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妊娠中の社員から立ち作業の負担を相談、製造ラインの軽易業務転換と手当の扱い
製造ラインで働く社員の妊娠に伴う対応について相談させてください。当社は愛知県の製造業で従業員は約1000名、組立や検査の工程には女性社員も多く在籍しています。先日、2交替勤務のラインで働く社員から妊娠の報告があり、立ち作業と部品の運搬がつらいので配慮してほしいとの申し出を受けました。一方で現場からは、他の工程へ移すと本人に支給している交替勤務手当が下がることや、周囲の負担が増えることを心配する声も出ています。母性健康管理として会社が対応すべき範囲はどこまででしょうか。軽易な業務への転換に伴い手当が減ることは問題にならないか、ハラスメントと受け取られないための伝え方も含めてお教えください。
こまち77さんの相談
愛知県/メーカー
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妊娠中の社員本人から軽易業務への転換請求があれば、会社は労働基準法65条3項により原則として他の軽易な業務へ転換させる必要があります。また、医師・助産師から立ち作業の制限、休憩増加、勤務時間短縮等の指導がある場合は、男女雇用機会均等法13条に基づきその指導を守れる措置を講じる義務があります。
●会社が行うべき対応
長時間の立ち作業や重量物の取扱いは妊婦に身体的負担が大きい作業とされています。特に一定の重量物取扱業務は労働基準法64条の3・女性労働基準規則による就業制限の対象となり得るため、実際の部品重量・取扱頻度を確認する必要があります。本人が軽易業務転換を請求した場合、医師の診断書がなくても労基法65条3項の対象になります。
一方、医師等から具体的な指導がある場合は均等法13条による母性健康管理措置として、座り作業への変更、重量物作業の制限、休憩増加、勤務時間短縮等を検討します。「母性健康管理指導事項連絡カード」は医師等の指導内容を会社へ正確に伝えるための書類で、提出された場合は記載内容に応じた措置が必要です。指導内容が不明確なら、本人を介して医師等に確認する等の対応が求められます。
2交替勤務そのものが妊婦について一律禁止されるわけではありません。ただし、本人が請求すれば時間外・休日労働および午後10時~午前5時の深夜業をさせることはできません(労基法66条)。
●交替勤務手当の扱い
軽易業務転換によって実際に交替勤務をしなくなった場合は「交替勤務手当」が不支給となっても不利益変更とはなりません。しかし、手当が「実際に交替勤務したこと」に対する勤務実績連動型なのか、固定的賃金なのか、就業規則・賃金規程・労働契約・過去の運用を確認する必要があります。
軽易業務への転換を請求したこと・転換したことを理由とする不利益取扱いは均等法9条3項で禁止されいます。したがって、妊娠を理由に基本給そのものを減額する場合は不利益変更となります。規程上の支給要件、減額幅、他の社員との取扱い等から個別判断が必要と思います。
●ハラスメント防止と実務対応
本人には妊娠したことを理由に処遇を下げるのではなく、安全確保・本人の希望・医師等の指導を踏まえた措置であることを説明し、配置先や勤務時間、賃金への影響を事前に具体的に確認・説明することが重要です。周囲の負担増だけを理由に法律上必要な軽易業務転換や母性健康管理措置を拒むことはできません。人員配置や応援体制は会社側で調整すべき事項となると思います。

