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業務委託の外部エンジニアとフリーランス新法、発注側の人事が整えるべき体制は
開発リソースの不足から、フリーランスのエンジニアやデザイナーへの業務委託が増えています。東京のIT企業(従業員50名)で労務と総務を兼任しており、現在10名ほどの個人事業主の方と継続的に取引があります。フリーランス新法では、報酬の支払期日や取引条件の明示に加えて、ハラスメントに関する相談体制の整備も発注者側に求められると知り、社内の対応が追いついていないことに気づきました。委託先とのやり取りは各開発チームのマネージャーに任せきりで、業務範囲や報酬の連絡もチャットで済ませているのが実情です。人事・労務の立場として、まず何から着手すべきでしょうか。社員向けのハラスメント相談窓口を、そのまま委託先の相談窓口として兼ねてよいのかも知りたいです。
おちゃっぱさんの相談
東京都/IT・インターネット
他の専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
まず着手すべきは、「誰に、何を、どの条件で委託しているか」の一元管理です。フリーランス新法(2024年11月施行)は、人事部だけでなく、実際に発注する各開発チームの運用まで対象になります。
具体的には、現在の10名について契約・発注状況を棚卸しし、次の事項を確認してください。
発注条件の明示
業務委託を行った際は、業務内容、役務提供日・場所、報酬額、支払期日等を、直ちに書面またはメール・チャット等の電磁的方法で明示する必要があります。チャット自体が直ちに問題なのではありませんが、必要事項が漏れたり後から確認できなくなったりしないよう、「業務委託基本契約+案件ごとの発注書」のように標準化するのが安全です。報酬は原則として給付を受領した日から60日以内のできる限り短い期間内に支払期日を設定します。
ハラスメント対策
発注事業者には、フリーランスに対するハラスメント防止方針の明確化・周知、相談体制の整備、相談があった場合の迅速・適切な対応等が求められます。
社員向けの既存相談窓口をフリーランスとの共通窓口として利用することは可能です。むしろ50名規模で別窓口を新設するより合理的でしょう。ただし、「社員専用」となっている規程や案内を改め、業務委託先も利用できること、相談方法、担当部署・連絡先、秘密保持、相談したことを理由に契約解除等の不利益な取扱いをしないことを明示し、フリーランス本人にも周知しておく必要があります。
長期委託者の管理
6か月以上の継続的業務委託では、育児・介護等との両立への配慮や、契約を解除・不更新とする場合の原則30日前の予告、求めがあった場合の理由開示にも注意が必要です。
加えて、IT企業では「偽装フリーランス」になっていないかの確認も重要です。契約書を業務委託としていても、勤務時間・場所を会社が拘束し、マネージャーが日常的に具体的な作業指示を出すなど、実態として指揮命令下で働いていれば、労基法上の「労働者」と判断される可能性があります。労働者性は契約名称ではなく実態で総合判断されます。
したがって、人事としては、「フリーランス取引台帳」「標準契約・発注書」「発注担当者向けチェックリスト」「フリーランスを含むハラスメント相談規程」の4点を整備し、マネージャーが独自判断で発注条件を変更しない仕組みにすることをお勧めします。
以上です。よろしくお願いいたします。