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荷待ち時間は労働時間になりますか?ドライバーの手待ち時間と賃金の考え方

埼玉で運送と倉庫の2部門を営む物流会社(従業員120名)で労務を担当しています。取引先の物流センターでの荷待ちが常態化しており、到着から荷降ろしまで1〜2時間待たされることが珍しくありません。デジタコには待機として記録が残るのですが、当社の賃金は走行と荷役作業を基準に計算しており、待っている時間の扱いを整理できていません。ドライバーからは「車内で待たされている間は自由に動けないのに賃金が出ないのはおかしい」との声が上がっており、他方で現場の管理者は「実際は仮眠している者もいる」と言います。荷待ちや荷役の時間は労働時間として賃金の支払いが必要でしょうか。休憩として扱える場合との線引きや、待機が長引いたときの拘束時間の管理で気をつける点についてもご教示ください。

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小川 宏太朗

小川社会保険労務事務所 代表

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取引先物流センターでの1~2時間の荷待ちについて、ドライバーが車内等で待機し、呼出しがあれば直ちに荷役・車両移動等に対応する必要があり、自由にその場を離れられないのであれば、原則として労働時間(手待時間)と考えるべきです。 厚生労働省も、トラック運転者について、使用者の指示があれば即時に業務に従事することを求められ、労働から離れることが保障されていない待機は労働時間としています。
したがって、現在の「走行・荷役だけを賃金計算の対象とし、荷待ちは無給」という運用は、実態が上記のような待機であれば、未払賃金・割増賃金・最低賃金違反につながる可能性があると思います。

●荷待ちと仮眠と休憩の線引き
労働時間かどうかは名称ではなく使用者の指揮命令下にあるかで客観的に判断します。昭和33年10月11日基収6286号でも貨物積込みまでの手待時間を労働時間とする考え方が示されています。また、厚労省は車内待機を義務付けられている場合は労働時間に該当すると明示しています。
したがって、待機中にスマートフォンを見たり、飲食・仮眠をしていたという事実だけで休憩にはなりません。自由に車両等から離れ、呼出しへの即応義務もなく、その時間を労働者が自由に利用できる状態であれば休憩と判断できる余地があります。荷降ろし、積込み、荷締め、検品、立会い等は通常、業務そのものですから労働時間です。

●賃金とデジタコの取扱い
出来高払・歩合給だから荷待ちを労働時間から除外できるわけではありません。労基法27条は出来高払制について労働時間に応じた一定額の保障給を要求しています。また最低賃金は出来高賃金の総額をその賃金計算期間の総労働時間で除して確認します。
荷待ちを含めた結果、法定労働時間を超えれば時間外割増、深夜・法定休日に該当すればそれぞれ所定の割増賃金を支払う必要がでてきます。
デジタコの「待機」を一律に休憩扱いするのではなく、運行日報、受付・荷役開始時刻、点呼記録等と照合し、待機・荷役・実休憩を区分して実態どおり記録することが重要です。なお、2025年4月から荷待ち・荷役等時間の業務記録義務は全てのトラックに拡大されています。

●改善基準告示との関係
ここは労基法上の労働時間と区別が必要です。改善基準告示の拘束時間=労働時間+休憩時間です。したがって、荷待ちを適法な休憩と認定できても、通常、それだけで拘束時間から除外されるわけではありません。トラック運転者は原則として1日13時間以内(延長して最大15時間)、1か月284時間、1年3,300時間以内等の基準が適用されています。休息期間は原則11時間与えるよう努めることを基本とし9時間を下回れません。
また、時間外労働は原則月45時間・年360時間、特別条項でも年960時間が上限です。
したがって御社では、まずデジタコ上の1~2時間の待機を実態調査し「即応が必要な手待時間」と「完全に労働から解放された休憩」を分け、「即応が必要な手待時間」を労働時間・賃金計算に反映することをお勧めいたします。

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
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