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労基法改正を見据えた役職見直しとリスクについて
製造業で労務責任者を務めております。2班2交替勤務の現場にて、製造課長(管理監督者として時間外手当非支給)が欠員補充や設備トラブル対応で深夜勤務・休日出勤を余儀なくされ、労働時間が月100時間を超える事態が発生しています。労働組合から「経営者と一体的立場とは言えず名ばかり管理職だ」と指摘されました。将来の勤務間インターバル義務化や連続勤務上限規制の法改正議論を見据え、現行の管理監督者性の法的否認リスクと、役職・権限の再定義および労務管理の判断基準をご教授ください。
こまち77さんの相談
愛知県/メーカー
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご相談のケースでは、製造課長を管理監督者として取り扱い続けられるかを、実態に基づいて改めて検証することが重要です。
労働基準法上の管理監督者(労基法第41条)は、役職名ではなく実態で判断されます。裁判例では、(1)経営方針の決定等に関与する重要な権限があるか、(2)勤務時間について大きな裁量があるか、(3)地位にふさわしい待遇(役職手当・基本給・賞与等)が確保されているか、といった事情を総合的に判断しています。
ご相談のように、現場の欠員補充や設備トラブル対応のため、自ら交替勤務に入り、深夜勤務や休日出勤を繰り返し、月100時間を超える長時間労働となっている場合は、「経営者と一体的な立場」というより、現場管理者として勤務している実態が強いと評価される可能性があります。その場合、管理監督者性が否定され、過去に遡って時間外・休日・深夜割増賃金の支払いを求められるリスクがあります。
また、現時点では勤務間インターバル制度は努力義務ですが、今後は導入促進や規制強化が議論されており、長時間・連続勤務の是正は重要な経営課題となっています。管理監督者であっても、会社には労働安全衛生法に基づく健康確保義務や労働契約法上の安全配慮義務があり、過重労働を放置することは望ましくありません。
そのため、実務上は次の点を見直すことをお勧めします。
製造課長が経営判断や人事・予算等についてどの程度の決裁権限を有しているか整理する。
出退勤や休日取得を本人が実質的に裁量できているか確認する。
役職手当・年収が一般社員と比較して管理監督者にふさわしい水準か検証する。
欠員補充を課長自身が担う運用を見直し、応援要員や代務者を確保する。
深夜・休日対応を特定者へ集中させず、当番制や複数管理職による分担体制を構築する。
これらを検証した結果、管理監督者性が十分とはいえない場合は、「管理監督者」ではなく、時間管理を行う管理職へ制度を見直し、時間外・休日割増賃金を支給する運用へ移行することも有力な選択肢です。
今後の法改正の有無にかかわらず、管理監督者の該当性は「役職名」ではなく「権限・裁量・待遇・勤務実態」の総合判断となります。特に月100時間を超えるような長時間労働が常態化している場合は、管理監督者性だけでなく健康管理上のリスクも極めて高いため、役職・権限の再整理と勤務体制の見直しを早期に進めることが、労務リスクの低減につながると考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。

