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労務・法令遵守
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アルバイトのSNS不適切投稿(バイトテロ)を防ぐ服務規律と誓約書の整備

先日、同業他社で厨房での悪ふざけ動画がSNSで拡散し炎上する騒ぎがあり、店長会議で「当社は大丈夫か」と話題になりました。大阪府内を中心に飲食店を展開する会社(従業員420名)の人事担当です。当社は学生アルバイトが多いのですが、就業規則にSNS投稿に関する具体的な定めはなく、採用時の誓約書も取っていません。服務規律や誓約書にはどのような内容を盛り込むべきでしょうか。また、実際に不適切な投稿が起きてしまった場合、懲戒処分や損害賠償請求は一般的にどこまで可能なのか、日頃の教育方法と併せてご教示ください。

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専門家からの回答

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井上 久

井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問のケースでは、学生アルバイトを含む全従業員を対象に、「就業規則によるルール化+誓約書+継続的な教育」の3点をセットで整備することをお勧めします。厚生労働省も、就業規則の服務事項・禁止事項や懲戒基準に情報管理義務と違反時の取扱いを定め、対象となる情報をできるだけ具体化することがトラブル防止に有効としています。
1.服務規律に盛り込む事項
単に「会社に不利益となるSNS投稿を禁止する」だけではなく、次のように具体化するとよいでしょう。
(1)勤務中に、業務上必要な場合を除き、スマートフォン等で店内・厨房・従業員・商品等を撮影、録音しないこと
(2)会社の許可なく、店内、厨房、バックヤード、調理工程、商品、顧客、従業員等の画像・動画・情報をSNS等に投稿・配信しないこと
(3)顧客・従業員の個人情報、営業秘密、社内情報を公開しないこと
(4)会社、店舗、顧客等の信用・名誉を害する投稿をしないこと
(5)自ら投稿するだけでなく、第三者への画像提供、転載、ライブ配信等も禁止すること
(6)退職後も個人情報・営業秘密等の守秘義務を負うこと
併せて、懲戒規定にも「SNS等への不適切な投稿により会社の信用を著しく毀損したとき」などを懲戒事由として明記します。就業規則を変更した場合、常時10人以上の事業場では労基署への届出も必要です。
2.誓約書について
採用時に「SNS・情報管理に関する誓約書」を提出させることは有効です。ただし、「違反した場合は100万円を支払う」など、あらかじめ違約金や損害賠償額を定めることは労基法16条に抵触します。
「故意・重大な過失によって会社に損害を与えた場合には、法令に従い責任を負うことがある」程度にとどめるのが適切です。
3.実際にバイトテロが発生した場合
懲戒処分は可能ですが、投稿したら直ちに懲戒解雇というわけではありません。投稿内容、故意性、拡散規模、会社への損害、本人の反省、過去の処分例等を踏まえ、処分の相当性を判断します。
損害賠償も、現実に発生した損害について請求すること自体は禁止されていません。 ただし、店舗休業、廃棄費用、信用毀損などをすべて当然にアルバイト本人へ全額請求できるわけではなく、因果関係や本人の責任の程度等から慎重な判断が必要です。
4.最も重要なのは予防教育です
採用時研修だけでなく、半年~1年ごとの短時間研修、店長からの定期的な注意喚起が効果的です。「鍵付きアカウントでも拡散する」「24時間で消える投稿でも保存される」「友人に送った動画も公開され得る」など、学生にも分かりやすい具体例を用いることが重要です。
特に飲食店では、「厨房・バックヤードでは私物スマホによる撮影を原則禁止」というシンプルな現場ルールまで落とし込み、就業規則・誓約書・研修内容を一致させておくことをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。

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