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治療と仕事の両立支援が努力義務化、通院しながら働くパートへの配慮はどこまで?
当社は福岡のコールセンター(従業員約250名)で、オペレーターは40〜50代のパート社員が中心です。最近、がんの治療で定期的に通院しながら勤務を続けたいという申出が続き、シフトの組み方や業務量の調整を個別対応でしのいでいる状態です。2026年4月から治療と仕事の両立支援が企業の努力義務になったと聞きましたが、努力義務とは具体的にどの程度の対応が求められるのでしょうか。通院のための休暇や短時間勤務の制度を新設すべきか、主治医との情報連携にどこまで踏み込んでよいのかも判断がつきません。指針を踏まえて優先的に整備すべきことを教えてください。
ななめさんの相談
福岡県/流通・小売・サービス
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご認識のとおり、2026年4月1日から改正労働施策総合推進法により、事業主には「治療と就業の両立支援」に必要な措置を講ずることが努力義務となりました。パート・有期契約社員を含め、雇用形態にかかわらずすべての労働者が指針の対象です。
もっとも、「努力義務」は、通院休暇や短時間勤務を必ず新設しなければならないという意味ではありません。会社の実情に応じて、治療を続けながら就業できる環境・制度を整備し、本人から申出があった場合には個別事情に応じた就業上の措置・配慮を検討することが求められます。
今回のようなコールセンターでは、まず次の対応を優先するとよいでしょう。
(1)相談窓口と社内手順を決める
「誰に相談するのか」「誰が健康情報を扱うのか」「上司・人事・産業医等がどう連携するのか」を明確にします。併せて、会社として両立支援に取り組む方針を周知し、管理職にも教育しておくことが望まれます。
(2)利用できる休暇・勤務制度を整理する
指針では、時間単位年休、傷病・病気休暇、時差出勤、短時間勤務、在宅勤務等が例示されています。すべてを導入する義務はありませんが、定期通院が多い職場であれば、時間単位年休(労使協定が必要)や通院目的の休暇、短時間勤務・シフト変更などから、自社で継続可能な制度を整備するとよいでしょう。
(3)主治医との情報連携は本人を中心に行う
会社が主治医から病歴等を広範に収集するのではなく、本人の同意を前提として、「就業可能か」「避けるべき業務」「勤務時間の制限」「通院頻度」など、就業上必要な範囲の情報を取得することが基本です。産業医がいる場合は、産業医を介した情報のやり取りが望ましいとされています。厚生労働省は主治医への勤務情報提供書や主治医意見書の様式例も用意しています。
(4)個別の「両立支援プラン」を作る
例えば「抗がん剤治療日の翌日は短時間勤務」「月2回の通院日は時間単位年休」「3か月後に見直す」など、措置の内容と期間、フォローアップ時期を明確にします。病状は変化するため、恒久的な特別扱いとせず、定期的に見直すことがポイントです。
したがって、努力義務だからといって会社が無制限に本人の希望を受け入れる必要はありません。安全・健康の確保を前提に、治療上必要な配慮と、業務運営への影響を個別に検討し、実施可能な措置を講じるという考え方になります。
御社では、現在の個別対応をそのまま続けるより、これを機に「相談窓口→主治医等の意見確認→両立支援プラン作成→シフト等の配慮→定期的な見直し」という共通ルールを作ることをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。

