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労務・労務安全衛生
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一人で配送先を回るドライバーへのカスハラ対策、2026年10月義務化への備えは

2026年10月のカスタマーハラスメント対策義務化に向けた体制づくりについてお聞きします。物流会社(従業員120名)で労務を担当しており、当社のドライバーは納品先の企業や個人宅へ基本的に一人で伺います。現場では長時間の待機の強要や理不尽な叱責を受けても、上司がその場におらず一人で耐えているのが実情で、店舗のように組織で対応できる業態とは事情が異なります。社外で一人働く従業員をカスハラから守るには、どのような社内ルールや相談体制を整えればよいのでしょうか。その場を離れてよい基準や報告の仕組みなど、整備のポイントについてアドバイスをお願いいたします。

さんとてさんの相談

埼玉県/流通・小売・サービス

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法によりカスタマーハラスメント対策が全事業主に義務化されます。厚生労働省は宅配業向けの業種別マニュアルも公表しており、物流・配送業では、「一人で訪問するドライバーに現場判断を丸投げしない仕組み」が特に重要です。
まず会社として、「正当な苦情には適切に対応するが、暴言・威圧、長時間拘束、不当な謝罪要求、土下座要求、暴力・脅迫等には組織として毅然と対応し、従業員を守る」という基本方針を明文化し、ドライバーと管理者双方に周知する必要があります。厚労省の指針でも、対応方針をあらかじめ定め、可能な限り一人で対応させないこと、本社等へ情報共有して指示を仰ぐこと、犯罪に該当し得る場合には警察へ通報すること等が示されています。
配送現場では特に、「その場を離れてよい基準」を具体化することをお勧めします。例えば、(1)暴力・物を投げる等の身体的危険がある、(2)脅迫・著しい暴言が続く、(3)土下座等の不当要求を受ける、(4)合理的理由のない長時間の拘束・待機を強要される、(5)ドライバー本人が身の危険を感じる、といった場合には、「対応を中止し、安全な場所へ退避して上司へ連絡する」と定めます。生命・身体に危険が迫る場合は、上司の許可を待たず退避し、必要に応じ110番通報できる運用が適切です。
報告体制も、帰社後の報告だけでは不十分です。例えば、「現場→営業所責任者・配車担当→本社担当部署」という緊急連絡ルートを決め、電話・業務用スマートフォン等ですぐ相談できるようにします。報告フォームには、日時、配送先、相手方、言動・要求内容、対応時間、目撃者、録音・ドラレコ等の記録の有無、本人への影響などを記録すると、その後の事実確認や再発防止に役立ちます。
さらに、悪質な配送先については、担当ドライバー個人に再対応させず、「管理職が対応する」「複数名で訪問する」「配送方法を変更する」「取引先企業に改善を申し入れる」等の段階的措置を決めておくことも重要です。
会社には、相談窓口の設置、迅速な事実確認、被害を受けた従業員への配慮、再発防止、相談者のプライバシー保護、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止等も求められます。
したがって物流会社では、一般的なカスハラ規程だけでなく、「ドライバー用現場対応フロー」を1枚程度で作成し、(1)対応継続、(2)上司へ連絡、(3)対応中止・退避、(4)警察等への通報、の判断基準を明示することが実効性のある対策になるでしょう。厚労省の宅配業向けマニュアルも参考になります。
以上です。よろしくお願いいたします。

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