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退職前の有給消化について

来月末で退職するエンジニアから、残っている有給を全部使ってから辞めたいと言われました。IT企業(東京・従業員50名)で労務をしています。残りが18日ほどあるので、ほぼ最終出社日が1か月近く前倒しになります。上長は引き継ぎが終わらないと困ると言っていて、何日かは出てきてもらえないかと相談されています。こういう場合、会社から有給の日をずらしてもらうことはできるのでしょうか。退職日が決まっているとずらす先がないので無理、という話もどこかで見た気がしますが、よく分かりません。引き継ぎをお願いするとして、どこまでなら会社として言ってよいのか、線引きを知りたいです。

おちゃっぱさんの相談

東京都/IT・インターネット

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退職日が確定しており残りの所定労働日を年休18日で連続取得する場合、会社が「引き継ぎが終わっていない」ことを理由に一方的に数日出社させることは原則として困難です。会社は本人に引き継ぎのため取得日の変更等を相談・お願いすることはできますが、本人の同意が必要です。

1.退職前の年休取得
年次有給休暇は労働者が取得時季を指定すれば適法な時季変更権が行使されない限りその日に取得できます(労基法39条5項)。連続取得自体を禁止する規定もありません。労働局も退職予定者は在籍中であれば退職時まで年休を取得できるとしています。

2.退職時の時季変更権
会社は「事業の正常な運営を妨げる場合」には別の時季へ変更できます(労基法39条5項ただし書)。しかし、時季変更権は年休そのものを消滅させる権利ではありません。
労働局は明確に「退職日を越えて変更できない」としています。また、退職前の全所定労働日を年休申請した場合、変更先が退職後となるため時季変更権を行使できないとしています。
したがって今回、18日の年休が退職日までの残りの出勤日をすべて埋める状況であれば、変更先がなく時季変更権によって出社させることはできません。

3.「引き継ぎ未了」なら変更できるか
単に「上司が困る」「引き継ぎが終わらない」だけで当然に「事業の正常な運営を妨げる場合」となるわけではありません。人員配置、業務内容、代替要員確保の可能性等を具体的に検討する必要があります。裁判例でも、使用者側に代替要員確保等の配慮が求められています。
もっとも、今回はそれ以前に退職後へ時季変更できない状態です。

4.会社がお願いできる範囲
「引き継ぎのため○日だけ出社できないか」「年休取得日を変更できないか」と本人に相談すること自体は問題ありません。本人が自主的に年休申請を変更・撤回することも可能です。
ただし、拒否された場合に「年休を認めない」「出社命令に従わなければ欠勤扱い」とすることは適法な時季変更権を行使できないため避けるべきです。
また「全部取得したいなら退職日を延ばしてほしい」と提案することは可能ですが、退職日の変更は双方の合意によるべきで会社が一方的に延長することはできません。

5.実務上の対応
会社としては、まず退職日までの所定労働日と年休残日数を確認し、1.年休開始前に引き継ぎを集中させる、2.資料・マニュアル作成を依頼する、3.本人に取得日の一部変更を相談するという対応となると思います。本人が応じなければ年休取得を前提に業務体制を整える必要があるのではないかと思います。

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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご認識のとおり、退職日が確定しており、その...

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