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私生活の違反で免許停止になったドライバー、休職や配置転換はどこまで可能?

ドライバーの運転免許をめぐる対応でご相談があります。埼玉で運送業を営む会社(従業員120名)の労務担当です。先日、休日にプライベートで運転していた社員が違反を重ねて免許停止処分となりました。30日間は乗務ができず、本人は倉庫での勤務を希望していますが、倉庫側の人員にも限りがあり、乗務手当がなくなる分、賃金も下がることになります。今回は一時的な処分ですが、今後は取消しに至るケースも想定して社内のルールを整えておきたいと考えております。免許停止期間中の休職や配置転換、その間の賃金の取り扱いに関する一般的な考え方と、日頃から運転記録証明書などで違反歴を確認する場合の注意点をご教示いただきたく存じます。

さんとてさんの相談

埼玉県/流通・小売・サービス

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1.今回の30日間の対応
免許停止中は当然に運転業務には就かせられません。ただし、直ちに「無給休職」とするのではなく、1.雇用契約上ドライバーに職種が限定されているか、2.就業規則に免許停止・資格喪失時の休職規定があるか、3.倉庫等に現実に配置可能か、4.賃金規程を確認する必要があります。
職種限定合意がある場合、使用者は本人の同意なく限定外の職種へ配転できないと最高裁が判断しています(滋賀県社会福祉協議会事件・最二小判令和6年4月26日)。逆に今回のように本人が倉庫勤務を希望・同意している場合、一時的配置は可能と考えられます。
ただし、本人が希望したからといって会社に新たな倉庫ポストを作る義務まで当然に生じるとはいえません。実際の空き、人員計画、本人の能力等を確認してから行います。

2.休職・無給処理と休業手当
就業規則に「業務に必要な免許・資格を一定期間失った場合」等の休職根拠があれば、それに基づく処理を検討できます。一方、規定がないのに会社が一方的に「30日間無給休職」とすることは避けるべきです。
労基法26条は「使用者の責に帰すべき事由による休業」について平均賃金60%以上を要求しています。
今回の発端は本人の私生活上の違反による免許停止であるため、ドライバー業務ができないこと自体は会社側の原因とは評価されにくいです。しかし、他業務に就労可能で会社も配置できるのに、あえて会社が就労させない場合は休業手当の問題が発生する場合もあります。

3.倉庫勤務時の賃金
乗務した場合にのみ支給することが賃金規程上明確な「乗務手当」であれば、倉庫勤務中に不支給とすることは可能です。一方、基本給を当然に減額できるわけではありません。社が免許停止を理由に、本人の同意なく基本給などの労働条件を不利益に変更すると、その変更が法的に無効となる可能性があります。

4.免許取消しと懲戒
免許取消しでも直ちに解雇できるとは限りません。職種限定の有無、再取得可能時期、配置転換可能性、会社規模、免許取得が採用の本質的条件か等を検討します。普通解雇・懲戒とも、客観的合理性・社会的相当性が必要です(労働契約法15・16条)。
私生活上の交通違反についても、就業規則上の懲戒根拠に加え、違反の重大性、業務・会社信用への影響、過去の処分との均衡等を踏まえる必要があります。私生活上の行為というだけで自由に懲戒できるわけではありません。

5.運転記録証明書
自動車安全運転センターの「運転記録証明書」では過去5年・3年・1年の交通違反、交通事故、免許の行政処分を確認できます。企業が一括申請する場合は社員本人からの委任が必要で、会社が証明内容を確認する場合はその同意を含む手続が用意されています。
従業員情報にも個人情報保護法が適用され、利用目的を具体化し、閲覧者を運行管理者・人事担当者等に限定し、安全管理を行う必要があります。

6.社内ルールとして整備したい事項
免許停止・取消しの申告義務、会社による免許・運転記録確認、乗務停止、代替配置、休職の要件・期間、乗務手当等の賃金処理、免許取消し・再取得不能時の扱い、懲戒との関係、情報管理について就業規則・賃金規程等を整理されることをお勧めいたします。
今回であれば、まず30日間だけ本人同意の上で倉庫配置が可能かを検討し、可能なら賃金規程に従って乗務手当を処理する方法が紛争リスクは比較的小さいです。配置できない場合は、休職規定と職種限定契約を確認したうえで無給処理・休業手当の要否を個別判断することになると思います。

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
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