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次世代法の行動計画で育休取得率の数値目標が義務に、物流会社はどう設定すべき?
一般事業主行動計画の見直し時期を迎え、進め方に迷っております。埼玉県内で運送と倉庫を営む物流会社(従業員120名)で労務を担当しています。改正次世代育成支援対策推進法により、101人以上の企業は計画の策定時に育児休業の取得状況や労働時間の状況を把握し、数値目標を設けることが義務づけられたと知りました。当社は男性ドライバーが大半で、直近2年間の男性の育休取得は1名のみ、時間外も繁忙期は長めです。現実離れした目標を掲げても達成できず、かといって低すぎる目標でよいのか判断がつきません。数値目標は何を指標に、どの程度の水準で設定するのが適切でしょうか。女性活躍推進法の公表対応とは別に整理する必要があるのかもあわせて知りたいです。
さんとてさんの相談
埼玉県/流通・小売・サービス
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1.何を数値目標にする必要があるか
2025年4月1日以降、101人以上の企業が一般事業主行動計画を策定・変更する際は、次の2項目について現状把握・課題分析を行い、それぞれ数値目標を設定する必要があります。
・育児休業等の取得状況:男性労働者の「育児休業等取得率」または「育児休業等+育児目的休暇取得率」
・労働時間の状況:フルタイム労働者1人当たりの各月の法定時間外労働+法定休日労働の合計時間数等
数値目標は、率だけでなく実数・割合・倍数等でも差し支えないとされています。ただし、労働時間の必須目標を年休取得率だけで代替することはできません。
根拠は次世代育成支援対策推進法12条等で、101人以上は行動計画の策定・届出、公表・周知も義務です。
2.男性育休を何%にすればよいのか
重要なのは、一般事業主行動計画について「最低30%」など一律の法定目標値はありません。
例えば2025年4月からの「くるみん認定」では男性育休取得率30%以上等の認定基準がありますが、これはくるみん認定を受ける場合の基準であり、すべての101人以上企業に30%を義務付けるものではありません。 労働局所在地一覧
したがって御社では、現在の取得率を算出し、現状→原因分析→改善策→達成可能だが改善を伴う目標という流れで決めるのが適切です。単に現状維持となる極端に低い目標では、課題分析との整合性を説明しにくくなります。
3.物流会社ならどう設定するか
まず過去の対象男性数と取得人数を確認してください。例えば対象男性が4人なら25%、10人なら10%です。
そのうえで、1.対象男性数・取得率、2.取得しなかった理由、3.代替ドライバー確保、配車変更の可否、4.特定ドライバーへの業務集中、5.繁忙期の時間外労働を分析します。
育休については法定必須指標の取得率等を数値目標としつつ、社内管理上は「対象者への制度説明100%」「個別意向確認100%」「取得人数○人以上」等を補助KPIとして持つ方法があります。
労働時間については、例えば「フルタイム労働者の各月の時間外・休日労働を○時間未満」とし、さらにドライバーについて長時間労働者数等を管理するとよいでしょう。自動車運転業務には2024年4月から年960時間の時間外労働上限規制等が適用され、改善基準告示による拘束時間等の管理も別途必要です。
4.未達成なら法律違反か
設定した目標を達成できなかったこと自体が直ちに罰則対象になるという仕組みではありません。 一方、対象企業には状況把握・課題分析、数値目標の設定、計画策定・届出、公表・周知という法定義務があります。目標未達の場合は原因を検証し、次期計画へ反映するPDCAが重要です。
5.女性活躍推進法との関係
従業員120名なら女性活躍推進法でも行動計画策定等の義務対象です。2026年4月から101~300人企業は、女性活躍情報として「男女間賃金差異」「女性管理職比率」に加え、所定の項目から1項目以上、合計3項目以上の公表が必要になっています。
次世代法と女性活躍推進法は制度目的・義務内容が異なりますが、双方の法定要件を満たせば行動計画を一体的に策定・届出することも可能です。
6.対応案
最初に直近年度の「男性の育休対象者数・取得者数・取得率」と、フルタイム労働者の月別時間外+休日労働時間を集計します。その数字を基準に、配車・代替要員確保など実際に実施できる対策を決め、現状より明確に改善するが、運行体制から見ても説明可能な水準を次期目標にするのが良いと思います。
特に対象男性が少ない場合は、取得者1人で率が大きく変動するため、取得率だけを追わず、取得人数・制度説明・意向確認等も社内KPIとして併用することをお勧めします。

