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アルバイトに増える給与デジタル払いの希望、導入手順と労使協定の注意点
大阪で飲食店を運営する会社(従業員420名)の人事担当です。アルバイト約300名の多くは10〜20代で、最近の採用面接では「給与をスマホ決済アプリで受け取れますか」と聞かれることが増えました。銀行口座への振込にこだわらない若手が多く、賃金のデジタル払い(資金移動業者の口座への支払い)の導入を検討し始めています。導入には労使協定の締結や本人への説明と同意書が必要と聞きましたが、具体的にどのような手順で進めればよいのでしょうか。希望しない従業員に強制できないことや口座残高の上限額など、制度上の注意点もあわせて解説いただけると助かります。
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専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
賃金のデジタル払いは、2023年4月から制度上可能となっていますが、会社が任意のスマホ決済サービスへ給与を振り込めるわけではありません。厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者のサービスに限られます。
導入手順は、次のように整理するとよいでしょう。
指定資金移動業者を選定する
厚生労働省の「指定資金移動業者一覧」から、利用するサービスを選びます。複数を選ぶことも可能です。手数料、残高上限、払出方法、給与システムとの連携などを比較します。
労使協定を締結する
事業場ごとに、過半数労組がなければ適正に選出された過半数代表者との労使協定が必要です。協定には、(1)対象労働者の範囲、(2)対象となる賃金の範囲・金額、(3)利用する指定資金移動業者の範囲、(4)実施開始時期を定めます。必要に応じ、就業規則・給与規程も見直します。
従業員へ制度を説明する
デジタル払いはあくまで選択肢です。会社は、銀行口座等による受取りも選べることを示したうえで、口座の資金が「預金」ではないこと、残高上限、払出方法、破綻時の保証など所定の留意事項を説明します。
希望者から個別同意を取得する
労使協定だけでは足りず、本人の同意が必要です。同意書には、デジタル払いを希望する賃金の範囲・金額、サービス名・口座情報、開始希望時期、残高超過時等に使用する「指定代替口座」の情報などを記載してもらいます。
特に重要なのは、アルバイトだからといってデジタル払いを強制できないことです。希望しない人は従来どおり銀行振込等を選択でき、デジタル払いから銀行振込等へ後日変更することもできます。また、「給与全額」ではなく、例えば月3万円だけデジタル払い、残額は銀行振込という方法も可能です。
なお、「残高上限は一律100万円」と考えないよう注意が必要です。実際の受入上限額は指定サービスごとに設定されており、例えば厚労省公表資料では20万円、10万円などのサービスがあります。上限を超える場合には、指定した銀行口座等へ自動送金する仕組みがあります。
御社のようにアルバイトが約300名いる場合、最初から全員を対象にするより、希望者のみ・給与の一部のみで試行し、給与計算や退職時の処理を確認してから拡大する運用が現実的でしょう。
以上です。よろしくお願いいたします。
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