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職人の退職金について
従業員60名の建設会社で総務をしております。新潟で内装工事を請け負っており、職人は20代から60代まで幅広くいます。当社には退職金の制度がなく、長く勤めてくれた人が辞めるときに社長がその都度いくらか包む、というやり方をずっと続けてきました。先日、40代の職人から「うちは退職金はないんですか」と聞かれ、答えに詰まってしまいました。同業他社では建退共に入っているという話も聞きますし、中小企業向けの共済もあると聞いたことがあります。ただ、正直どれが自社に合うのか判断がつきませんし、一度始めたら途中でやめられないのではという不安もあります。60名程度の規模で退職金の制度を新しく作る場合、どういう点を押さえて考えればよいでしょうか。
あさぎりさんの相談
新潟県/建設・不動産
他の専門家からの回答
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
退職金制度は法律上、すべての会社に設置が義務付けられているものではありません。そのため、現在退職金制度がないこと自体に問題はありません。ただし、長期勤続者に社長判断でその都度支給する運用は、金額や対象者の基準が曖昧になりやすいため、今後制度化するのであれば整理しておくことをお勧めします。
建設会社の場合、まず検討したいのが「建設業退職金共済制度、建退共」と「中小企業退職金共済制度、中退共」です。
建退共は、建設現場で働く労働者を対象とし、事業主が就労実績に応じて掛金を納付する仕組みです。職人が建設会社を転職しても、建設業界内で働き続ければ掛金実績を積み重ねられることが大きな特徴です。
一方、中退共は会社単位の退職金制度として使いやすく、事業主が従業員ごとに毎月掛金を納付し、退職時には中退共から本人へ直接退職金が支払われます。掛金は全額事業主負担です。
御社のように職人だけでなく総務、営業等の内勤者もいる会社であれば、「誰を制度の対象とするのか」が最初の検討事項です。職人について建退共、内勤者について中退共という設計も考えられます。なお、同一従業員について建退共と中退共に同時加入することはできませんが、一定の条件の下で両制度間の通算制度があります。勤労者退職金共済機構
中退共を検討する場合には、現在勤続している社員への対応も重要です。新規加入時には、既に1年以上勤務している従業員について、最高10年間の過去勤務期間を通算できる制度があります。
また、「一度始めたら負担を変更できないのでは」という点について、中退共では掛金月額の変更は可能です。ただし、減額については原則として従業員の同意が必要です。したがって、導入時に無理に高額な掛金を設定せず、会社が継続して負担できる水準から始めることが大切です。
制度を導入する際には、退職金規程を作成し、対象者、加入時期、掛金、休職期間等の取扱い、懲戒解雇等の場合の取扱いなどを明確にします。
60名規模の建設会社であれば、まず「職人は建退共、内勤者は中退共」とする案と、「原則として全社員を中退共」とする案について、年間掛金総額と将来の退職金水準を比較してから決定するとよいでしょう。社長の裁量による慰労金から、基準が明確で従業員にも説明できる制度へ移行する良い機会だと考えます。
以上です。よろしくお願いいたします。

