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資格取得の費用負担について

介護福祉士の資格を取りたいという職員が2名おり、受験対策の講座費用(一人7〜8万円ほど)を会社で出そうかと検討しています。静岡でデイサービスを2拠点運営しており、職員は28名です。ただ、以前に初任者研修の費用を会社で負担した職員が半年ほどで辞めてしまったことがあり、社長は「出すなら2年以内に辞めた場合は返してもらう約束をさせたい」と言っています。私はそういう約束をさせるのはまずいのではないかと何となく感じているのですが、はっきりした理由を説明できず、社長を止められずにいます。このような返還の取り決めはできるものなのでしょうか。また、講座を休みの日に受けてもらう場合、その時間の給与がどうなるのかも気になっています。

ひだまりさんの相談

静岡県/メディカル

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1.2年以内の退職で返還させられるか
労基法16条は、労働契約の不履行について「違約金」やあらかじめ定めた「損害賠償額」を請求する契約を禁止しています。したがって、「2年間働かなければ7~8万円を返す」という仕組みが、実質的に退職を抑制する違約金であれば無効となる可能性があります。
一方、本人が自主的に資格取得を希望し、会社が本来本人負担となる講座費用を独立した貸付金として立替え、一定期間勤務すれば返還を免除するという実態であれば、労基法16条に反しない場合があります。長谷工コーポレーション事件(東京地判平成9年5月26日)や野村證券事件では、こうした「免除特約付貸付」と評価できるケースで返還請求が認められています。
反対に、新日本証券事件(東京地判平成10年9月25日)では、会社の業務・人材育成との結び付きが強い留学費用について返還合意が労基法16条との関係で問題となりました。つまり、書面を「貸付」と名付ければよいのではなく、資格取得の目的、会社の必要性、本人の自主性、費用の性質、勤務拘束期間等の実態で判断されます。

2.今回の対応
介護福祉士資格は会社にとっても有用なので、会社が取得を指示・強く求め、会社の人材育成として講座に参加させるのであれば、「会社負担なのに退職時には全額返還」という対応はリスクが高くなります。
本人が自ら取得を希望しているのであれば、1.資格取得は本人の任意、2.本来本人が負担する講座代のみを対象、3.会社からの貸付であることを明確化、4.勤務継続に応じて返還額を段階的に免除する、という方法の方が合理的です。
なお、返還債権があっても、会社が退職時の給与から一方的に差し引くことは原則としてできません。労基法24条の賃金全額払いの問題があり、厚労省も使用者による貸付金との一方的相殺は認められないとしています。

3.休日に講座を受ける場合
最大のポイントは、形式上「自主参加」としているかではなく、実質的に会社の指揮命令下にあるかです。
会社が受講を命令する、欠席すると不利益がある、取得が業務上事実上必須などの場合は講座時間は労働時間となります。厚労省は2026年6月公表資料でも、業務上義務付けられた研修・教育訓練や会社の指示による学習は労働時間としています。
したがって、労働時間となる講座を法定休日に受講させれば35%以上の休日割増が必要です。単なる所定休日なら直ちに35%ではなく、週40時間等を超えれば時間外割増25%以上が必要となります。また36協定の確認も必要です。
本人が完全に自由意思で申し込み、不参加による不利益もなく、会社が費用を援助するだけなら、通常は講座時間を労働時間としないことが可能です。
講座会場までの通常の移動も原則として労働時間ではありません。ただし、会社が移動方法を指定し、移動中に業務をさせるなど自由利用が保障されない場合は労働時間となり得ます。
今回であれば、「会社が資格取得を命じて費用を負担し、2年以内退職なら全額返還」という形より、本人の自主的な資格取得を会社が支援する制度として設計し、返還制度を設けるなら貸付の実態を明確にする方法が良いと思います。

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご質問のケースでは、会社が資格取得を支援す...

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