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106万円の壁撤廃で工場パートが社会保険加入へ、キャリアアップ助成金は大企業も対象ですか
愛知県内に複数の工場を持つ製造業(従業員約1000名)の労務責任者です。組立や検査の工程では扶養内で働くパート従業員が多く、2026年10月の適用拡大では週20時間以上で働く約80名が新たに社会保険へ加入する見込みです。手取りの減少を心配する声が強く、手当の支給や時給の引き上げで処遇改善を図りたいのですが、キャリアアップ助成金の社会保険適用時処遇改善コースは当社のような大企業でも利用できるのでしょうか。社会保険適用促進手当の扱いと併せて、活用する場合の一般的な注意点を教えてください。
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専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
結論から申し上げると、2026年10月に新たに社会保険へ加入する方については、「社会保険適用時処遇改善コース」ではなく、現在は「短時間労働者労働時間延長支援コース」を検討することになります。大企業も対象です。
まず、いわゆる「106万円の壁」の原因となっている月額8.8万円以上という賃金要件は、2026年10月に撤廃予定です。御社は約1,000名ですから企業規模要件は既に満たしており、原則として週所定労働時間20時間以上、2か月を超える雇用見込み、学生でないこと等を満たすパートは加入対象になります。
助成金は大企業も利用可能。ただしコースに注意
従来の「社会保険適用時処遇改善コース」は、2026年3月31日までに新たに社会保険を適用して収入増加の取組を行った場合が対象です。2026年4月1日以降の新規加入について厚労省は、「短時間労働者労働時間延長支援コース」の活用を案内しています。
この新コースは大企業も対象で、例えば1年目は、週所定労働時間を「5時間以上延長」、または「4時間以上5時間未満+基本給5%以上増額」等の要件を満たせば、大企業は1人30万円です。2年目にも一定の追加措置を行えば、大企業は15万円が設定されています。したがって80名全員が自動的に助成対象になるのではなく、単に2026年10月の制度改正によって週20時間以上の人を社会保険に加入させるだけでは足りず、労働時間延長等の要件を満たす必要があります。
社会保険適用促進手当は別に検討
社会保険適用促進手当は、社会保険加入による本人負担を軽減するため会社が任意に支給するものです。本人負担の社会保険料相当額を上限として、最大2年間、標準報酬月額・標準賞与額の算定から除外できる特例があります。ただし所得税・住民税や労働保険料まで非課税・算定除外になる制度ではなく、毎月支給する場合は原則として割増賃金の算定基礎にも入る点に注意が必要です。
御社では80名について、(1)現在の週所定労働時間、(2)2026年10月以降の希望労働時間、(3)必要な賃上げ率、(4)助成対象になる人・ならない人、(5)社会保険加入後の手取り額、を個人別にシミュレーションするのがよいでしょう。
また、助成金は取組前のキャリアアップ計画書の提出など手続要件があります。80名規模なら、制度変更後にまとめて判断するのではなく、愛知労働局に事前確認したうえで処遇設計を固めることをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。
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