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退職前の有給消化について
来月末で退職するエンジニアから、残っている有給を全部使ってから辞めたいと言われました。IT企業(東京・従業員50名)で労務をしています。残りが18日ほどあるので、ほぼ最終出社日が1か月近く前倒しになります。上長は引き継ぎが終わらないと困ると言っていて、何日かは出てきてもらえないかと相談されています。こういう場合、会社から有給の日をずらしてもらうことはできるのでしょうか。退職日が決まっているとずらす先がないので無理、という話もどこかで見た気がしますが、よく分かりません。引き継ぎをお願いするとして、どこまでなら会社として言ってよいのか、線引きを知りたいです。
おちゃっぱさんの相談
東京都/IT・インターネット
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ご質問いただきまして、ありがとうございます。
次の通り、ご回答申し上げます。
ご認識のとおり、退職日が確定しており、その直前に残っている年次有給休暇をすべて取得したいとの申出があった場合、会社が一方的に取得日を変更することは、原則として困難です。
年次有給休暇は、原則として労働者が指定した時季に与えなければなりません。会社には、休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合に、他の時季へ変更する「時季変更権」があります。
しかし、退職日までの所定労働日をすべて年休とするような場合、変更先となる勤務日がありません。退職後の日に年休を変更することもできませんので、引き継ぎが終わっていないことだけを理由として年休取得を拒否することは難しいと考えます。
例えば、10月31日退職で、10月7日以降の所定労働日18日をすべて年休として申請された場合、会社が「10月15日は引き継ぎのため出勤してください」と一方的に変更することは原則としてできません。
もっとも、会社から本人に協力をお願いすることまで禁止されているわけではありません。
「引き継ぎのため、この2日間だけ出勤してもらえないでしょうか。その分の年休については別の日に取得していただきたい」などと相談し、本人が自由な意思で同意するのであれば、そのような調整は可能です。
また、本人が同意するのであれば、退職日自体を数日延ばし、引き継ぎを行った後に残りの年休を取得してもらう方法も考えられます。
一方、「引き継ぎが終わるまで有給は認めない」「出勤しなければ退職手続きをしない」など、事実上取得を断念させるような対応は避けるべきです。
実務上は、まず残日数と退職日までの所定労働日数を確認し、本人と上長を交えて、必要な引き継ぎ事項を絞り込むことをお勧めします。出勤をお願いする場合も、あくまで本人の同意を得て調整するという進め方が適切です。
今後の対策としては、退職の申出を受けた時点で年休残日数を確認し、早い段階から引き継ぎ日程と年休取得予定を本人と調整する仕組みにしておくとよいでしょう。
以上です。よろしくお願いいたします。

