相談内容

育成・研修

投稿

資格取得の費用負担について

介護福祉士の資格を取りたいという職員が2名おり、受験対策の講座費用(一人7〜8万円ほど)を会社で出そうかと検討しています。静岡でデイサービスを2拠点運営しており、職員は28名です。ただ、以前に初任者研修の費用を会社で負担した職員が半年ほどで辞めてしまったことがあり、社長は「出すなら2年以内に辞めた場合は返してもらう約束をさせたい」と言っています。私はそういう約束をさせるのはまずいのではないかと何となく感じているのですが、はっきりした理由を説明できず、社長を止められずにいます。このような返還の取り決めはできるものなのでしょうか。また、講座を休みの日に受けてもらう場合、その時間の給与がどうなるのかも気になっています。

ひだまりさんの相談

静岡県/メディカル

他の専門家からの回答

投稿

ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問のケースでは、会社が資格取得を支援すること自体は問題ありませんが、「2年以内に退職したら講座費用を全額返還する」と一律に約束させる方法は慎重に考える必要があります。
労働基準法16条は、労働契約の不履行について違約金を定めたり、損害賠償額をあらかじめ予定したりする契約を禁止しています。したがって、「会社が7万円負担する代わりに2年間勤務すること。2年以内に退職した場合は7万円を返還する」という制度は、退職の自由を事実上制限する違約金と評価される可能性があります。
もっとも、資格取得費用の返還制度がすべて禁止されるわけではありません。業務命令として取得させるのではなく、本人が希望して受講し、会社が費用を貸し付け、一定期間勤務した場合には返還を免除するという実質的な貸付制度であれば、認められる余地があります。
ただし、介護福祉士はデイサービス業務との関連性が非常に高いため、形式だけ「貸付」としても、実態が会社の人材育成のための研修費用であれば問題となる可能性があります。そのため、今回の7万円から8万円程度の講座費用については、私は「2年間勤務しなければ全額返還」という単純な制度は避けることをお勧めします。
例えば、会社の資格取得支援制度として費用を補助し、対象資格、補助上限額、本人の自主的な申請によること、受講や受験結果の報告などを規程化する方法が安全です。どうしても返還制度を設けるのであれば、貸付制度としての実態を整え、返還免除期間や返還額についても合理的な設計をした上で、個別の合意書を作成することをお勧めします。
次に、休日に受講する講座の時間ですが、会社が「介護福祉士を取得するように」と指示し、受講する講座や日時を指定するなど、実質的に参加を義務付けている場合は労働時間となります。厚生労働省も、使用者が休日の社外研修への参加を指示する場合などは労働時間に該当するとしています。
一方、職員本人が自ら資格取得を希望し、講座への参加も自由で、不参加による人事評価上の不利益等もなく、会社は費用を支援するだけという場合には、原則として受講時間を労働時間として扱う必要はないと考えます。
したがって、今回のケースでは「本人の自主的な資格取得を会社が金銭面で支援する制度」として設計することが、返還問題と受講時間の問題の双方から最も運用しやすいと思います。
以上です。よろしくお願いいたします。

投稿

1.2年以内の退職で返還させられるか
労基法16条は、労働契約の不履行について「違約金」やあらかじめ定めた「損害賠償額」...

活躍している
専門家ランキング