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チャットサポートへの暴言もカスハラ?2026年10月義務化に向けたIT企業の対応

自社でクラウドサービスを開発・提供しているIT企業(東京・従業員50名)の労務担当です。カスタマーサポートは電話ではなくメールとチャットが中心ですが、一部の利用者から人格を否定するような暴言や深夜まで続く執拗な返信要求があり、担当者名を挙げてSNSに投稿されたこともあって、サポート担当が疲弊しています。2026年10月からカスタマーハラスメント対策が義務化されると聞きましたが、こうした非対面のテキストでのやり取りも対象になるのでしょうか。対応を打ち切ってよい基準の作り方、やり取りのログの保存、担当者を守る体制整備など、何から準備すべきか教えてください。

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井上 久

井上久社会保険労務士・行政書士事務所 代表

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
はい。メール、チャット、SNSなど非対面・オンライン上の言動もカスタマーハラスメント(カスハラ)の対象になり得ます。 2026年10月1日から、企業規模を問わずカスハラ防止のための雇用管理上の措置が事業主に義務付けられます。厚生労働省の指針も、電話やSNS等のインターネット上で行われるものを明確に対象に含めています。
カスハラに該当するのは、(1)顧客等の言動で、(2)業務の性質等に照らして社会通念上許容される範囲を超え、(3)労働者の就業環境を害するもの、という3要件を満たす場合です。したがって、正当な不具合の指摘や厳しい苦情まで一律にカスハラとはできませんが、人格否定・侮辱、脅迫、著しく執拗な要求、長時間の拘束、SNSでの従業員への攻撃等は該当する可能性があります。
御社の場合、まず「担当者が我慢して返信し続ける」運用をやめ、次のような社内基準を作ることが重要です。
対応継続・上司移管・対応終了の3段階を設定する。
通常の苦情は対応を継続する一方、暴言や同一要求の反復等は上司へ移管し、「これ以上同様の言動が続く場合は対応を終了します」と警告する。それでも継続する場合は対応終了、アカウント制限等を検討します。脅迫など犯罪に該当し得る場合は警察への相談も想定します。厚労省指針も、悪質なカスハラへの対処方針をあらかじめ定め、対応できる体制を整備することを求めています。
チャット・メールのログを証拠として保存する。
日時、顧客ID、発言内容、担当者、会社側の回答、警告・対応終了の経緯を保存します。保存期間や閲覧権限も社内ルール化するとよいでしょう。SNS投稿についても、削除される可能性があるためURL・日時が分かる形でスクリーンショット等を保存します。
担当者を一人にしない仕組みにする。
一定回数以上の執拗な返信、人格攻撃、SNSへの晒し等があれば、担当者の判断だけで抱え込ませず、SV・人事・法務等へエスカレーションします。担当変更、一時的な業務離脱、メンタル面への配慮も必要です。
施行までには、(1)カスハラ対応方針、(2)判断・対応マニュアル、(3)相談窓口、(4)エスカレーション基準、(5)ログ保存ルール、(6)悪質事案への対応方針、(7)従業員研修を整備しておくことをお勧めします。
特にIT企業では、「電話で怒鳴られていないからカスハラではない」という認識を改め、テキストだからこそ証拠を残し、組織的に対応する仕組みを作ることがポイントです。
以上です。よろしくお願いいたします。

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