコールセンターで副業することを理由に、一律に禁止することは慎重に判断する必要があります。
ただし、顧客情報の漏えい、営業秘密の流出、競業による会社の利益侵害など、具体的なリスクが認められる場合には、副業を制限または禁止することが可能です。
1. 同業他社での副業を禁止できるか
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働者の勤務時間外の活動は基本的に自由である一方、次のような場合には副業を制限できるとしています。
1. 労務提供上の支障がある場合
2. 業務上の秘密が漏えいする場合
3. 競業により自社の利益が害される場合
4. 自社の名誉や信用を損なう行為等がある場合
今回のように、同業他社で在宅オペレーターとして勤務する場合、顧客情報や応対マニュアルなどの流出リスクが考えられます。
しかし、同業他社であるという理由だけで直ちに禁止するのではなく、副業先の業務内容、取り扱う情報、競合関係、情報管理体制などを個別に確認することが重要です。
例えば、同じ委託元企業の案件を取り扱う場合や、競合する案件の営業秘密に接する場合には、副業を制限する合理的な理由となり得ます。
2. 認める場合の誓約書について
副業を認める場合には、次の事項を誓約書に盛り込むことをお勧めします。
1. 顧客情報、個人情報、応対マニュアル等を副業先に開示しないこと。
2. 業務資料やデータを私物端末に保存、複製、持ち出ししないこと。
3. 自社の顧客や取引先の利益を不当に侵害する行為をしないこと。
4. 副業先の業務内容や勤務時間に変更があった場合は速やかに届け出ること。
5. 情報漏えい等の問題が発生した場合は直ちに報告すること。
6. 本業に支障が生じた場合には、副業の制限や中止について会社と協議すること。
なお、誓約書だけで情報漏えいを完全に防止できるわけではありませんので、アクセス権限の管理や情報持ち出し防止策も重要です。
3. 労働時間の通算について
副業先でも雇用契約に基づいて勤務する場合、労働基準法第38条第1項により、原則として両社の労働時間を通算する必要があります。
例えば、自社で週30時間、副業先で週15時間勤務する場合、合計45時間となります。
ただし、割増賃金の支払義務は、労働契約の締結順序や実際の所定外労働の発生順序などによって判断します。
実務上は、従業員から副業先の所定労働時間、勤務日、実労働時間等を申告してもらい、毎月確認する方法が考えられます。
また、厚生労働省が示す「管理モデル」を利用すれば、労使双方の負担を軽減することも可能です。
4. 実務上の対応について
今回のケースでは、同業他社であることのみを理由に一律禁止するのではなく、個別審査による条件付き容認を基本とすることをお勧めします。
特に、競合案件への従事や顧客情報の取扱いなど、具体的な情報漏えいリスクが高い場合には、副業先で担当する案件の変更を求めるなど、必要な範囲で制限することが考えられます。
人材確保の観点からも、合理的な基準を設け、従業員に説明できる制度とすることが重要です。
以上です。よろしくお願いいたします。

自社の条件ではどうなる?
専門家に個別相談できます

  • 自社の状況に合わせた具体的なアドバイス
  • 実務に詳しい専門家が回答
  • 匿名で相談できるから安心
自社について相談する

投稿

人事・労務の相談室をご利用くださりありがとうございます。

■同業他社での副業に対する不許可の可否
最高裁判所の判例や...

活躍している
専門家ランキング