相談内容
投稿
試用期間中の欠勤が多い社員への対応について
小規模の会社で総務を担当しています。今年入社した試用期間中の社員に体調不良による欠勤が目立ち、本採用の判断に迷っています。試用期間の延長や本採用見送りを検討する場合、法的にどのような点に注意すべきでしょうか。一般的な考え方を教えてください。
おちゃっぱさんの相談
東京都/IT・インターネット
他の専門家からの回答
投稿
ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
試用期間は、一般に「従業員としての適格性を判断するため、会社が一定の解約権を留保した労働契約」と考えられています。そのため、試用期間中だから自由に本採用を拒否できるわけではありません。本採用拒否は法的には「解雇」に当たり、客観的に合理的な理由と社会通念上の相当性が必要です(労働契約法16条)。
今回のように体調不良による欠勤が多い場合も、「欠勤が多い」という事実だけで直ちに本採用拒否とするのは慎重に考える必要があります。まず、(1)欠勤日数・頻度、(2)欠勤理由、(3)診断書等の提出状況、(4)今後継続して通常勤務できる見込み、(5)欠勤による業務への具体的な支障、(6)本人への注意・面談・改善機会の付与などを総合的に確認することが重要です。
特に、本人と面談し、「現在の健康状態」「今後安定して勤務できる見込み」などを確認したうえで判断することをお勧めします。必要に応じて、本人の同意を得て診断書等により就業可能性を確認する方法も考えられます。
一方、試用期間の延長については、会社が自由に行えるものではありません。就業規則や雇用契約書に「必要がある場合は試用期間を延長することがある」などの根拠規定があるかを確認してください。そのうえで、当初の試用期間では欠勤が多く、勤務状況・能力・適格性を十分に判断できなかった等の合理的な理由があれば、一定期間延長することは考えられます。延長する場合は、理由と延長期間を本人に説明し、書面で通知しておくことが望ましいでしょう。
本採用を見送る場合には、就業規則の本採用拒否・解雇事由に該当するかを確認するとともに、単に「体調不良だから」ではなく、欠勤状況等からみて、今後も労働契約上求められる勤務を安定的に行うことが困難であると客観的に判断できるかがポイントになります。試用期間中であっても解雇権濫用法理が適用されます。
実務上は、いきなり本採用拒否とするより、まず本人との面談→勤務継続の見通しの確認→必要に応じ試用期間延長→改善状況を記録、という段階を踏むことが、後日のトラブル防止の観点から適切と考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。